繰上返済が必要な借金、不要な借金
最近は金利が上昇を続けており、それに伴って繰り上げ返済という言葉が話題に上ることが増えてきました。
今回は、繰り上げ返済をした方がいいのか、しなくてもいいのか、その判断基準について整理していきます。
基本ルール 借金はないもの(0:44)
まず前提として押さえておきたいのは、人生において借金は必要ないということであり、借金がない状態こそが理想だということです。とはいえ、必要に迫られて借金をしなければならない場面が出てくることもあります。住宅や大学進学など、期限が関わるものについては、貯まってから動くのではタイミングを逃してしまうため、その前提でローンを組む意味が出てきます。
一方でそれ以外の多くの借金は、待てるものである以上、貯めてから使えばいいという結論になります。突き詰めれば、借金は全て繰り上げ返済してしまった方がいいということになりますが、投資を行っている場合は、増えた資金で返済すればいいという考え方も出てきます。そうなると重要になるのが金利の水準です。
繰上返済が不要な借金(2:06)
借金の種類はそれほど多くないため、まずは繰り上げ返済が不要な借金から整理していきます。返済義務があるものはすべて借金であり、住宅ローンや奨学金はもちろん、クレジットカードの1回払いやリボ払い、親からの借入れも含まれます。結論としては、住宅ローン、奨学金、クレジットカードのショッピング1回払いについては、基本的に繰り上げ返済は不要だと考えています。
繰上返済が不要な借金①住宅ローン(3:20)
住宅ローンの繰り上げ返済が不要な理由は、金利が非常に低いからです。政策的に優遇されているうえ、長期間にわたって貸し出せるため銀行にとって収益性が高く、抵当権という担保もあることから、世の中でもっとも優遇された借金だと言えます。金利が低く返済期間も長く取れるため、月々の負担が軽くなり、その分を投資に回した方が合理的です。
もちろん、あと数年で完済できる場合や、退職金でまとめて返す計画がある場合など、繰り上げ返済をしても構わないケースもあります。基本的には不要ですが、金利が3%を超えてくる場合には繰り上げ返済も選択肢に入ってきます。期待できる運用利回りを7%とした場合、その半分程度である3.5%が現実的なラインであり、そこからの目減りを考慮すると3%あたりが判断の基準になります。
一般的に金利が上がると株価が下がると言われますが、実際には金利が上昇している間は株価も上昇し、金利がピークを迎えたあとに株価が下がり始める傾向があります。つまり金利が上がり続けている間は運用も好調であることが多いものの、3%を超えてくると企業収益も悪化してくるため、その段階で増えた資金を繰り上げ返済に充てるという判断が有効になってきます。
繰上返済が不要な借金②奨学金(6:32)
奨学金も制度上金利が3%を超えない仕組みになっているため、基本的に繰り上げ返済は不要です。ただし、単に「とりあえず大学へ」という目的で借りるのであれば意味を持ちにくく、実際に学んだ内容が将来の糧になっているかどうかが重要になります。
学んだことが今の活動に生きているのであれば、それは十分な自己投資であり、多少の利子を払うことになっても問題はありません。金利が3%を超えない以上、一生繰り上げ返済をしなくてもよく、その資金があるのであれば投資に回すことをおすすめします。
繰上返済が不要な借金③クレジットカード(ショッピング)の1回払い(7:38)
クレジットカードのショッピング1回払いは手数料がかからないため、無理に前倒しで支払う必要はありません。与信枠を空けるために現金で先払いする特殊なケースもありますが、これは例外的な使い方です。
注意したいのは、1回払いだからといって「後で払えばいい」という感覚で使ってしまうことです。現金でも支払える状態を保ちながら、利便性やポイント目的で使っているのであれば問題ありません。支払いの手当てがきちんとできているかどうかが判断の分かれ目になります。
繰上返済が必要な借金①目的別ローン(9:30)
ここまで挙げた3つ以外の借金は、基本的にすべて繰り上げ返済をした方がいいと考えています。理由は単純で、それ以外の借金はそもそも持つべきではないものだからです。そうした借金を抱え続けていると人生の方向性まで引っ張られてしまうため、早めに抜け出すことが大切です。
代表的な目的別ローンは自動車ローンで、ディーラーローンなどは金利が9%前後になることもあり、想像以上に高い水準です。銀行のローンであれば3%程度で借りられることもありますが、信用力次第です。
