資産設計(QLP)

投資家なら誰でも知っている!あなたのポケットにお金を入れる3つの資産

お金持ちに必要な3つの資産 資産設計(QLP)

本記事では「資産」の種類について解説します。

近頃、資産を持ちましょうと言われることが増えていますが、資産の正しい意味を知っている方はあまり多くありません。

資産の正しい意味を理解して、資産を持ち、育てることはこれからの時代に欠かせない要素です。記事をぜひチェックして、資産の重要性を把握していきましょう。

資産とは「価値を生み出すもの」

価値を生み出すものであったり、仕組みだったりするものを「資産」と呼びます。たとえば、労働力(若さ)や賃貸に貸し出しているマンションなどです。

資産と混同しがちなものに「資本」があります。資本は、お金を生み出す元になるものです。つまり、資産を生み出すための元となる源泉(原石)が資本になります。

資産は、持っているだけであなたのポケットにお金を入れてくれるもの。逆に負債とは、自分のポケットからお金を出していくものになります。

お金を増やす3つの資産

資産の定義を再認識したところで、別の角度で考えてみましょう。私たち個人が持てる資産は、大きく分けると3種類に分類できます。

  • 金融資産
  • 労働資産
  • 無形資産

3つの資産を持ち、育てることであなたのポケットに入るお金は増えていきます。

資産の種類

では、各資産が具体的になにを指すのか解説していきましょう。

1.金融資産

多くの場合、有価証券と呼ばれる「財産的価値のある権利を表す証券や証書」またはその集合体の形をとります。有価証券は財産的価値があるので市場などで金銭で取引できるため、比較的すぐに現金化できる特徴を持ちます。

  • 現金、預貯金
  • 投資信託
  • 株式(株券)
  • 債券

上記のようなものが代表的な金融資産です。

2.労働資産

労働資産とは、その名の通り労働という資産です。自分自身が労働を提供して価値を生み出します。

若いうちは強力な資産であり「若さ」とも言い換えられますね。若いときは体力も多く吸収力もあるため、労働資産は若い方にとって非常に大きなものです。

ただ、高齢になるほど労働資産は減っていきます。肉体的な限界または社会的な需要から労働資産の価値が下がってしまうのです。

したがって、若さというのは労働資産にとても大きな影響を与えます。万人が平等に得て、平等に失うものです。

3.無形資産

無形資産とは、資産の要件である「価値を生み出すもの」ではあるが物理的実体がない資産を指します。あまり無形資産を意識している人は少ないですが、たとえば以下のようなものが当てはまります。

  • ブランド(例:浅田修司、ルイヴィトンなど)
  • システム(例:プログラムなど)
  • 家族や友人との関係
  • 年金

このような、実体はないけれど価値を生み出すものが無形資産です。簡単にいうなら、「仕組み」や「関係性」によって価値を生み出しているものになります。

家族や友人などは実体はありますが、当然に誰かが所有することはできません。したがって、その人そのものが資産なのではありません。しかし、その人との関係性は実体がありませんが資産となることがあるのです。

友人だから手伝ったり、有名なブランド名だから買ったりしますよね。関係性としてお金とは遠いものです。しかし、お金に換算できるため立派な資産になります。

3つの資産を手に入れる方法

私たちは3つの資産を持つことが大切です。ただ、資産を手に入れるためにどのように行動したらいいのかわからないですよね。そこでこの項目で、資産を手に入れる方法について解説します。

金融資産は全世界投資がおすすめ

金融資産を手に入れる方法は、株や債券などの有価証券に投資をすることです。

ただし、個別株式のような投資方法は初心者に難しいです。銘柄選定ができるスキル激しい値動きに耐えられるメンタリティを備えなければ継続できません。

そこで投資初心者におすすめするのが、世界中の資産へ投資をする「全世界投資」です。

世界へ投資することで、世界経済の成長の恩恵を受けられます。難しい分析や短期的な売買を繰り返すこともありません。自分自身の立場や年齢、環境などを考える必要もなく、淡々と資産を増やせるのが全世界投資です。

したがって、全世界投資を始めることが金融資産を手に入れるおすすめの方法になります。

全世界投資の方法論やおすすめする理由は、下記の記事で紹介しているのでぜひチェックしてください。

労働資産はスキルを磨いて収入に反映させることが大切

労働資産は、労働を提供することで得られます。すでに多くの方が持っている資産ですが、労働力がなくなると困りますよね。

60代、70代になると働ける体力があったとしも、年齢によっては雇ってもらえなかったり、仕事を取れなかったりします。

そのために、若いころから労働資産の価値を高めることが大切です。

労働資産の価値は「時給×時間」で決まります。月給制でも根本的には変わりません。

時間は簡単に増やすことができますが、限度はあります。余暇の時間を失ったり、体調を崩したりしては意味がありません。価値が低いときはやむを得ない場合はありますが、徐々にでも時給を上げていきたいところです。

