貯蓄型保険の解約返戻金を債券アセットに組み入れてもいい?

この動画では、アセットアロケーション運用において保険の解約返戻金を含めるべきかどうかについて詳しく解説します。投資家目線で、保険と資産運用の関係性や注意点について深掘りしています。
資産運用の効率を高めるための実践的な方法を学びましょう。

キーポイント

アセットアロケーション運用の基本 (00:24)

アセットアロケーション運用とは、異なる資産クラスに資産を分散投資する戦略です。株式、債券、不動産などに資産を分散することでリスクを低減し、安定したリターンを狙います。

この運用方法は全世界投資という形で実践されることが多く、日本国内外の資産をバランスよく配分することで効果を発揮します。

たとえば全世界投資を行う際には日本の株式や債券だけでなく海外の資産にも分散することで、国内の経済変動に対するリスクを軽減できます。特に、日本の経済が停滞している場合でも他の国の経済が成長していれば、全体としての資産価値は上昇する可能性があります。

このように、アセットアロケーションはリスクとリターンのバランスをとるための重要な戦略です。これは資産運用の基盤となる重要な考え方であり、投資家にとっては基本的なスキルです。

保険の解約返戻金を含めるべきか? (01:16)

アセットアロケーションに保険の解約返戻金を含める考え方はおすすめしません

その理由は以下の通りです。

  1. 貯蓄型保険の非効率性
    貯蓄型保険は、資産運用に適していません。
    解約返戻金がある保険は保険料の一部が貯蓄として積み立てられますが、その運用効率は低く(年利回り1%以下がほとんど)、手数料や保険会社の利益が差し引かれるため、実質的なリターンは低くなります。
  2. 相関係数の計算の難しさ
    保険をアセットアロケーションに含める場合、他の資産との相関関係を計算するのが難しいです。特に、日本円建てと外貨建ての保険では、その運用が他の資産と連動しないため、資産全体のリスクを正確に評価するのが困難です。
  3. 保険会社の信用リスク
    保険会社の信用リスクも無視できません。
    保険会社が破綻した場合、解約返戻金が満額戻ってこない可能性があります。日本国内では保険契約者保護機構による保護がありますが、それでもリスクは残ります。

たとえば、円建ての保険を持っている場合その解約返戻金を円預金として扱うことは可能ですが、為替リスクや保険会社の信用リスクを考慮する必要があります。
また、外貨建て保険の場合、外貨預金として扱うことができますが、その場合も同様にリスク評価が必要です。

貯蓄型保険の問題点 (09:45)

貯蓄型保険は、資産運用には適していないとされています。その理由は、以下の通りです。

  1. 手数料が高い
    貯蓄型保険は、手数料が高く設定されていることが多いです。
    保険会社は運用益から手数料を差し引くため、実際のリターンは低くなります。
    これにより、資産運用としての効率が悪くなります。
  2. 運用効率の低さ
    貯蓄型保険の運用効率は低いです。
    保険会社は安全性を重視して運用を行うため、リターンが低くなります。
    また、保険契約者に対する保障も含まれるため、純粋な投資商品と比較してリターンが低くなります。
  3. 流動性の低さ
    貯蓄型保険は、解約する際に手続きが複雑で、即座に現金化できないことが多いです。
    また、解約返戻金も契約初期には低く設定されていることが多く、長期間保持しなければならないため、流動性が低いです。
  4. 他の投資商品との相関が低い
    貯蓄型保険は、他の投資商品との相関が低く、資産全体のリスク管理が難しくなります。
    特に、為替リスクや金利リスクなど、複数のリスク要因が絡むため、資産配分の計算が複雑になります。

貯蓄型保険がなぜおすすめできないのか?その理由について詳しく知りたい方は「貯蓄型保険がいらない5つの理由とは?保険を見直して家計を整えよう」の記事をご覧ください。

保険をアセットアロケーションに組み入れる際の注意点 (12:12)

マネーセンスカレッジとしてはアセットアロケーションに保険を組み入れることは非推奨です。ただ、それでも保険をアセットアロケーションに組み入れたい場合、以下の点に注意してください。

  1. 保険の種類を把握する
    円建て保険と外貨建て保険では、取り扱い方が異なります。
    円建て保険は、日本円建ての債券として扱い、外貨建て保険は、外国債券として扱います。
    それぞれの特性を理解して、適切に資産配分を行うことが重要です。
  2. 解約返戻金の時価評価
    保険の解約返戻金は、現時点での時価で評価する必要があります。
    毎年リバランスを行う際には、保険会社に問い合わせて解約返戻金の金額を確認し、それを基に資産配分を見直します。
  3. 信用リスクの管理
    保険会社の信用リスクも考慮する必要があります。
    保険会社が破綻した場合、解約返戻金が満額戻ってこないリスクがあります。
    このため、定期的に保険会社の信用状況をチェックし、リスクを管理することが重要です。
  4. 手間とコストを考慮する
    保険をアセットアロケーションに組み入れるには、定期的に保険会社に問い合わせる手間がかかります。また、手数料や運用コストも高いため、それらを考慮した上で、保険を含めるかどうかを判断する必要があります。

まとめ (17:24)

アセットアロケーションにおいて、保険の解約返戻金を含めることはおすすめしません。どうしても含める場合には慎重に行う必要があります。

保険は、資産運用に適していないため他の投資商品と比較して運用効率が悪くなります。保険会社の信用リスクや手間のかかる手続きなど、考慮すべき点が多いため、専門家のアドバイスを受けながら判断することをおすすめします。

この動画を参考に保険と投資の違いを理解し、自分の資産運用方法を見直しましょう。