中古車でも十分見栄えのいい車は100万円程度で見つかるため、都市部であればそもそも車自体が不要なケースも多く、地方でも高額な車である必要はありません。4年程度乗ることを前提にその間に次の車の資金を貯めておくという考え方であれば、ローンを組む必要はなくなります。目的が明確であるほど計画的に貯められるはずなので、目的別ローンは金利も高く、基本的に繰り上げ返済でさっさと解消してしまった方がいいと思います。
繰上返済が必要な借金②多目的ローン(10:56)
多目的ローンは金額にもよりますが金利が5%から15%程度と高く、使い道が自由な分だけ金利も高く設定されています。こうしたローンを利用している時点で投資どころではない状態だと言えるため、さっさと返済してしまった方がいいと考えています。
繰上返済が必要な借金③クレジットカード(ショッピング)の1回払い以外(11:23)
クレジットカードのショッピング1回払い以外の支払い方法は、基本的に利用しないことをおすすめします。手数料がかからない2回払いであっても返済義務がある以上は立派な借金であり、そうした支払い方に頼らざるを得ない状態そのものが問題です。3回以上の分割払いやボーナス払いは手数料もかかり、金利も12%から18%程度と高くなるため、繰り上げ返済の対象として早めに解消した方がいいものです。
リボ払いは特に危険であり、なくなってしまってもいいと思うほどのものです。キャッシングについても基本的に利用の必要はなく、海外キャッシングも含めて金利は高めに設定されていることが多いため、利用してもすぐに返済することが前提になります。国内であれば利息制限法の上限に近い15%から20%程度の金利になることがほとんどなので、こうした借金も早めに返済してしまうべきです。
繰上返済が必要な借金④親ローン(13:50)
家族や親からの借金は無利子であることも多く、無事に育っていれば実質的に免除されるようなケースもあります。家族だからという理由で免除や金利面の優遇を受けることもありますが、基本的には早めに返済しておくべきだと考えています。
経済的な自立ができていない状態を表している面もあるためで、例えば就職に伴って車が必要になり、親から一時的にお金を借りるといったケースはあり得ます。そうした援助自体を否定するわけではありませんが、支払う必要がないからとそのままにせず、しっかり返済していくべきです。浅田も結婚前の当時の相手に対しても、親への借金を返済してからでなければ結婚はできないと伝えたことがあり、投資の勉強以前に人としてのあり方が問われる場面だったと考えています。
借金の返済方法(16:30)
ここまでの話を踏まえると、借金はできる限り返済していくべきだと言えますが、これは事業のための借り入れではなく、消費のための借金についての話です。住宅ローンも奨学金も、突き詰めれば消費や自己投資のための支出であり、目的別ローンやキャッシングも同様に消費のための借金です。
消費のためのお金は、まずは貯めてから使うという習慣を身につけることが大切であり、必要なもの、価値のあるものを見極めて使うことができてはじめて、貯めることの意味も分かってきます。
貯めることができていないというのは使い方が雑になっているということでもあり、その結果として不要なものを買い続け、借金が増えていくという悪循環に陥ります。このスパイラルから早く抜け出すためにも、投資を無理に行わず、繰り上げ返済を優先して借金を返していくことをおすすめします。期日通りに返済できていて余裕があるのであれば、返済を続けながら資金を貯め、貯まったところで残高の少ない借金から返していきます。
残高の少ない借金を返し終えると毎月の支払い額が減るため、その分を次の返済に充てることで返済のペースが加速していきます。複数の借金を抱えているケースでは、まず借金の本数を減らすことを優先し、金利の高さよりも早く完済できるものから返済していく方法でも十分に効果があります。
まとめ(17:15)
借金というものは基本的に必要のないものだと考えています。この資本主義社会では、金利を支払う側に立つか、金利を受け取る側に立つかのどちらかしかなく、受け取る側に立った方が生きやすくなります。金利が低かったとしても、金額の大きな借金に金利を払い続けていれば、その分だけ自分が受け取れる金利は少なくなっていきます。わずかな金利であっても抑えることができれば、それは自分自身のプラスになります。
投資を活用しながら資産形成を大きくしていきたいのであれば、借金はしないに越したことはなく、これはほぼ絶対的な原則だと考えています。
またこちらの動画「「金利上昇で株価暴落」は本当か。過去18回中14回は株価が上がっていた」では、金利上昇と株価の関係を歴史から検証していますのでぜひご覧ください。





