投資戦略(全世界投資)

NISA制度はなぜ使いにくい?原因は国民のマネーリテラシー

NISAが使いにくいのはなぜ? 投資戦略(全世界投資)

NISA制度を利用する際に「複雑で使いにくいな」と感じたことはないでしょうか?

NISA制度は始まった初期の頃から制度内容がわかりにくく、投資家たちからの評価は厳しいものでした。

ここで気になるのが、なんでこれほど分かりづらく使いにくい制度にしてしまったのか?ということですよね。国民に投資を促したいはずなのに、複雑な制度内容になったのはなぜなのでしょうか。

今回の記事で、NISA制度の制度設計時の背景や金融庁の狙いについて解説します。私たち国民も少なからず原因の一部なので、しっかりと制度作成のストーリーを把握しておきましょう。

NISA制度はイギリスの「ISA制度」を参考にしたもの

NISA制度(少額非課税制度)は、発足時に見本とした制度が存在していたことはご存知でしょうか。

イギリスですでに導入されていた「ISA(個人貯蓄口座)」と呼ばれる制度です。

ISAの代表的な特徴は、以下の3つ。

  • 非課税期間が恒久化されている
  • 非課税投資枠に上限がない
  • 年度内であれば非課税投資枠が消えることはない

では、上記3つのポイントを抑えつつ、ISAがどのような制度なのかわかりやすく解説します。

ISAは恒久化されているイギリスの税制優遇制度

NISAの見本となった「ISA(Individual Saving Account)」は、もともと1999年4月6日にイギリスで導入された個人貯蓄口座と呼ばれる制度です。

導入当初は2010年までの期限付きで、イギリス国民の貯蓄や投資を促すことを目的として始められました。

しかし、2008年に制度改正され非課税期間の恒久化が決定。制度改正した時期から利用者は増え続け、開始当初から比べるとISAの合計資産金額は約1.7倍ほどに増加しています。

また、ISAは1年間の非課税投資枠が毎年20,000£(約200~300万円)。非課税投資枠に上限はないため、制度がなくならない限りは毎年20,000£を無期限で積み立てられます。

さらにISA口座内にある資産は、年度内であれば売却したり、引き出したりしても投資枠が消えることはありません。

たとえば、年初に200万円投資して、運用途中の6月に50万円引き出し、口座内の運用資産が150万円になったとします。

この場合でも年内であれば、再度50万円を入れることが可能なのです。

日本のNISA制度の場合は、一度使用した非課税投資枠は無くなるので、気軽に売却したり、引き出したりすることができません。

NISAとISAの比較表で制度の違いを把握しよう

ISAについて簡単に説明したので、ここではNISAとISAの制度がどのように違うのか下記の表にまとめました。

NISAとISAの制度の違い

表からわかるように、ISAは恒久化や最大非課税投資枠の上限なしなどメリットが豊富です。安定的に長期で資産運用を行うには、非常に使いやすい制度内容になっています。

NISAが使いにくいのは国民のマネーリテラシーが原因

NISA導入時には、すでにISAは恒久化されていました。つまり、参考にできる部分が非常に多かったのです。

しかし、いざNISAが始まるとISAと異なる点が非常に多く、制度内容は複雑なものになっていました。

実はNISAがこのような制度になってしまったのは、日本国民のマネーリテラシーにも問題がありました。

金融機関の手数料商売に気づかない

多くの金融機関は投資を始めたい方に運用コストが高い商品をおすすめし、さらに何度も買い替えをさせてその度に手数料を取る手数料商売」を行なっています。

基本的にネット証券でインデックスファンドを購入すると手数料はかかりません。いわゆる、手数料が0円の「ノーロード」と呼ばれる投資信託が主流になっているためです。

しかし、金融機関は高い手数料を取るために手数料のかかる商品を何度も売買することを推奨していたのです。

国がNISAを導入する理由のひとつに、この手数料商売を辞めさせたい狙いがありました。

ただ、NISAの制度内容を決める時期には、この手数料商売を行われていることに気づけない日本人が大勢いたのです。マネーリテラシーがないため、銀行や証券会社が言っていることはすべて正しいと思い込んでいます。

そのような状態でISAの制度内容をそのまま導入しても、結局手数料商売を行われては意味がありません。

そこで金融庁は、ISAでは20,000£(約200~300万円)あった非課税投資枠を毎年120万円(一般NISAの場合)に削減。さらに年度内で利用した非課税投資枠には、追加投資ができないように制限を加えました。

この上限金額の設定と再投資ができない制度によって、マネーリテラシーがない方でも手数料商売に引っかからないようにしたのです。

金融商品の良し悪しが判断できない

マネーリテラシーが低いことで制度内容が複雑になったのは、近年利用者が増えている「つみたてNISA」の制度にも関係しています。

つみたてNISAは、毎年の非課税投資枠が40万円あり、非課税期間は最大20年間。つまり、最大800万円分の非課税投資枠がある国民の資産形成を目的とした制度です。

つみたてNISAの特徴は、購入できる商品を金融庁が厳選している点です。最初から購入できるものを厳選することで、マネーリテラシーが低い方でも商品選定を楽にできます。

ただし、株式の投資信託しか購入できません。

株式だけで構成される投資信託は、下落した際に影響を受けやすいです。そのため、予想以上の下落が起こる可能性があり、その変動に耐えきれず投資初心者は投資を辞めてしまう場合があります。

つみたてNISAの目的は、国民に安定して資産形成をさせること。それなのに、なぜ安定的な運用が難しい「株式」の投資信託しか購入できないのでしょうか。

長期的な資産形成を目的とするなら、資産を分散させて価格変動リスクを抑えるために債券やREIT(不動産投資信託)などを含める必要があります。

実際、国民の年金を運用しているGPIFも株式と債券に投資を行なっています。

いくら金融庁が厳選したからといって、株式の投資信託だけで運用するのは安全とは言い切れません。

それでもつみたてNISAで購入できる商品が限定されているのは、国民が金融商品のいい悪いを判断できないためです。

つまり、リテラシーが低く商品の選定方法が分からないため、銀行からおすすめされた手数料の高い商品を疑いもなく購入してしまう。

そのようなことを阻止するため、現在のつみたてNISAの制度になっています。

マネーリテラシーを高めてNISAの正しい使い方を学んでいこう

NISAが使いにくくなった背景には、根本的に日本国民のお金に対する意識の低さが原因だということをお伝えしました。

日本人のマネーリテラシーは、欧米と比べると高くはありません。欧米では幼少期から「お金」について学ぶので投資をしている方やお金の使い方が上手な方が多くいます。

しかし、日本ではお金の話はタブーという認識があり、家族にすらあまり多くを話そうとしません。その結果、マネーリテラシーが上がらずにNISA制度のようなわかりにくい制度が生まれてしまいました。

今後このような問題が起きないようにするためには、日頃から「お金」について考えて勉強しなければなりません。

リテラシーを高める方法は勉強しかないでしょう。「マネーリテラシーを高める方法は何?知らないとマズい9つの知識とは」の記事で大人なら知っておくべき9つの知識を紹介しているのチェックしてください。

NISA以外にも、年金制度やiDeCoなどお金にまつわる制度はさまざまあります。自分自身の人生をより豊かにするために、ぜひ本記事や紹介した記事を参考にマネーリテラシーを高めていきましょう。

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