5年で4倍!絶好調の「宇宙ファンド」が販売停止。買えなくなった真相とは?
eMAXISシリーズの中に「eMAXIS Neo」と呼ばれるシリーズがあり、その中の宇宙ファンドが非常に好調だという話を耳にした方も多いのではないでしょうか。さらに最近のニュースでは、この宇宙ファンドが人気になりすぎたために販売停止になったという話題も出ています。
今回はeMAXIS Neoの概要から宇宙開発ファンドの実力、そして販売停止の背景まで詳しく解説します。
eMAXIS Neoとは(0:30)
eMAXISシリーズの中に「eMAXIS Neo」と呼ばれるシリーズがあります。普段よく購入されているオルカンやS&P500といったスリムシリーズとは異なり、いわゆる「テーマ型ファンド」と呼ばれるカテゴリーに属します。インデックスファンドではあるものの、特定のテーマに絞って投資する点が特徴的です。
このeMAXIS Neoシリーズの合計純資産額は、2025年3月5日に1000億円を突破しました。長らく低迷が続いていましたが、近年のインフレの加速やAI競争の激化を背景に、再び大きく上昇してきています。
シリーズの中でも特に注目されているのが「宇宙開発」ファンドです。この5年間で約297.2%上昇、つまりおよそ4倍になっており、年率換算すると約32%という驚異的な数字を叩き出しています。同期間の全世界投資が約75%の上昇にとどまっていることを考えると、その差は歴然です。純資産総額も471億円に達しており、三菱UFJアセットマネジメントがまとめたNeoシリーズ14種のランキングでも宇宙開発がトップに立っています。
仕組みとしては、S&PのKensho指数を活用しており、将来性のある話題をAIが収集・分類し、各テーマの銘柄をAIが選定して購入するという設計になっています。ファンドマネージャーの役割をAIが担うようなイメージです。この仕組みのおかげで信託報酬率は0.81%、実質信託報酬も0.829%と、アクティブファンドには実現が難しい低コストを実現しています。
宇宙開発系のテーマ型ファンドの日本最大手と比較(4:50)
日本最大手の宇宙開発関連株ファンドと比較してみましょう。東京海上が運用する「東京海上宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」は、純資産総額が4575億円とeMAXIS Neo宇宙開発の約10倍の規模を誇ります。
設定日が2018年9月12日と、eMAXIS Neo宇宙開発とほぼ同時期であることから、同期間で騰落率を比較すると、東京海上ファンドは設定来で338.78%の上昇なのに対し、eMAXIS Neo宇宙開発は477.98%と、約100%もの差がついています。アクティブファンドよりもAIを活用したインデックスファンドの方が好成績を収めているという結果は、非常に興味深いものがあります。ニュースやSNSでの話題の動向をAIが読み取り、それをいち早く反映できることが、現代においては強みとして機能しているのかもしれません。
なお、東京海上ファンドの信託報酬率は1.85%、実質信託報酬は0.974%と、eMAXIS Neoと比べると割高な水準となっています。
eMAXIS Neo申し込み受付停止をした理由(7:52)
好調なパフォーマンスを背景に注目を集めるeMAXIS Neo宇宙開発ですが、三菱UFJアセットマネジメントは2025年4月13日に新規申し込みの受付停止を発表し、4月17日以降は購入できなくなっています。
公式の説明によれば、「適切な運用資産規模を維持し、運用を継続するために購入申込受付を停止する」とのことです。ただし、すでに保有している方の解約や、自動継続コース・収益分配の再投資コースについては引き続き対応しています。
これは決して法令違反でも規約違反でもなく、契約書にも記載されている内容です。「オープン型投資信託はいつでも買える」という認識もありますが、募集停止はその範囲内で合法的に行われるものです。
なぜ規模の拡大を自ら止めるのかというと、運用資産が膨らみすぎると、より多くの銘柄に投資しなければならなくなり、厳選した銘柄への集中投資が難しくなるためです。また、大量の資金が特定の銘柄に流入すると価格が上昇し、安値で購入できなくなる「マーケットインパクト」も生じます。こうした問題が起きると、規模が大きくなるほど運用利回りが低下するという悪循環に陥ります。純資産総額が520億円を超えたタイミングで、流動性の悪化が既存の保有者に迷惑をかけると判断し、新規募集を停止したと考えられます。
過去にはひふみ投信が資産規模を拡大させた結果、運用成績が振るわなくなった例もあります。大型ファンドになると運用対象を広げざるを得ず、利回りが下がりやすい傾向があるため、今回の停止判断はある意味で誠実な対応とも言えます。
マネーセンスカレッジの結論(16:51)
テーマ型ファンド全体の話をすると、成功率は決して高くありません。設定から1年で約18%のファンドしか生き残れず、15年後には9%程度しか残らないとされており、そのうち60%は償還されて消滅しているというデータがあります。
eMAXIS Neoシリーズの14種の中でも、自動運転やナノテクノロジー、遺伝子工学、フィンテック、VR、ウェアラブルといったテーマはマイナスや低迷が続いており、宇宙開発のように大きく伸びたものは一部に過ぎません。全種類を保有して平均を取れば、結果的には全世界投資で広く分散投資した方が安定するという話になりえます。
宇宙開発ファンドに早期から投資していた方にとっては非常に良いリターンを得られた一方で、「人生を支えるための投資」としては不安定な側面があります。社会や経済のトレンドを体感したい、あるいはサテライト的な位置づけで取り入れるのは選択肢のひとつですが、老後資金や長期的な資産形成を目的とするのであれば、全世界投資のような分散型インデックスファンドの方が適しているでしょう。長期投資・資産分散・時間分散という投資の3大原則を踏まえて、自身の目的に合った運用方法を選ぶことが大切です。
またこちらの動画「ひふみ投信に投資をするのはアリか?どんなリスクがある?」では、ひふみ投信の特徴やリスク、投資判断のポイントを解説しているのでぜひご覧ください。





