65歳から考える老後の介護費用、いくら必要?具体的シミュレーション付き

老後の生活を考える際、特に重要となるのが介護費用です。今回は、65歳時点でどの程度の介護費用を準備しておくべきかについて、具体的なデータやシミュレーションを交えながら解説していきます。

キーポイント

介護にかかる2つの費用(00:01:36)

老後の介護費用は大きく分けて二つの要素があります。

まず「2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」によると「一時的な費用」として、平均74万円が必要とされています。この費用は、家の改修や介護用品の購入などに使われるものです。たとえば、段差を解消するためのスロープの設置や、手すりの取り付けなどが含まれます。

次に「月々の費用」として平均8.3万円が必要です。これには、在宅での介護にかかる費用や、施設介護の費用が含まれます。在宅介護では、平均5~6万円がかかる一方、施設介護では平均12.2万円がかかります。

施設によってはさらに費用がかかることもあるので平均では語れませんが、最低でもこれくらいの金額を見込んでおくと良いでしょう。

介護に要する期間は約5年(00:08:26)

介護が必要となる期間の平均は約61ヶ月、つまり約5年間です。しかし、実際の期間にはばらつきがあり、4年以上介護が続くケースが半数を超えています。

このため、介護期間を5年と見積もるのは妥当ですが、リスクを考慮するならば、8年程度を目安に準備しておくことも考えられます。

介護のシミュレーション(00:09:27)

生命保文化センターの例(実際にかかる介護費用はどれくらい?)をもとに具体的なシミュレーションとして、要介護3のケースで考えてみましょう。

出典:生命保文化センターの例(実際にかかる介護費用はどれくらい?)


この場合、介護保険を利用しても自己負担額が発生します。たとえば、一般の方で月々6万円の自己負担があるとすれば、年間で72万円、5年間で360万円が必要になります。さらに初期費用として20万円がかかると、総額で380万円程度の費用が必要になります。

出典:生命保文化センターの例(実際にかかる介護費用はどれくらい?)

このように、介護費用は介護度や利用するサービスによって大きく異なるため、個々の状況に応じたシミュレーションが重要です。

介護費用は1人最低580万円を準備しておこう(00:13:19)

では、実際にどれくらいの介護費用を準備しておくべきなのでしょうか。平均的なケースでは、介護費用として総額580万円が必要です。しかし、余裕を持たせた最大ケースで考えると、約820万円程度を目安にすると安心です。

特に夫婦の場合は、片方が介護を受ける一方で、もう片方がその介護を担うケースが多いですが、最終的にはどちらも介護が必要になる可能性があります。このため、夫婦で合わせて1,000万~1,200万円程度の貯蓄を目標とするのが理想的です。

まとめ(00:17:30)

介護費用の準備は老後生活の安心につながりますが、必要以上に多額の貯蓄を目指す必要はありません。500万~1,000万円程度を目安にし、生活費とバランスを取りながら老後を豊かに過ごすための費用計画を立てることが重要です。

介護費用の備えをしつつ、老後生活を楽しむための資金も確保することで、充実した老後を送ることができます。

老後65歳以降に必要なお金は介護保険以外にも年金や医療費などがあります。それらをまとめた動画があるので、これからの老後資金について詳しく把握されていない方はぜひチェックしてください。