貯金ゼロだと人生がブレる?メンタルも整う100万円の力

貯金を始めようと思ったとき、「世界の見え方が変わる」と言える金額があります。それが100万円という数字です。

通常、金額を目標にすることはあまり推奨されていませんが、人生においてバッファーは絶対に必要です。何が起こるかわからないからこそ、もしものためのお金を用意しておく必要があります。そのもしもは突然やってきます。そのとき、メンタルがやられてしまったり不安を感じたりする状況では、自分のパフォーマンスも発揮できません。そのために持っておかなければいけないお金が「生活防衛資金」です。その金額として、まずは100万円を目指してほしいというのが今回のテーマです。

100万円は「心の土台」(1:29)

100万円が必要な理由、それは心の土台となるからです。お金の不安は「見えないストレス」とよく言われます。何かが起こっているわけではないのに、漠然とした不安が頭の中に居座り続けます。この状態では人はパフォーマンスを発揮できません。

「来月どうしよう」「この支払いどうしよう」といった漠然とした不安を抱えている状態では、大きなストレスを感じています。このストレスは受けなくてもいいストレスです。この不安から解放されれば、日頃の生活を100パーセント前向きに送れるようになります。いわゆる心の余裕といってもいいでしょう。その余裕を持つことで、生活をより安心して過ごせるようになります。

自分との約束を守れる(2:43)

100万円を貯めることは、自分との約束を守れる習慣を作ることにもつながります。他人に対する約束よりも大事なのは自分への約束です。自分が決めたことを守れないと、最終的には自分のことが信じられなくなってしまいます。

たとえば毎月2万円貯め続けるとします。初任給20万円の方でも10パーセントぐらいの金額です。この2万円を続けた場合、1年間で24万円、4年間で約100万円が貯まります。多少取り崩すことがあったとしても、5年あれば100万円は可能でしょう。

4年間貯め続けられたということは、継続できたという成功体験が残ります。自分自身と約束をして2万円積み立てて100万円まで貯める。その達成感は数字として現れるので、それが明確に見えることに意味があります。数字がどんどん増えていくことで、達成感を感じることができるのです。

「選択できる心」が養われる(5:02)

100万円という土台を達成すると、選択できる心が養われていきます。お金がないと選べない人生というものが確かに存在します。仕事や付き合い、住環境などが選べない、もうそこしかないという状況で自分が縛られている感覚になる方もいるでしょう。

しかし100万円あれば、転職をすることも可能だし、選ぶ自由、選ぶ余裕が生まれます。日本では転職がネガティブに捉えられることもありますが、海外では転職を祝福します。転職先に自分自身の未来があって、そこでやりたい仕事を選んでいるからです。

選べないということに慣れてしまっている人も多いのではないでしょうか。選べるという状態は、精神的な安定性や未来に対する自由を手に入れられます。100万円かと思うかもしれませんが、ないよりあった方がいいに決まっています。選べない人生からの脱却、それも100万円がもたらしてくれるものです。

「習慣化」を身につける(6:59)

データとして、100万円も貯められていない世帯は30パーセントから40パーセントもあります。この40パーセントの人と60パーセントの人の違いは何かというと、習慣化です。

貯蓄ができていないということは赤字だということです。収入から全部使ってしまっている。ボーナスでどうにか補填をして、毎月は赤字なのにどうにか破綻しないで生きている家庭もあります。究極的に何が言えるかというと、習慣化できていない、ただそれだけなのです。

赤字は習慣で、黒字は覚悟です。赤字になっているのは悪い習慣があるのに、それをやめられていないだけです。貯蓄をすると決めたらできます。ただそれを取り崩してしまう可能性ももちろんあります。それでもいいから、貯蓄をまず最初にするのです。予算化されたその金額でどうにか生活をしてみる。それをやってみないことには始まりません。

黒字は覚悟だと言いましたが、覚悟を持ってもできないのが人間です。人間は弱い生き物なので、その弱い心でも貯蓄できるようになるには習慣化するしかありません。結局、習慣を変えるしか方法がないのです。

そこで重要なのが自動化と隔離です。自動化をして、自分が知らない間に隔離されている。そのお金が見えないようになっている。いつもアクセスできないようになっている。気づいたら貯まっているというのが一番いい状態です。その習慣を作ることが大事で、それを維持できていることも自信につながります。

「メンタルの安定」が投資の成功に繋がる(9:44)

メンタルの安定は投資の成功にもつながっています。投資は感情で失敗しやすいものです。理論的にはうまくいくと分かっているのに、自分自身の感情によって続けられないことがあります。

たとえば価格がガーンと下がったとき、初心者の方は自分の感情が耐えられなくて、そこで投資をやめてしまうことがあります。しかし100万円というお金が手元にあって、いつでも何かがあったときに使えるお金であるならば、下がったとしても持っていられる、待っていられるということができます。

投資をしている方でも、生活防衛資金として100万円を用意していない方も多いのです。全部投資しないとお金が働かないという話をされる方もいますが、その方はいつも頭の中に不安を抱えています。自分自身のメンタル安定性を持つために、投資を継続できるようにするために、自分に対してバッファーを用意しておくことで、継続できる人になっていくのです。

目的を与える(12:02)

100万円を貯めるプロセスは、お金を増やす手段ではなく、ただ貯めるということです。ただこの貯めるということに目的を与えてあげると、感じ方が変わってきます。それは自分自身のあり方です。

生活をする上で、いろんなアクシデントも起こるでしょう。社会人経験していれば何かしらあるはずです。それを考えてみれば、ある程度のお金をバッファーとして用意しなければいけないことは分かるでしょう。

100万円が今手元にあるということで、それまでのプロセスで自分自身を信じる力になったり、判断力や継続力が自分を後押ししてくれます自信につながってまた継続していって、それを続けていくとさらに良くなっていく。自分自身の目的を達成しやすくなります。

自分が叶えたいものを考えていくと、そのためにいくら必要だというものが見えてきます。そのために準備をして貯蓄なり投資をしていくと自分自身の自信につながり、自分の叶えたいものが叶えられていきます。これは人生にとって好転していく話です。

まとめ(13:33)

100万円という数字が重要なわけではなく、自分自身のその心のあり方、自分自身としてのあり方が人生全体のパフォーマンスを上げていくということです。100万円を貯めることは、単なる数字の目標ではありません。それは自分自身の心の土台を作り、約束を守れる習慣を身につけ、選択できる自由を手に入れ、投資を継続できるメンタルを養うための第一歩なのです。

またこちらの動画「50代・60代の生活防衛資金は〇〇円必要!現役世代と何が違う?」では、収入が減る世代の生活防衛資金の考え方について解説していますのでぜひご覧ください。