一括投資か分割投資か迷っている人へ。これが答えです。 

まとまった資金がある人が「一括投資にすべきか、分割投資にすべきか」という問いは、投資家にとって永遠の悩みです。結論から言えば、分割投資で問題ありません。その根拠をこれから詳しく解説していきます。

Vanguardの結論「一括投資の方が有利」(1:15)

一括投資が有利だという主張の根拠としてよく挙げられるのが、Vanguardのレポートです。Vanguardは一貫して「一括投資の方が有利」という結論を出しています。ただし、そこにはひとつの盲点があるため、その点もあわせて確認していきましょう。

Vanguardのシミュレーションは、1976年から2022年のMSCIワールドインデックスのデータをもとに、100%株式で投資した場合の1年後の資産額を比較したものです。分割投資は最初の3ヶ月間だけ3回に分けて投資し、その後9ヶ月間は一括投資と同じ状態で運用されます。現金保有の場合は、3ヶ月間を米国短期債権で運用するという条件で比較されています。

結果として、一括投資は分割投資を68%の確率で上回り、分割投資は現金保有を69%の確率で上回り、一括投資は現金保有を70%の確率で上回るという結果が出ました。株式比率が高いほど一括投資と分割投資の差は大きくなり、債権を加えるほどその差は小さくなります。分割期間を3ヶ月から6ヶ月に延ばすと、中央値のリターンはさらに下がるものの、ばらつきも抑えられます。

Vanguardの結論としては、期待リターンを重視するなら一括投資が有利であり、下落直後の後悔を避けたいなら分割投資にも意味があるということです。リスク許容度が低い人には分割投資、積極的な人には一括投資が向いているとされています。

ただし、このシミュレーションの盲点は「1年間しか比較していない」という点です。 長期投資を前提とするなら、10年・20年という期間での分析が必要になります

Morningstarの結論「リターンに差はない」(7:27)

Morningstarは、最初の1年間に4回分割して投資し、その後10年間運用した場合と、最初から一括投資して10年間運用した場合を比較しています。対象は米国株式・世界株式・日本株式の3種類です。

1年間の比較では、Vanguardと同様に一括投資が有利という結果が出ています。米国株式の場合、年1括だと平均リターンが13%であるのに対し、年4回分割だと9.1%に下がります。世界株式も日本株式も同様の傾向で、分割投資は平均リターンが下がる一方、最悪ケースの損失もそれほど大きく改善されないという結果でした。

しかし10年間で比較すると、話は変わります。 米国株式の場合、年1括の平均リターンが11%であるのに対し、年4回分割では10.9%とほぼ変わりません。世界株式も日本株式も同様で、10年という期間で見れば一括投資でも分割投資でも平均リターンはほとんど変わらないという結論が出ています。さらに注目すべきは、10年比較では最悪ケースのリターンが分割投資の方が改善されている点です。米国株式では一括の-1.8%に対して分割は-0.7%、世界株式では一括の0%に対して分割は1.4%のプラスになっています。

投資は期間が大切(10:50)

このような分析を踏まえ、迷っている方には分割投資をおすすめします。 分割の期間としては3年から5年程度が目安です。これは景気循環のサイクルが3〜5年であることに基づいています。投資を開始するタイミングによっては、そのサイクルの中でずっとマイナスを受け続ける可能性があるからです。

一括資金がある場合に高値掴みを避けたいという気持ちは自然なことです。ここで言う「高値」とは、3〜5年サイクルの高値を指しています。その後10年・20年・30年と投資を続ければ、最初が多少高値であっても長期的には資産は増えていきます。最初の3〜5年のセットアップをしっかり乗り切ることができれば、長期投資においては資産は増えていくというのが過去の歴史から言えることです。

長期継続できる方を選ぶ(15:07)

1年後に下落することはあっても、1年でやめるような投資は推奨されていません。 10年程度の投資を継続することが前提です。そうすれば、世界株式に分散投資していれば基本的にプラスになり、平均で9%程度(ドル建て)の利回りが期待できます。

リーマンショックやチャイナショック、コロナショックの各ピークとボトムで比較した場合でも、3〜5年の分割投資を行っていれば最悪ケースの損失をほぼなくすことができます。リーマンショックから約20年、チャイナショックから約15年という投資期間があれば、一括投資と分割投資の差はほぼなくなります。

最良のタイミングで一括投資した場合には当然勝てませんが、それを1年間のパーセンテージに換算すると差は1〜2%程度です。20年間の1%の差は金額にすると大きくなりますが、年間の利回りで見れば7〜8%の差に収まる程度です。

「迷ったら分割」これが答え(21:08)

より根本的な話をするなら、まとまった資金を作る前から投資を始めておくことが理想です。500万円・1000万円を貯める期間があったはずで、その間に少額でも投資をしていれば積立投資の効果が得られていました。できるだけ早く積立投資を始めることが最善の答えです。

それでも一括か分割か迷っているなら、分割投資を選んでください。 大きな利益は出ないかもしれませんが、失敗が少なく、投資を継続しやすいからです。経済的合理性から見れば一括投資が正しくても、相場には波があり、その波の中で投資継続を断念してしまうリスクを考えれば分割投資の方が現実的です。期間は5年程度が適切です。

時間分散だけでなく、資産分散も重要です。全世界に幅広く投資することで、どのアセットが下落しても影響を限定できます。長期投資・資産分散・時間分散の3つの原則を取り入れることが、資産形成の基本的な考え方です。

まとめ(23:42)

投資は期間が最も大切です。1年程度の短期で結果を測るものではなく、最低でも10年は続けることが重要です。10年投資した結果として一括投資も1年分割もほぼ変わらないのであれば、1年程度の分割なら一括投資でも構わないかもしれません。しかし3〜5年のサイクルを吸収するためには、3〜5年程度の分割期間が適しています。

投資をやめてしまう最大の理由は暴落です。株式だけだとリーマンショックで60%程度下落します。長く続けるために、投資を継続しやすい方法を選ぶことが何より重要です。迷っているなら分割投資、これが最終的な答えです。自分が納得できる方法で、長期間投資を継続することが資産形成への近道です。

またこちらの動画「《元本割れリスクがなくなる?!》最終的に長期投資が最強である理由」では、「リスクとリターン」の面から全世界投資やS&P500のシミュレーションをしつつ、長期投資が最強である理由を解説しますのでぜひご覧ください。

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