制度改正で損をしないために、2026年中に必ず確認したいお金のこと9選【9月までに要対応】
2026年も早くも半分が過ぎ、後半に向けて今年中にしておきたいお金にまつわることを紹介していきます。2026年は制度改正が数多く予定されています。
そこで、これだけは押さえておいてほしいという内容を、優先順位をつけながら9つ紹介していきます。
取り組むテーマの優先順位(0:54)
まず9つの項目を優先順位別に並べてご紹介します。今回はiDeCoに関するものが多く、さらに2027年にはこどもNISAの新設や、つみたて投資枠で購入できる商品の変更も控えています。これに伴い、自分自身の枠と子どもの枠という2つの枠が新たにできる形になります。また年金関係でも改正が進んでおり、すでに今年から始まっているものもあります。
加えてふるさと納税のルール変更なども控えており、大きな影響ではないもののじわじわと効いてくる内容です。忙しい日々の中でも、こうした大事なことは平時にきちんと整理しておこうという趣旨で、9つのテーマをお話ししていきます。
①iDeCoの有効活用を検討(1:54)
最初のテーマは、iDeCoの有効活用を検討することです。2026年12月に予定されている改正には、大きく2つのポイントがあります。ひとつはiDeCoの加入可能年齢の引き上げで、基本的には70歳未満の方まで加入できるようになります。これに伴って加入要件も緩和され、老齢基礎年金を受給していないこと、そしてiDeCoの老齢給付金を受給していないことという2つの条件を満たす方であれば加入が可能になります。
もうひとつのポイントは拠出限度額の引き上げです。来年1月拠出分から、自営業者の方は月7万5000円まで、サラリーマンの方は月6万2000円まで拠出できるようになり、60歳から70歳の間の方についても同様に6万2000円が上限となります。
一方で今回改正が見送られたのが第3号被保険者で、こちらは上限額2万3000円のまま据え置かれています。特に大きな増額となるのは、企業年金のないサラリーマンの方で、これまでの2万3000円から6万2000円へと、3万9000円もの増額になります。この機会に、どう有効活用していくかをじっくり検討する半年にしていただければと思います。
②iDeCoの受取方法の再確認(3:29)
2つ目は、iDeCoの受取方法を再確認することです。2026年からいわゆる10年ルールが施行されました。これまでは5年ルールで、60歳の時にiDeCoの一時金を受け取った後、5年空ければ退職金を受け取った際にも退職所得控除が双方満額使えました。しかし10年ルールに変わったことで、60歳でiDeCoの一時金を受け取った場合、70歳の時点で会社の退職金を受け取らない限り控除を満額使えなくなりました。
このルール変更を受けて解約を検討する声も見られますが、退職所得控除はもともと一生に一度という考え方で設計されている制度です。多少不利になった部分はあるとはいえ、1/2課税などの仕組みも残っており、他の制度と比べれば依然として大きな節税効果があります。逆に退職一時金を先に受け取った場合は20年空けなければiDeCoや企業型DCの一時金について控除を満額使えないという20年ルールもあり、こちらは従来通り変更されていません。
今年退職する方、あるいはすでに退職された方は、一時金を今年中に受け取るかどうかで税制が変わってくるため、この点を改めて確認していただきたいと思います。60歳になる方も選択肢が広がりますし、確定拠出年金を将来受け取る予定の方も知識をアップデートしておく価値があります。受取方法次第で受給額が数百万円変わる可能性もあるため、しっかり確認しておくことをおすすめします。
③NISAの年間投資枠の有効活用(5:47)
3つ目は、NISAの年間投資枠を有効活用できているかどうかの確認です。年の半分が過ぎた今、当初の予定通りに枠を使えているか、このままのペースだと枠がどれくらい余りそうかを見直していただきたいと思います。枠が余りそうな場合は、旧NISAからのロールオーバーも検討に値します。特に非課税期間が5年で今年満期を迎える方や、来年以降に満期を迎える方についても、ロールオーバーを検討する余地があります。
