60歳と65歳でこれやってしまうと投資できなくなります。 

50代から投資を始める方が増えている中、60代から投資をスタートされる方も少なくありません。そうした方々に向けて、60歳と65歳のタイミングで特定の行動をとってしまうと、その後の投資継続が難しくなるという重要な落とし穴についてご説明します。

結論から申し上げると、問題となるのはiDeCoや公的年金の受け取り方です。受け取り方を誤ると、NISAは引き続き利用できるものの、iDeCoへの拠出が継続できなくなる状況が生まれてしまいます。「こんなはずじゃなかった」「やはりiDeCoを続けるべきだった」と後悔しないためにも、老後の資産設計を進める上で要注意な制度の仕組みをしっかり理解しておくことが大切です。また、今後の制度改正の方向性についても触れていきます。

制度の大前提(1:32)

まず現行制度の基本を整理します。iDeCoは60歳までであれば全員が加入できます。企業型確定拠出年金については、在籍している間は加入を継続できます。

iDeCoで受け取れる老齢給付金は一時金と年金(分割)のいずれかを選択でき、受け取り開始は60歳からです。ただし、受け取りを開始した時点で新たな拠出はできなくなります。さらに注意が必要なのは、60歳時点で一括受け取りをした後に再就職した場合、再びiDeCoに加入することはできないという点です。iDeCoの給付は生涯で一度きりの仕組みであり、一度受け取ってしまうと取り消しができません。

NISAであれば引き続き運用できますが、iDeCoはNISAにはない所得控除という強力なメリットがあります。また受け取り時には退職所得控除なども選択でき、ポータビリティ(資産の移換)にも対応しています。最長75歳まで運用を継続でき、受け取り中も運用が可能で、その間はすべて非課税です。リバランスも制度内で行えるため、NISAのように枠が消えることもなく、運用の利便性という点でiDeCoは非常に優れた制度といえます。

制度の改正後(3:34)

今年12月の改正により、iDeCoへの加入可能年齢が70歳まで引き上げられます。改正後は、現在iDeCoに加入中の方や運用指図者、企業年金からポータビリティでiDeCo資産を移換した方などが引き続き継続できるほか、国民年金の被保険者でなくても加入できるようになります。現行制度では60歳以降65歳未満の加入には国民年金の被保険者であることが条件でしたが、この要件が撤廃され、原則として70歳未満であれば誰でも加入できるようになります。

ただし例外があります。老齢基礎年金を受給している方、またはiDeCoの給付金を受け取っている方は継続できませんつまり、70歳まで拠出を続けたい場合は、iDeCoを受け取らないこと、そして老齢基礎年金も受け取らないこと、この2つの条件を満たす必要があります

iDeCo受け取り時の罠(4:52)

60歳になるとiDeCoの受け取り案内が届くため、つい受け取りたくなるものですしかし、今後も拠出を続けたい方は、受け取った瞬間に拠出の機会を永久に失うことになります

65歳時点での落とし穴についても確認しておきましょう。現状では、基礎年金・厚生年金ともに65歳から受け取るケースが約99%を占めており、繰り上げ・繰り下げをしない方が大多数です。しかし65歳で基礎年金を受け取り始めてしまうと、iDeCoへの拠出はできなくなってしまいます。

対策の一つとして、基礎年金だけを繰り下げるという選択肢があります。厚生年金については、配偶者が年下の場合に加給年金を受け取りたい方もいるため、厚生年金は受け取りつつ基礎年金のみ繰り下げることでiDeCoへの拠出を継続することも可能です。

また、在職老齢年金の基準額が引き上げられた現在、65歳以降も働きながら年金を受け取る場合でも、iDeCoを継続することで所得控除を受けながら運用の非課税メリットを享受できます。出口(給付時)では課税されるものの、それを差し引いてもプラスの効果が得られるケースは十分にあります。

iDeCoで70歳まで運用したい場合は、iDeCoを受け取らないこと、そして老齢基礎年金も受け取らないことがマストの条件となります。

まとめ(7:34)

現在50歳の方が70歳まで運用を続けた場合、20年という運用期間を確保できます。長期投資において期間は非常に重要な要素であり、20年間の運用では資産がおよそ4倍程度になるシミュレーションが示されています。

投資において入金額の大きさも大切ですが、それ以上に運用期間の長さが重要です。入金力があっても期間が短ければ資産は大きく育ちません。逆に、入金額が少なくても長期間にわたって積み立てを継続することで、着実な資産形成が可能です。20年という期間があれば十分な運用実績を積み重ねられますし、その間iDeCoの所得控除を活用しながら体が続く限り働き続けることで、より効果的な資産形成につながります。

老後の資産設計は選択肢が豊富です。iDeCoをいつ受け取るか、年金をいつから受け取るかといった判断を場当たり的に行うのではなく、リタイアメントプランをしっかりと立てた上で判断されることをおすすめします。

またこちらの動画「【3.6万人調査】老後資金、NISAだけでは足りません。今すぐiDeCoを優先すべき理由」では、老後資金の最新データから確定拠出年金を優先すべき理由を解説しているのでぜひご覧ください。

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