新NISA開始!特需で高値掴みを心配する必要はあるのか?

2024年からスタートする新NISA制度は、生涯投資枠(投資可能額)の拡大や制度の恒久化により、多くの注目を集めています。

しかし、新NISA開始時に予想される「特需」が本当に市場に大きな影響を与えるのか、またその影響をどのように捉えるべきなのか気になるのではないでしょうか。

本記事では、新NISA特需とそのマーケットインパクトについて詳しく解説します。

質問内容

新NISA開始のタイミングで投資を始める人が多いことが予想されます。新NISA開始時の「新NISA特需」で買い注文が殺到し、価格が急騰して高値つかみをしてしまうという恐れはないのでしょうか?

キーポイント

新NISAによる特需が与える影響は低い(00:01:00)

新NISAの開始により、大量の買い注文が集中する「特需」が発生する可能性はあるのでしょうか。特需とは、特定のイベントや政策変更によって需要が一時的に急増する現象を指します。

新NISAの場合、非課税制度の拡大に伴い、多くの個人投資家が株式や投資信託の購入を開始することで特需は発生すると考えられています。

日本の家計資産は約2,000兆円に達しますが、そのうち金融商品に投資されているのは10%程度(200兆円)です。

一方、欧米では資産の約40%強が金融商品に投資されており、日本との違いは明確です。

新NISA開始に伴い現在の投資額が倍増しても、欧米と同じ投資率になることは考えにくいです。これまでも旧NISAやiDeCoが勧められてきましたが、日本としてはまだまだ投資に対して不信感が残っています。

仮に新NISAにより投資額が倍の400兆円になったとしても、そのすべてが日本の市場に投資されるということも考えづらいです。

そのため、新NISAによる特需は発生するかもしれませんが、マーケットに大きな影響を与える可能性は低いと考えられます。

新NISA特需はマーケットインパクトを引き起こすのか?(00:04:00)

マーケットインパクトとは、特定の市場イベントや大量注文が価格変動を引き起こす現象を指します。大量の買い注文が市場に入ると、需給のバランスが崩れ、一時的に価格が上昇することがあります。

新NISA特需は「マーケットインパクト」を引き起こすのか詳しく解説します。

マーケットインパクトが起こることは考えづらい

岡三証券の「外国株式投資の魅力」によると、2023年10月末の世界主要市場の株式時価総額は約98兆7,372億ドル。日本円に換算すると「約1京5,000兆円」です。

仮に新NISAを通じて200兆円が市場に投入されたとしても、世界市場全体の1%程度に過ぎません。

このため、新NISA特需がマーケット全体に与えるインパクトは限定的であると予想されます。

分散投資による影響の軽減

さらに、投資資金が特定の銘柄やセクターに集中せず、広く分散されることもマーケットインパクトを抑える要因となります。

特に全世界株式型のインデックスファンドやETFに投資が集中する場合、市場全体への影響はさらに限定的になります。

短期的な価格変動に左右されないメンタルが大切(00:07:37)

短期的な価格変動は避けられませんが、長期運用を前提にすれば大きな問題にはなりません。

新NISAを通じた資産形成では、価格変動に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で取り組むことが重要です。一度に資金を投入せず、時間を分けて少額ずつ投資する「ドルコスト平均法」を活用することで、リスクを分散できます。

特に初心者の方は、積立投資を通じて長期的な資産形成を目指すことをおすすめします。

まとめ

新NISA特需によるマーケットインパクトは、数字や市場規模を考慮すると限定的であるといえます。

一時的な価格変動に対する懸念はあるものの、それを過度に心配する必要はありません。

初心者の方は特に、長期運用や分散投資の基本をしっかり押さえることが重要です。

焦らず計画的に投資を進めることで、新NISAを活用した資産形成を成功させましょう。