現行NISAの非課税枠は元本ベースで計算されるため、株価が下落している局面ではむしろ小さな元本で枠を活用できるチャンスになります。また非課税期間がまだ来年や再来年まで残っている方についても、保有期間が長くなるほど値上がりを想定した元本が積み上がっていくため、できるだけ早めに現行NISAへ移行しておいた方が有利です。ただし非課税での運用ができていて、かつ枠に余裕がない場合は、わざわざ特定口座に移す必要はありません。
④こどもNISAの活用を検討(7:33)
4つ目は、子どものいる家庭に向けた内容で、こどもNISAの活用を検討することです。2027年以降、現行のつみたて投資枠に対して新たにこどもNISA(仮称)が創設される予定です。17歳までの方であれば年間投資枠60万円、非課税保有限度額は総額600万円まで投資が可能になります。すでにジュニアNISAで運用している方も、こどもNISAへの移行を検討した方がよいでしょう。
その理由は、非課税で運用できる点は変わらないものの、非課税保有限度額が投資した時点の元本ベースの総額で決まる仕組みだからです。保有期間が長くなるほど運用益が積み上がっていくため、早めに移しておくことで非課税枠を圧縮できます。将来増えてから移すと、増えた分まで非課税枠を使ってしまうことになるため、できるだけ早く対応するのが基本戦略といえます。
ただし、旧ジュニアNISAは引き出す際に全額解約が必要になる点には注意が必要です。年間投資枠が60万円に限られるため、その間は一部課税が生じる可能性もありますが、子どもにアルバイトなどの所得がなければ基礎控除も使えるため、源泉徴収なしの特定口座で年に1回利益を確定していけば、実質的に非課税で運用を続けることも可能です。年間投資枠がリフレッシュされるタイミングを待ちながら60万円ずつ移していけば、10年ほどかけて600万円まで積み上げることができます。
より詳しい制度内容については別の動画で案内していますので、あわせてご覧いただければと思います。
⑤在職老齢年金の拡大・遺族年金改正の確認(9:51)
5つ目は、在職老齢年金の拡大と遺族年金改正の確認です。年金を受け取りながら働いている方の合計収入が一定額を超えると年金が一部支給停止になりますが、この上限額が今年から50万円から62万円へと引き上げられました。多くの方はこの金額に達しないかもしれませんが、上限を確認した上で働き方や受給のタイミングを見直す価値はあります。
昨年からは遺族年金の改正も進んでおり、5年間の有期給付化はよく知られていますが、あまり知られていない改正もあります。それは、遺族年金の受給資格があると老齢年金の繰り下げができなくなるという問題で、これについても2028年に改正が予定されています。対象になるのは昭和38年4月2日以降生まれの方で、現在の年齢でいうと63歳前後です。この方が遺族年金の受給資格を持っている、あるいは配偶者が亡くなって受給資格を得たケースで、遺族年金を請求してしまうと2028年の改正内容を利用できなくなってしまいます。
逆に請求せずにいれば、2028年4月1日以降は繰り下げを継続できるようになる見込みです。年金事務所ではすでに案内が行われているはずですが、対象になりそうな方は自分自身でも確認しておくとよいでしょう。
あわせて、繰り上げ受給や繰り下げ受給についても、自分自身がどうしたいかを一度整理しておくことをおすすめします。老齢基礎年金を繰り上げで受け取ってしまうと、先ほど触れた2026年12月のiDeCo改正で70歳未満まで加入可能になっても、その対象外になってしまいます。これは遡ってキャンセルすることができないため、あらかじめ制度の内容を確認しておくことが大切です。
ここまでの5つは該当する方にとって非常に重要な確認事項ですので、子どもがいない方や在職老齢年金に関係のない世代の方、配偶者がいない方などはそれぞれ関係のない項目もあるかと思いますが、制度改正の全体像を把握する意味でも一度目を通しておいていただければと思います。
⑥自分自身の投資方針を決める(15:17)
6つ目は、重要だけれども緊急ではないテーマとして、自分自身の投資方針を改めて決めておくことです。AI関連銘柄や大型IPOなど話題性の高い投資先が次々と登場する中、乗り遅れたくない、大きく儲けたいという心理はどうしても働きがちです。その場の雰囲気に流されて全力で投資したり、大きなリターンを追い求めたりすると、本来の投資目的や自分の想定から大きく外れてしまうことがあります。
