「投資を始めたいけれど妻が反対している」という家庭の話はよく耳にします。妻が投資に不信感を持っていたり、否定的だったりすると運用を始めにくいですよね。
しかし、始めたい側としてはこれからの時代に投資は欠かせないものと感じでいるでしょう。できることなら、すぐにでもスタートしたいはず。
そこで今回は、投資に反対する妻から理解を得るための方法を紹介します。記事を読んで妻や家族と一緒に投資に取り組めるようになりましょう。
妻が投資に反対する原因は?
理解してもらう方法を解説する前に、妻が投資に反対している原因を考えていきましょう。原因がわかると、対策も立てやすいです。
知らないだけの可能性がある
「胡散臭い……」
「怪しい……」
投資の話をしたときに、妻がこのような反応をする場合「知らない」だけで拒絶している可能性があります。
人間は、知らないことを否定する特性を持っています。これを心理学では現状維持バイアスといいます。
人間は、今の現状から何かを変化させることを極端に嫌うので、今問題なく生活ができているから新しいことを取り入れたくないという心理が働いてしまいます。
この心理が原因で、投資に反対している場合はよくあります。
投資を勧める側からしたら「少しでも勉強してくれたらいいのに」と思ってしまいますよね。
しかし、そもそも投資に対して興味がないため知ろうともしないのです。
「知らない」ということは、基本的に自分の中に取り入れようとしていないもの。そのため拒絶したり、嫌ったりしてしまいます。
したがって、妻が知らないだけで反対しているかどうかを最初に確認しておきましょう。
育ってきた家庭環境も影響する
知らないだけでなく、育ってきた家庭環境によって投資に反対している場合もあります。
たとえば、妻の実家が代々投資について否定的な考えを持っていたとします。この場合、投資を否定する感覚は親から子供へと遺伝しやすいです。
親が投資をしないから、無意識に自分も「投資はしてはいけないもの」と感じてしまいます。
どこでその感覚を止められるかはわかりませんが、遺伝的な考えによって頭ごなしに拒絶されてしまうことがあるでしょう。
そのため、相手の育ってきた家庭環境がどのようなものだったのかも確かめるのがおすすめです。
投資を理解してもらうために妻のマネーリテラシーを高めよう
投資に反対する妻を説得するためには、相手のマネーリテラシーを高めることが大切です。
上述したように、人間は知らないことは嫌いになり遠ざけてしまいます。これは、いたって普通の感覚です。
たとえば、免許を取る前は車の運転が怖かったのではないでしょうか。他の車にぶつけたり、人をはねたりするかもしれないと考えていたでしょう。
しかし、教習所で制御や操作方法を学び知識が増えていくと、恐怖がなくなったのではないでしょうか。多少は怖いかもしれませんが、便利なものだとは体感しているはずです。
なぜ恐怖があるにも関わらず使えるようになるのか、それは人間の好奇心が関係します。便利や楽しい、ワクワクするといった好奇心があると、人間は恐怖を乗り越えられるのです。
投資も同じで、便利であり、将来必要なものだとわかれば、妻は反対せずに興味を持ってくれる可能性があります。
そのため、妻のマネーリテラシーを少しずつ高めて「知らない状態」から脱出してもらいましょう。
ただし、投資の話をした翌日から急に妻のマネーリテラシーが高くなるわけではありません。興味を持つこともないでしょう。
そのため、時間をかけて徐々に興味を持ってもらえるように行動することが大切です。
- リビングに短時間で読める投資系の本を置く
- 投資やお金関係のYouTubeを一緒に見る
上記のような施策を行うと、少しずつ投資に興味が湧き始めます。
注意して欲しいのが「強要」をしないことです。
無理に見せたり、教えたりすると相手は余計に嫌がって離れてしまいます。
子供の頃に親から「宿題をしなさい!」といわれて、余計にやる気を削がれた経験はないでしょうか。経験がある方は「今から始めるつもりだったのに」と思っていたでしょう。
人間は本来自由な生き物です。そのため、強要されてしまうとさらに遠ざけてしまう特性があります。
したがって、すぐに結果を求めようとせずに時間をかけることが大切です。
最初から100%のゴールを目指す必要はありません。10%、20%と少しずつ引き寄せていきましょう。
マネーリテラシーについては下記の記事で解説しているので、基礎的な知識を学ぶための参考にしてください。
投資について妻と話すときのコツ
上記の方法を実践していくと、妻は少なからず投資に対する不信感は減ってきているでしょう。そこで、さらに投資を理解してもらうために、話し合う際のコツを紹介していきます。
家計の現実を見せる
不安をあおるわけではないですが、家計の現実を見せるのも投資を理解してもらうためのコツです。
たとえば、今の世代は老後資金として2,000万円以上の資産を用意しなければなりません。予想よりもインフレした場合は、それよりも多くの金額が必要になるでしょう。
また、将来子供がどのような道を歩むかはわかりません。私立の中学校や高校、大学に通うなどさまざまな道があります。
そのため、ある程度子供の学費についても話しておくことは大切です。
