日本人の半分が知らない「複利効果」で資産が2倍変わる理由
マネーリテラシークイズ!(0:25)
突然ですが、3つのクイズにお答えください。
1問目です。100万円を年利2%の利息がつく預金口座に預けました。それ以外の入出金がなかった場合、1年後の残高はいくらになっているでしょうか?
正解は102万円です。ただし、この2%という金利は3ヶ月しか適用されないキャンペーン金利だった場合は話が変わってきますが、問題文どおりであれば102万円が答えになります。
2問目です。同じ口座で、5年後の残高はいくらになっているでしょうか?「110万円より多い」「ちょうど110万円」「110万円より少ない」という選択肢から考えてみてください。
正解は「110万円より多い」です。これは複利の効果によるもので、単純に2%×5年=10%を足した110万円よりも多くなります。
3問目です。インフレ率が2%で、普通預金口座で受け取れる利息が1%の場合、1年後にこの口座のお金で今日と同じだけの物を購入できるでしょうか?
正解は「今日以下しか物が買えない」です。インフレで物価が2%上昇する一方、利息は1%しかつかないため、実質的な購買力は低下してしまいます。
ショッキングな正答率(2:49)
これらのクイズは2022年に行われた金融リテラシー調査をもとにしたものです。実際の正答率を見てみると、1問目の「1年後の残高は102万円」という問題の正答率は68%でした。約2割の方が「わからない」と答え、さらに約1割の方は「102万円以外」と誤った回答をしています。
最も正答率が低かったのは2問目の複利に関する問題です。銀行の預金口座は基本的に複利で運用されていますので、5年後の残高は単純計算の110万円よりも多くなります。ところが、この複利の仕組みを正しく理解している方が少ないことが調査結果から明らかになっています。
3問目のインフレと金利の比較については正答率が55%でした。利息によって増えるお金と、インフレによって実質的に目減りするお金、この2つのパーセンテージを比較する力が問われる問題です。
日本の顕著なウィークポイント(5:26)
このリテラシー調査の結果を米国と比較すると、際立った差が現れています。複利に関する問題の正答率は、米国が72%であるのに対し、日本は43%と約30%もの開きがあります。その他の問題については日米間に大きな差はなく、平均してもそれほど有意な差はありません。
日本では金融教育に自信がある人が少なく、学校で金融教育を受けた経験がないという方も多い状況です。能力として顕著な差が出ているのが、まさにこの複利効果の理解というところになります。
新しく価格変動商品を扱うようになった現代において、複利効果が分からないと長期運用や投資に向かうモチベーションを保てなかったり、投資の強みや弱みを正しく理解できなかったりしてしまいます。ここでは複利の種類について丁寧に解説していきます。
単利と複利の違い(7:22)
単利とは、元本のみに利息がつくものです。一方の複利とは、元本と利息を合わせた残高全体に対して利息がつくものです。「利息に利息がつく」という説明もされますが、より正確には「今預けているもの全体に対して利息がつく」というのが複利の本質です。
例えば金利1%で考えてみましょう。単利の場合、毎年100万円の元本に対して1%の利息がつきますので、毎年1万円ずつ増えていきます。複利の場合は初年度こそ同じく1万円の利息ですが、翌年には元本100万円と利息1万円を合わせた101万円に対して1%の利息がかかります。そのため利息は1万100円となり、単利よりも多くなります。これが積み重なることで、時間が経てば経つほど差が広がっていくのです。
価格変動商品の場合(9:11)
銀行預金であれば元本が保証されており、預金保険機構による保護もあります。しかし現在はインフレが進んでいるため、インフレ率よりも利息が低いと、預けているだけでお金の実質的な価値が目減りしてしまいます。そのため投資にチャレンジする方が増えているわけです。
投資商品は価格変動商品ですから、上がったり下がったりします。また、利息がつかないものもあります。無配当の株式や、ゼロクーポン債と呼ばれる利払いのない債券、分配金を出さないインデックスファンドなどがその例です。一方で高配当株式や定期的に利払いが行われる債券、毎月分配型投資信託といった商品もあります。この違いによって複利効果が感じにくくなったり、理解しにくくなったりする方が多くなっています。
インカムゲインとキャピタルゲイン(11:01)