たとえばスペースXは上場後に株価が下落しており、含み益が半分程度になっているケースも見られます。話題の銘柄に乗ること自体は、値動きの大きさを十分理解した上でごくわずかな金額をサテライト的に楽しむ分には問題ありません。しかし、それとは別にコアとなる投資方針をしっかり確認しておくことが大切です。
おすすめしているのはアセットロケーション運用で、コストをかけたくない方にはGPIFの均等4分割が参考になります。オルカンで運用している方も、GPIFの外国株式部分をオルカンで代用していると考えれば近い運用になります。こうした長く使い続けられる投資方針を、この機会に確認して決めておいていただきたいと思います。
⑦自動化と隔離の仕組みを構築する(16:46)
7つ目は、自動化と隔離の仕組みを構築することです。マネーセンスカレッジで案内しているMy金融システムでは、家計用の口座、貯蓄用の口座、投資用の口座をそれぞれ分けて管理することをすすめています。これは住信SBIネット銀行(ドコモの銀行)とSBI証券という2つの金融機関だけで実現でき、資金移動もすべて無料かつ自動化することが可能です。
もちろんこの組み合わせ以外の方法でも構いません。たとえば楽天証券を使いたい方であれば楽天銀行とのマネーブリッジを活用する形になりますし、どこも銀行を使いたくない方にはSBI新生銀行のハイパー預金といった選択肢もあります。利用する口座の数は増えるかもしれませんが、それでも仕組み化は十分可能です。手続き自体は面倒に感じるかもしれませんが、一度自動化と隔離の仕組みを作ってしまえば、あとは自動的に回っていくようになります。ぜひこの機会に仕組みを構築していただければと思います。
⑧リバランスを行う(18:22)
8つ目は、リバランスを行うことです。株価が上昇している局面では、気づかないうちに資産配分のバランスが崩れていることがあります。特に株価が急上昇しているタイミングでリバランスをしておけば、その後の値下がりの影響を和らげることができます。
リバランスの頻度については、基本的に年1回で大きな問題は起きないという統計データもあります。すでに年1回のルールで実践している方は無理に追加で行う必要はありませんが、資産配分が大きく変わってどうしようか迷うくらいであれば、いつ行っても、何回行っても問題ありません。年1回を目安としているのはコストがかかるためで、心配がなければ誕生日や1月、12月など自分で決めたタイミングで行えば十分です。1月に行う形をすすめています。
⑨ふるさと納税のルール変更に対応(19:44)
9つ目は、ふるさと納税のルール変更への対応です。ふるさと納税を行うと各地の名産品や特産品が返礼品として届く制度で、2000円の自己負担で全国のカタログギフトを選べるようなものだと考えるとわかりやすいと思います。この制度をめぐっては地方自治体と総務省の間で経費率に関するせめぎ合いが続いており、2026年9月30日までは寄付金の活用可能額を50%以上、つまり経費率を50%以下に抑えるというルールになっていました。
これが2026年10月から段階的に引き下げられ、最終的には2029年10月以降に経費率40%以下となる予定です。この経費には返礼品を用意するための費用も含まれるため、経費率が下がれば返礼品の内容量やグレードが下がっていく可能性があります。今回の変更幅自体は0.25%程度とごくわずかであるため急激な変化にはなりにくいものの、10月が制度上の区切りになる点は変わりません。
収入が確定するのは年末近くという方も多いとは思いますが、年の前半のうちにふるさと納税を済ませておく習慣をつけておくと、返礼品が年末年始に集中して届いて冷蔵庫がいっぱいになるといった事態も避けやすくなります。
まとめ(23:23)
ここまで紹介してきた内容は、該当する方にとって非常に重要な制度改正ばかりです。知らずに放置してしまうと、受け取れる金額が数百万円単位で変わってしまう可能性もありますので、ぜひ一度チェックしていただきたいと思います。年金改正をはじめとする制度改正はこれからも続いていきますが、これはもはや日常的なことと捉え、その変化も織り込んだ上で長期的な資金計画を立てていくことが大切です。こうした知識のブラッシュアップを重ねていくことで、より豊かで幸せな人生につなげていただければと思います。
またこちらの動画「2027年こどもNISA決定!月5000円で子どもに5000万円を残す方法」では、こどもNISAの制度ポイントと児童手当活用の積立シミュレーションを解説していますのでぜひご覧ください。