しかし、いざ必要なお金を計算してみると、毎月の積立貯蓄だけでは教育資金や老後資金がまったく足りないことがわかります。
よくいわれる「1度目のファイナンシャルプランは絶望を味わう」ということです。
したがって、家計の現実をみせて投資が必要不可欠なことを伝えるのも重要になります。
ただ、マイナスな部分だけでは不安を与えるだけになるかもしれません。
そのため、投資による恩恵も伝えるのがポイントです。
もし老後までの30年間で、2,000万円必要だとしましょう。
積立貯蓄の場合、2,000万円を貯めるには毎月約55,000円を積み立てなければなりません。
一方、年利回り5%で30年間運用すると、2,000万円貯めるのに毎月約24,000円ほど必要です。
積立貯蓄と積立投資では、2,000万円貯めるために必要なお金が約半分ほどになります。
このように、少額でも投資を始めると自由に使えるお金が増えるとわかれば、なんだかワクワクしてきますよね。
その感情を妻にも伝えることができれば、話し合いがうまくいきやすいです。
老後資金の計算方法は、以下の記事で解説しています。自分の家計や将来の資金を調べたことがない方は、ぜひ参考にしてください。
投資方法・積立金額・実績を常に報告する
話し合いのポイントとして、投資戦略や実績などは常に伝えるようにしましょう。
妻が投資のような堅苦しい話を嫌いだとしても、必ず報告してください。なぜなら、何も伝えないと妻からの信頼を失う可能性があるためです。
マネーセンスカレッジでは、投資にはリスクがあるとお伝えしています。ここでいうリスクとは「価格変動のブレ幅」のことです。
価格が上下動しながら右肩上がりに増えていくのが投資の考え方です。
その過程で、もしコロナショックやリーマンショックなどの暴落が起きた場合は、資産が一時的にマイナス(元本割れ)になる可能性があります。
しかし、投資期間を3年、5年、10年と伸ばしていくほど元本割れが起こる確率は0%に近づきます。
実際に国民の年金を運用しているGPIFのデータからも、10年間の運用であればどの期間で区切ってもマイナスなることはありませんでした。
つまり、20年や30年の長期投資を前提していれば、売却する際に元本割れが起きている可能性は限りなく低いのです。
ただ、もし妻に実績や運用方法を伝えていないと、下落を受けたときにどう感じるでしょうか。
資産が少し減っただけで、投資への反発が強くなることが考えられます。
短期では元本割れが起きやすいことやGPIFの過去の実績データなども「知らない」ため、不安になるのは当然ですよね。
その結果、妻からの信頼を失ってしまいます。
したがって、常に報告を行い、たとえマイナスでも問題がないこと。長期的に見ると数量を多く確保できる期間であることを伝えて安心させることが大切です。
妻も納得する初心者におすすめの投資方法は?
妻が投資に興味を持ち始めて「してもいいかな?」という雰囲気になったら、次に大切なのは中身です。いわゆる、どのような投資方法を実践するのかが重要です。
全世界投資なら安全な運用を目指せる
株式投資やトレードを始めたいと考えているかもしれませんが、初心者は投資信託の積立投資から始めるのがおすすめです。
近年は、投資信託が最低100円から購入できます。100円程度の積立投資なら、妻もそれほど反対はしないのではないでしょうか。
100円からの積立投資でも、知識や経験を増やすことができます。100円程度の積立投資なら、妻も一緒に始めやすいですよね。
さらにいうと、投資戦略としておすすめなのはマネーセンスカレッジの「全世界投資」です。数ある投資手法の中でも、安全で安定的な運用を目指すなら全世界投資以外は考えられません。
全世界投資の魅力や考え方は下記の記事で解説しているので、投資方法を決める際の参考にしてください。
節約したお金で投資
どうしても妻が投資に反対する場合は、節約したお金で投資をしてみることを提案するのもおすすめです。
- 格安SIMに変えて浮いたお金
- 保険を見直して浮いたお金
- 節税して浮いたお金
上記のような節約をして浮いたお金は、本来であれば支出になっていたもの。そのお金を使った少額の積立投資なら、妻もOKを出しやすいでしょう。
お互いの投資への理解が進んだら、徐々に投資金額を増やしていけば問題ありません。
年齢にもよりますが、手取り収入の10%を投資できれば老後資金は確保可能です。
したがって、まずは始めてみること。始めてもいいような家庭環境を整えることも重要になります。
理解してもらうには時間をかけて!徐々に投資に興味を持ってもらおう
妻が投資に反対している家庭の多くは、相手が「知らないだけ」の可能性があります。
逆にいえば、時間をかけて興味さえ持ってもらえれば、投資を推奨する場合もあるのです。強要はせずに、徐々に行動して知ってもらいましょう。
また、将来のファイナンシャルプランを見せて、お金が足りないことを実感させることも大切です。
積立貯蓄でもいいけど、それだけ毎月5万円以上貯める必要がある。しかし、投資なら半分ほどの金額で老後資金が確保でき、残ったお金は今の生活で自由に使える。
ここまで話せたら、少額から始めてみたら?というスタートラインに立てるでしょう。