価格変動商品における利益には2種類あります。インカムゲインとキャピタルゲインです。インカムゲインとは、商品を保有している間に受け取れる利益のことで、配当金や分配金がこれに当たります。キャピタルゲインとは、商品を売却したときに得られる利益のことです。値上がりした状態で売れば利益になり、値下がりした状態で売るとキャピタルロスになります。
銀行預金はキャピタルゲインが存在せず、インカムゲインしかありません。一方、インデックスファンドで無分配のものは、トータルリターンの中身がすべてキャピタルゲインになります。
大切なのは、投資を考えるときはこの2つを合わせたトータルリターンで考えることです。毎月や半年ごとに入金がないと儲かっている感覚がしないという声も聞かれますが、残高が増えているのであればそれが利益です。分配金がなくても、年間の残高が増えていれば利益が出ているということになります。
トータルリターンで考えられないと損をしてしまうケースもあります。毎月分配型投資信託でインカムゲインを受け取っていても、元本が減り続けてトータルではロスになっているというケースがその典型例です。退職金を預けて毎月分配型を購入し、5年後に1000万円を引き出そうとしたら元本が500万円になっていたというケースも実際に起きています。
複利利回りの”利回り”とは(16:39)
金利と利回りは厳密には異なります。金利は1年間の金利を指しますが、利回りは複数年の利益や、最終的にまとめて得られるキャピタルゲインを金利計算に換算したもので、金利と比較できるようにしたものです。
例えば利回り7%とは、7%の複利利回りを意味します。単利と明示されていない限り、金利は一般的に複利利回りになっています。代表的な単利商品としては債券が挙げられますが、個別債券を生で購入した場合は単利になります。債券の場合、購入価格によって表面金利と実際の利回りが異なることがありますので、利回りとして表現されることも多くあります。
残高に対して利息をかけていかなければその金額にならないため、利回りには複利効果が存在しています。チャリンチャリンと手元に入ってこないから複利がないと感じるのは感覚の問題であり、残高として増えているのであれば複利効果は働いています。解約すれば実際にそのお金が戻ってくるわけですから、残高で考えることが大切です。
時間が複利効果を加速させる(19:00)
毎月5万円を複利利回り7%で積み立て投資した場合の試算を見てみましょう。10年後の元本は600万円で、運用結果は865万円、利益は265万円になります。20年後には元本が1200万円になりますが、運用結果は2611万円と、元本の2倍どころではない金額になります。30年後には元本が1800万円に対して運用結果は6014万円、利益は4304万円にもなります。
これが複利効果です。利息に利息がかかり続けることで、残高が指数曲線を描いて加速度的に増えていきます。特に注目したいのは、最初の10年間の利益が265万円であるのに対し、20年目から30年目の10年間で増えた利益が3493万円と、実に13倍もの差があるという点です。時間が経てば経つほど、複利の効果は加速していきます。
2026年から始めるあなたへのメッセージ(21:03)
投資において大切なのは入金力よりも投資期間です。もちろん多く投資できるに越したことはありませんが、それよりも長く続けることの方が重要です。
年齢が高い方でも投資期間を確保することはできます。10年以上あれば十分に効果が出てきます。例えば今60歳の方でも、70歳まで10年間投資を続ければ元本の2倍近くまで増やすことができます。2倍というのは非常に大きな成果です。
若い方は給与が低かったり子育てで出費がかさんだりと、積み立て投資に回すお金が少ないこともあるでしょう。それでもわずかな金額から始めることが大切です。少額でも長期間続けることで、複利効果によって十分な資産形成が可能になります。インフレを考慮しても3000万円を超えるような金額になる可能性は十分にあります。
まとめ(23:06)
複利効果は、皆さんの投資生活において非常に重要な力です。時間をかければかけるほど加速していくこの効果を活かすためには、できるだけ早く始めて長く続けることが何より大切です。
同時に、複利にはマイナスの面もあります。投資商品には必ず伴うものですが、資産分散や時間分散を取り入れることでリスクを軽減し、安定的な資産形成を目指すことができます。まずは複利の仕組みを正しく理解した上で、自分に合った投資を始めてみてください。
またこちらの動画「《投資の不都合な真実》リスク管理で成功するための3つのポイント」では、元本割れの現実と向き合い、リスクを管理するポイントを解説していますのでぜひご覧ください。





