SpaceXがNASDAQに上場へ。NASDAQ100のルール変更で今が仕込み時? 

SpaceXがNASDAQに上場するというニュースが話題となっています。

これを受けて、「今がNASDAQ100の仕込み時だ」という声も出てきていますが、本当にそう言えるのか、事実ベースで整理しながら解説していきます。

SpaceXがNASDAQに上場へ(0:45)

SpaceXはイーロン・マスク氏が経営する宇宙事業会社です。衛星を使ったインターネット通信サービス「スターリンク」が広く知られており、日本でも利用できます。同社はAI事業や宇宙事業への投資を積極的に推進しており、今回のIPOは市場史上最大規模になるとも言われています。評価額は約2兆ドル、日本円にして約318兆円規模とされており、日本の国家予算の2〜3倍に相当します。

NASDAQ100 2つの主要ルール変更(1:43)

このような大型IPOの流れを受けて、NASDAQ100では2026年5月1日からルールが変更されました。主な変更点は3つです。

1つ目はファストエントリーの導入です。従来、NASDAQ100への銘柄採用は3月・6月・9月・12月の定期的な見直しを待つ必要がありました。しかし新ルールでは、将来的に採用が見込まれる銘柄であれば、上場後最短で15営業日、つまり約1か月足らずで候補に加えることができるようになりました。大型IPOがあった場合、それが速やかに指数に反映される可能性があります。

2つ目は浮動株ルールの廃止です。これまでNASDAQ100への採用には最低10%の浮動株比率が求められていました。浮動株とは市場で自由に取引できる株式のことで、創業者や機関投資家が保有する売却しない株式は含まれません。浮動株の比率が低いと市場に流通する株数が少なくなるため、需要が高まると価格が必要以上に急騰してしまいます。今回のルール変更で、この10%という最低要件が撤廃されました。

3つ目は新たな評価上限ルールの導入です。浮動株要件が撤廃された代わりに、浮動株比率が33.3%以下の銘柄については、実際の浮動株の最大3倍までしか時価総額として評価しないというルールが設けられました。たとえば浮動株比率が5%の銘柄であれば、3倍の15%分しか時価総額として認められません。逆に言えば、33.3%以上の浮動株があれば全体の時価総額で評価されます。これにより、浮動株を極端に絞ることで株価を不当につり上げ、NASDAQ100内のウェイトを過大にするような事態を防ぐ仕組みになっています

さらに単一銘柄のウェイト上限は24%、組入比率が4.5%を超える銘柄の合計は全体の48%以下とする制限も設けられています。NVIDIAやApple、Microsoftといった大型銘柄はすでにこの制限の対象となっています。

ルール変更の狙い(10:11)

今回のルール変更には、SpaceX・OpenAI・Anthropicという3つの大型AI・宇宙関連企業のIPOを見据えた背景があると考えられます。

OpenAIはChatGPTで知られるAI研究開発企業であり、現在の評価額は約8,520億ドル、日本円で約135兆円程度とされています。一方、Anthropicはそれを上回る約9,000億ドル超(約140兆円超)の評価額となっており、OpenAIを追い抜きつつある状況です。Anthropicは早ければ2026年後半にIPOを目指しているとも言われています。

ルール変更の必要性を考える上で参考になるのがテスラの事例です。テスラは2010年6月にNASDAQに上場しましたが、NASDAQ100に採用されたのは約3年後の2013年7月でした。その後、2020年頃に株価が急伸し、同年12月にS&P500にも採用されました。上場時を1とすると、NASDAQ100採用時には8倍、S&P500採用時にはさらに上昇して217倍という状況での採用となりました。主要指数への採用が遅れたことで、資金調達の速度が本来より遅くなってしまったという見方もあります。

こうした経緯を踏まえると、今回のルール変更はNASDAQ側が大型企業を速やかに採用できる体制を整えるとともに、指数としての代表性を維持するために行われたものと捉えることができます。

まとめ(18:57)

SpaceXのIPO時の浮動株比率を試算すると、調達額750億ドル・評価額2兆ドルとして計算すると約4%程度となります。3倍ルールを適用しても2,250億ドル分にとどまり、NASDAQ100全体に占めるウェイトは約1.2%前後になると予想されます。大きな存在感があるとは言い切れませんが、指数に採用されれば、インデックスファンドを通じた資金が自動的に流入することになります。

一方で、SpaceXやOpenAI、Anthropicが新たに採用されれば、これまで高いウェイトを占めていたNVIDIA・Apple・Microsoftなどの銘柄は売られる圧力を受ける可能性があります。個別株として保有している場合は、一時的な影響を受けることも考えられます。

IPO株を直接狙う場合は、みずほ証券など幹事証券会社の抽選に参加する形になります。また、指数全体への投資を継続しているのであれば、採用銘柄は自動的にポートフォリオに組み込まれるため、特別な対応は必要ありません。

またこちらの動画「2026年最新:イラン戦争で世界景気後退?世界経済の「3つのシナリオ」」では、IMF最新予測をもとに景気後退のシナリオとオルカンの構成比の偏りを解説していますのでぜひご覧ください。

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