あなたは大丈夫?新NISAで陥りやすい『あるある誤解10選』クイズ
この仕事をしていると、NISAが非常に多く誤解されていることが分かってきます。そもそも父権主義が強すぎるせいで、仕組みがとても分かりにくくなっています。
今回はNISAにまつわるよくある誤解を、難易度別に10問クイズ形式でご紹介します。最後の方になると「ちょっと分からない」という問題も出てくるかもしれませんが、気楽に参加してみてください。
難易度★ 第一問(1:16)
「成長投資枠では積み立てできない」
答えはノー、つまり成長投資枠でも積み立ては可能です。「成長投資枠」という名称のせいで積み立てができないと思い込んでいる方も少なくありません。むしろ一括投資ができるのはつみたて投資枠ではなく成長投資枠の方なので、「自由投資枠」などの名称の方が実態に合っているかもしれません。積み立てもできて成長もする枠なのに「成長投資枠」という名称では、「つみたて投資枠は成長しないのか」という疑問も生まれてしまいます。
難易度★ 第二問(2:10)
「積み立て投資は120万円まで」
答えはノーで、正しくは360万円まで積み立て投資が可能です。つみたて投資枠の年間上限は120万円ですが、成長投資枠の240万円分も積み立てに使えるため、合計360万円まで積み立て投資ができます。
また、クレジットカード積み立ては月10万円・年120万円が上限ですが、楽天証券では楽天キャッシュも活用することで月15万円まで対応可能です。なお海外では投資全額をクレカで積み立てるのが当たり前で、日本のように上限が設けられていることはまずないそうです。
難易度★ 第三問(3:57)
「つみたて投資枠と成長投資枠はどちらか一方しか使えない」
これも誤りです。両方の枠は同時に併用できます。ただし、一つのNISA口座は1人1口座のみとなっており、つみたて投資枠をA証券、成長投資枠をB証券というように別々の証券会社で使い分けることはできません。一つの証券会社のNISA口座の中に二つの枠があるというイメージです。
また、つみたて投資枠では購入できるファンドの幅が広い証券会社を、成長投資枠では個別株が買えるところをと使い分けたいというニーズもあるかと思いますが、現在の制度ではそれは認められていません。
難易度★★ 第四問(5:22)
「NISAでは債券が買えない」
これはノー、つまり債券も購入できます。ただし購入できるのは債券ETFや債券ファンドといった形に限られます。現状では成長投資枠でのみ購入可能ですが、2027年からはつみたて投資枠でも債券型の投資信託が購入できるようになる予定で、対象商品の幅がさらに広がります。一方で、個人向け国債や新窓販国債といった個別債券については、基本的に購入できない点には注意が必要です。
難易度★★ 第五問(6:25)
「NISAは1人で複数口座作れる」
これはノーで、NISA口座は1人1口座のみです。ただし、証券会社を変更することは可能です。たとえば2025年にA証券でNISA口座を持っていた方が、2026年にB証券へ金融機関変更した場合、A証券での2025年分のNISAはそのまま有効ですが、2026年からはB証券の1口座のみがアクティブな口座となります。変更は年単位でしか行えないため、来年変更を検討している方は10月頃に手続きの案内を確認しておくとよいでしょう。
難易度★★★ 第六問(7:54)
「NISAは1800万円までしか非課税にならない」
これもノーです。1800万円というのはあくまで投資できる元本の上限であり、その元本が増えた分も含めた全額が非課税になります。たとえば1000万円を投資して3000万円に増えたとしても、その3000万円全体が非課税の対象です。また、保有資産を売却した場合、売却した元本相当分の枠が翌年に復活します。1800万円の枠をすべて使い切っていても、毎年360万円分の年間投資枠は変わらず利用可能です。
難易度★★★ 第七問(9:09)
「成長投資枠だけで1800万円使い切れる」
これもノーです。成長投資枠で使える上限は1200万円までと定められており、残りの600万円分はつみたて投資枠で投資する必要があります。つまり、成長投資枠だけで1800万円をすべて埋めることはできません。なお、成長投資枠で1200万円投資してその資産が3000万円に増えた場合でも、3000万円全体が非課税になる点は第六問と同様です。
難易度★★★★ 第八問(10:09)
「NISAで買ったものを売却すると、今年その枠は復活するか」
答えは「翌年に復活する」です。旧NISAでは売却すると非課税枠が消滅していましたが、2024年からスタートした新NISAでは「簿価残高方式」が採用されており、売却した元本相当分の枠が翌年に復活します。ただし今年中には復活しないため、同じ年に売っても枠を使い回すことはできません。
たとえば成長投資枠の240万円分を使って購入した商品を売却した後、同じ年に再び買い付けようとしても、残りの枠の範囲内でしか購入できません。金融庁は当年中に枠を復活させる仕組みを望んでいたようですが、管理している国税庁側の対応が間に合わなかったと見られており、今年の税制改正の議論からも外れています。
統計データによると成長投資枠の約半数の利用者が個別株を購入しており、短期の回転売買を抑制したいという意図も制度設計に反映されているようです。
難易度★★★★ 第九問(13:13)
「NISAの損失は損益通算できる」
これはノーです。損益通算とは、損失と利益を相殺して課税対象の金額を減らす仕組みです。NISA口座はそもそも非課税であるため、税の計算の対象外となり、損益通算には使えません。
たとえば特定口座でプラス100万円の利益が出ていても、NISA口座でマイナスが出ていた場合、そのマイナスを通算することはできず、特定口座の利益にはそのまま税金がかかります。これをNISAのデメリットと捉える方もいますが、NISAはもともと長期投資を前提とした制度であり、10年程度の投資期間を置けば資産は増えている可能性が高いという考え方のもとで設計されています。
難易度★★★★★ 第十問(15:11)
「NISAならば配当金は自動的に非課税になる」
これは「半分正解、半分間違い」で、どちらかといえばノーです。NISA口座で保有する株式の配当金を非課税にするためには、受け取り方法として「株式数比例配分方式」を選択している必要があります。口座開設時にこの方式を選んでいることがほとんどですが、設定を誤って別の受け取り方法を選んでいると、配当金受け取り時に課税されてしまいます。せっかくNISA口座で保有しているにもかかわらず課税されてしまうのは非常にもったいないため、現在の設定を一度確認しておくことをおすすめします。
なお、配当金はNISA口座内で自動的に再投資されるわけではなく、現金で受け取った後に自分で使い道を決める形になります。
まとめ(16:52)
8問から10問正解できた方はNISA上級者、5問から7問が中級者、4問以下であればまだまだ伸びしろがあるといえます。間違えた問題があっても、これから正確な知識を身につければ問題ありません。NISAはすでに複雑な制度ですが、今後はこどもNISAの導入も予定されており、さらに活用の幅が広がっていきます。正しい知識を更新しながら、NISAをうまく活用していただければと思います。
またこちらの動画「新NISA口座の金融機関変更方法を徹底解説!2024年版おすすめ口座はこれ!」では、金融機関変更の手順とおすすめ口座を解説しているのでぜひご覧ください。





