自営業者のNISAとiDeCoの使い方!節税よりもキャッシュの確保が大切な理由

この動画では、個人事業主の方が「iDeCo」と「NISA」を活用して節税をする考え方について解説しています。個人事業主が節税よりも注力すべきこともお伝えしているので、ぜひ最後までご視聴ください。

質問内容

弱小個人事業主になる予定の30代です。弱小と言っても税金を支払わないといけないのですができるだけ税金を払いたくありません。

iDeCoにできるだけ入れて節税をしたいと思っています。たとえばNISAの上限1,800万円の枠が残っていた場合、iDeCoを65歳時点で一括で受け取り、NISAに入れ直すことはできるでしょうか。頭が元気なうちは運用を続けたいと思っています。

キーポイント

質問の背景と論点(00:00:04)

個人事業主になる予定の30代の方から、iDeCoとNISAを活用して節税をしたいという質問が寄せられました。上述した質問内容を整理すると「iDeCoから65歳時点で一括でNISAに入れ直すことができるか」という質問です。

しかし、この質問は本質的な論点から外れている可能性があります。節税だけでなく、節約や最近流行りのポイント集め(ポイ活)などは、それ自体に注力しすぎると本来目指すべきものから外れてしまう恐れがあるためです。

iDeCoからNISAへの一括移管は不可能(00:01:39)

質問の回答として、65歳時点でiDeCoから一括でNISAに入れ直すことはできません

おそらく30代から老後を見据えた運用を始めると数千万円の資金になっているでしょう。この金額になると現行法上、NISAの年間投資枠を超える可能性あるため一括で入れることはできません。

iDeCoの中で非課税運用を続けた方が賢明です。

ただし、iDeCoから引き出すときは課税対象になるため、退職所得控除を活用したいという思惑があるかもしれません。しかし、今後制度は変わっていくので、出口戦略は柔軟に対応する必要があります。

NISAの年間投資枠を含めた制度概要を詳しく知りたい方は『「新しいNISA」制度概要!2024年からNISAはもっとお得に』の記事がおすすめです。

iDeCoへの最大限の拠出をおすすめ(00:04:02)

個人事業主の場合、iDeCoに月6万8,000円まで拠出できます。サラリーマンの場合は2万3,000円までです。

iDeCoは非課税で運用できるため、できるだけ最大限入れることをおすすめします。個人事業主には国民年金しかないので、iDeCoを活用して自助努力が必要です。

ただし、生活防衛資金や運転資金としてのキャッシュを確保することが前提条件です。

事業継続のためのキャッシュ確保が最優先(00:06:06)

個人事業主になると、サラリーマン時代のようなセーフティネットがなくなります。そのため、事業を継続するためのキャッシュを確保することが最優先です。

最低でも月商の2ヶ月分、できれば6ヶ月分から1年分のキャッシュを手元に置くべきです。キャッシュがなければ、本業に集中できなくなります。業績が悪い時は銀行からすぐに借りられるわけでもありません。キャッシュフローを確保した上で、節税対策を講じるべきです。

本末転倒に陥らないための注意点(00:08:15)

節税は大切ですが、それに注力しすぎると本末転倒になる恐れがあります。税金を払いたくないがために、事業やファイナンシャルプランから外れてしまっては本末転倒です。

30代で事業を始める場合、長い人生を見据えた上で、今できることから着手することが重要です。キャッシュフローの準備と事業継続を最優先した上で iDeCoやNISAの使い方を考えましょう。

未来は誰にもわからない。今できることから着手しよう(00:09:36)

65歳以降の税制やiDeCoなどの制度は、半世紀後のことなので不透明です。今から出口戦略を立てるのは難しいでしょう。むしろ、現状でできることから着手し、非課税運用を続けることが重要です。

なにより個人事業主になる場合は、まずは自分自身の事業が最優先。頭が元気なうちは運用を続けたいという思いは正しく、そのときの制度に合わせて適切な方法論で運用を続けましょう。

マネーセンスカレッジが考える新しいNISAの活用方法は下記の記事にまとめています。本記事と併せてぜひチェックしてください。