旧NISAから新NISAへ、株主優待を維持する証券会社変更のポイント

2024年から始まる新NISA制度により、多くの投資家が旧NISAからの移行を検討しています。特に株主優待や長期保有優遇を受けている投資家にとって、証券会社の変更や新しいNISA制度への対応は大きな関心事でしょう。

この記事では、証券会社を変更しつつも新NISAへの移行をスムーズに行い、長期保有優遇や株主優待を継続するための具体的な手順や注意点を解説します。

質問内容

2024年から始まる新NISAですが、旧NISAで長期保有優遇受けている株式を継続して新NISAで受ける方法はありますか?新NISAで証券会社をSBI証券へ変更予定のため、旧NISAから新NISAで証券会社を変更する場合も教えていただきたいです。
 

キーポイント

長期保有優遇の基本ルール(00:00:00)

長期保有優遇の仕組み

長期保有優遇は、一定期間株式を保有し続けた株主に対して優待内容が増加する制度です。たとえば、1年保有で3,000円分の優待券がもらえる企業が3年以上保有すると5,000円に増やす優遇を実施するといった具合です。

大原則として当該株式と必要株数を自分名義で保有し続けていれば、長期保有優遇を受けることができます。必要株数以上を売却しないことが注意点です。

株主番号を維持するための手順

必要株数の所持に加えて、長期保有優遇を受けるためには株主番号が重要な要素です。株主番号は保有期間を管理するための一意な番号であり、これが維持されている限り株主優待や長期保有特典は継続されます。

株主番号は証券会社が変わっても原則維持されます。 たとえば、ご質問にあるようにSBI証券へ移行したとしても、証券保管振替機構によって株式は一括管理されているため同じ株主番号が継続される仕組みです。

注意点は名義や住所の変更です。これらが正しく管理されていないと株主番号が別人として新しく発行される可能性があります。そのため、証券会社変更時には名義や住所の統一を必ず確認するようにします。

証券会社の変更と株主番号の維持(00:04:05)

証券会社変更時の注意点

証券会社間の株式移管は基本的にはスムーズに行われますが、名義や住所が一致していない場合、株主番号が変更され優遇が途切れる可能性が生じます。結婚などで姓が変わった場合は、すべての証券会社で同一の名義に統一しておくようにしてください

複数の証券会社での株式管理

複数の証券会社で株式を保有している場合は「ほふり(証券保管振替機構)」で管理されているため、基本的には同じ株主番号が維持されます。ただし、証券会社間での移管手続きが完了するまでに数日かかることがあるので、その間に株を売却しないよう注意しなければなりません

名義変更・住所変更・貸株サービスのリスク(00:04:43)

名義・住所変更の確認

結婚や離婚による名義と住所変更は、長期保有優遇を受ける上で非常に重要です。名義と住所が一致しない場合、異なる株主として扱われて株主番号が新たに発行されるリスクがあります。

これを防ぐためには証券会社の名義と住所を統一しておかなければなりません

貸株サービスのリスク

貸株サービスを利用すると、証券会社が株式の名義を一時的に管理する形に変わります。それにより株主番号が一時的に変更される可能性が生じ、長期保有優遇や株主優待を受けられないリスクが出てきます。長期保有優遇を重視する場合、貸株サービスの利用は控えましょう。

新NISAでの長期保有優遇を継続するための手順(00:08:40)

売却と再購入のタイミングに注意

新NISAに移行する際、旧NISAの株式を一度売却し、新NISAで再購入するケースがあるでしょう。
しかし、この売却から再購入までの期間には注意しなければなりません。期間中に株式を保有していない時間が発生すると、長期保有優遇が途切れる可能性があるためです

効果的な資金管理と手順

最も安全な方法は、新NISAで先に株式を購入し、旧NISAの株式を後から売却することです。この手順を取ることで、保有期間が途切れるリスクを回避できます。必要な資金を事前に用意し、2つの口座で同時に株式を保有することでスムーズに移行が進められます。

まとめ

新NISAへの移行に際して長期保有優遇を維持するための最も重要なポイントは、株主番号の維持です。証券会社を変更しても名義や住所が統一されていれば株主番号は維持され、優遇を継続して受けることができます。

ただし、名義変更や貸株サービスの利用には特に注意してください。

また旧NISAから新NISAに移行する際は売却と再購入のタイミングに気を付け、保有期間を途切れさせないようにしましょう。この手順を守ることで安心して長期保有優遇を活用し続けることができます。

関連動画では、株主優待の仕組みやメリット・デメリットを深掘りしていますので、株主優待に興味のある方はぜひご覧ください。