S&P500が9週連続上昇、売ってもいい。

現在、S&P500が絶好調で、9週連続上昇や9日間連続高値更新という状況が続いています。このような局面では、投資を始めるのを遅らせた方がいいか、積み立てを一旦やめた方がいいか、あるいは怖いから売ってしまおうかという気持ちが出てくる方も多いでしょう。

日本株式も上昇しており、今や全世界の株式が高騰している状況です。投資を始めている方も売ろうか迷ったり、これから始めようとしている方もタイミングを測ろうとしたりするケースが増えています。しかし、そのような判断はうまくいかないというのが歴史的な事実であり、積み立て投資に関してはいつ始めていただいても構いません。これは統計的なデータや各種シンクタンクのレポートによっても裏付けられています。

S&P500最高値9週連続上昇 投資初心者はどう動く?(01:31)

日経新聞によれば、ニューヨークダウは連日最高値を更新し、初の5万1000ドル台をつけています。S&P500も9日続伸し、AI銘柄が再び物色される展開となっています。

このような状況で今後どうすべきか悩む方は少なくありませんが、原則としては投資を始めるのを遅らせる必要はなく、積み立て投資を一旦やめる必要もなく、売る必要もありません株式投資はいつの時代も「今が一番安い時」と言われるように、高値圏であってもその高値をさらに更新していくことは日常茶飯事であり、それを繰り返しているからこそ株式投資の醍醐味があると言えます。

S&P500の高値更新はめずらしいことではない(02:49)

シティウェルスインベストラボのデータによれば、1960年以降、S&P500は1195回もの市場最高値を更新してきました。10年ごとに見ると、ドットコムバブル崩壊の2000年代でさえ13回の更新がありました。多い時代には200回、300回を超えることもあり、2020年代はすでに176回に達しています。

年間平均に換算すると18回、つまり月に1回以上のペースで最高値更新が起きている計算です。また同ラボのデータでは、市場が最高値の日に投資した場合と他の日に投資した場合を比較すると、1年では若干の差があるものの、3年・5年で見るとほぼ同じ結果になることが示されています。全てプラスになっており、高値で買っても投資妙味がないわけではないことが分かります

株式が高騰している時でも積立投資をした方がいい理由(05:24)

株式が高騰しているとき、多くの方は市場の調整局面を待とうとします。しかし、それを待っていると長期間投資できないまま時間が過ぎてしまい、潜在的な利益を逃すことになります。

例えば5%の下落を待って購入するという戦略を取った場合でも、実際に市場に参加できていた期間は約62.5%、つまり約3分の1の期間は市場に参加できていないことになります。シティウェルスインベストラボのデータによれば、5%の調整局面を待つ場合、平均143営業日待たされます。10%では225営業日、つまりほぼ1年分の営業日を待つことになります。20%の調整局面を待つ場合、投資している期間は全体の25.4%に過ぎません。

S&P500は長期的に右肩上がりで最高値を更新し続けているため、待っている間の上昇を取り逃すリスクが非常に大きくなります。ドットコムバブル崩壊のような長期低迷期でさえ年に1回以上の最高値更新があったことを踏まえると、投資を待つという判断は得策ではありません。現金で保有していてもインフレに負けてしまいます。そのため、全世界に満遍なく投資する形で分散投資を続けることが、長期的には最も合理的な選択と言えます。

売り時・買い時が自分では判断できないのであれば、基本的には積み立てを続けることが望ましいです

売ってもいいパターン3選(12:34)

もちろん、売ること自体が全面的に悪いわけではありません。ただし、売る場合には以下のようなパターンに限るべきです。まず一つ目は、買い戻すタイミングを明確に決めている場合です。売ったお金は現金となり、インフレには負け続けます。再投資しなければお金は働きません。

S&P500のようにずっと最高値を更新し続けている資産は、「安く買い戻せるタイミング」を見極めることが非常に難しく、自分が売った時より将来安くなる時期が分かっていなければ、売ることで長期的なリターンを失うだけになってしまいます。不動産に例えると、月10万円の家賃収入が入る物件を売った瞬間から、そのお金は働かなくなります。

売って得た利益を再び同等以上のリターンが見込める資産に投資し直さなければ、持ち続けていた方が良かったという結果になりかねません。二つ目は、すぐに買い戻す、つまりリバランスを行う場合です。アセットアロケーションで運用している場合、株式が上昇すると債券の比率が下がります。

そこで株式の一部を売って債券を買い増し、バランスを整えるリバランスは、機械的に行える合理的な売却です。年に1回程度行うだけでも十分な効果があります。NISAではNISA枠を消費することになり、特定口座では課税が発生しますが、タイミングを逃し続けるコストと比べれば十分に意味のある行動です。三つ目は、お金を使う予定がある場合です。

投資の目的が将来の支出に備えることであれば、その支出タイミングが来たら迷わず売って構いません。また、積み立て投資が好調で当初の目標金額に前倒しで到達した場合も、売って個人国債などで保存しておくことを検討できます。その後さらに上昇しても、積み立て投資を続けている部分で利益を得られるため、目標達成分については使う・保存するという判断は合理的です

まとめ(18:21)

米国株式や日本株式など、世界的に株式が好調な局面では、投資を始めるべきか、積み立てを続けるべきか、あるいは売るべきかと悩む場面が増えます。

しかし株式はずっと上がり続けるわけではなく、いつか下落する局面も必ず来ます。そのような状況でも投資を続けられる方法を持っておくことが重要です。まだ目標金額に達していないのに怖くなってしまった場合は、リバランスによって利益の一部を確保しながら投資を続ける方法が有効です。

機械的に実行できる仕組みを持つことで、感情に左右されずに相場に居続けることができます。投資は相場に生き残り続けた人が最終的に報われます。どんな状態でも続けられる方法を身につけることが、長期的な資産形成において何よりも大切です。

またこちらの動画「【警告】S&P500+金の分散投資「最強説」を信じる人がハマる罠とは?」では、期間操作(カーブフィッティング)の落とし穴を解説していますのでぜひご覧ください。

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