時給を上げるためには、スキルを磨かなければなりません。それだけでは不十分で、さらに時給に反映させる必要があります。スキルは収入に反映されなければ労働資産とは呼べません。

給料の一部は金融資産に変える

ただし、労働で増えていくお金は少ないです。金融資産は2次曲線的に増えていきますが、労働資産はほぼ直線的です。その理由は金融資産は「%」で増えていきますが、労働資産は時給が何円上がったなどの「円」か、労働時間を1時間増やしたなどの「時間」でしか増えないためです

トマ・ピケティの21世紀の資本という本に、資本収益率(r)と賃金上昇率(g)を比較した結果が書かれています。「r>gの法則」といわれており、どの時代でも当てはまります。

要するに、労働のスキルをいくらあげても、資本収益率に比べると増え方は鈍化していくということです。

労働資産は、年齢を重ねていくほど減るうえに資本収益率には勝てません。そのため、稼いだお金の一部を金融資産にシフトすることも重要です。

無形資産は強固な人間関係を築く

無形資産は、あまり聞き馴染みのない考え方なので具体例を用いながらわかりやすく説明します。

家族や友人、趣味仲間などとの強固な人間関係は、無形資産に変わる可能性がある資本です。そのため、労働資産と同様に「無形資産」をすでに持っている方は多いのではないでしょうか。

ただ、なぜ強固な人間関係が資産になるのかイメージするのは難しいですよね。

たとえば、家族関係が良好の場合で考えてみましょう。子供とよく連絡を取り合っており、とても仲がいい状態です。

このような家族関係を保っていると、自分が老後を迎えた際にいろいろと助けてくれますよね。老人ホームに入らず家族に介護をお願いできれば、介護費用を少なくできます。

また、とても仲のいい友人がいれば、あなたが引っ越しを行う際に手伝ってくれることがありますよね。友人の手を借りられると、数十万円かかる引っ越し費用を安くできます。

このように直接的なお金は生み出さないかもしれませんが、無形資産を持っていると抑えられる支出が生まれてきます。

そのため、価値を生み出している関係性になっているということです。

あなたの内面まで吐露できる人は世界で3人だけ

家族や友人などと良好な関係性を築けていない方は「無形資産なんて手に入らないのかな?」と心配ではないでしょうか。

実は、人間が一生のうちに内面まで打ち明けられる人は親戚や家族を含めても最大3人までといわれています。最大で3人なので、無形資産を築ける人をたった1人作るだけでも十分な資産になります。

近年は、無形資産を重視しない風潮がありますが、これからの時代には欠かせない資産のひとつです。

3つの資産の育て方

あなたが持てる資産は3種類ありますが、それぞれ特徴があります。その特徴の違いから育て方が異なります。

金融資産は自分の時間と切り離して育てられる

金融資産を育てる際に、あなたの時間は関係ありません。あなたがそれほど時間をかけなくても、金融資産は育ってくれます。

たとえば全世界投資をおこなう場合、世界の経済成長にあなたの時間は関係ないですよね。あなたが何も手を加えなくても、多少の上下動はありますが長期的な視点でみれば世界は常に経済成長し続けます。

個別株式の場合でも、購入した会社の株は勝手に増えたり、減ったりします。あなたが何か提案したり、仕事をしたりすることはないはずです。

このように、金融資産は自分の時間と切り離して育てられるものです。

逆に時間を早めることもできない

あなたの時間をかける必要はありませんが、逆の意味では時間をかけられないともいえます。

急いで金融資産を増やそうとしてあなたの時間をかけたところで、世の中の時間は早まりません。世界の経済成長が早まることもありません。

したがって、できるだけ長い時間を確保するために、金融資産を育てるにはなるべく早くに始める必要があるのです。

投資を始める早さの重要性は「20代は50代の8倍!投資のスタート年齢が資産に与える影響とは」の記事で解説しています。まだ金融資産を持っていない方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。

労働資産はスキルの「組み合わせ」を考える

労働資産の価値を上げる方法としてスキルを上げることをお話しました。

多くの方はスキルを上げるのに「単一のスキル」で考えがちです。しかし、時給は単一のスキルではなかなか上げることは難しいです。究極的にいえば、資格であれば一番難しい資格を手に入れなければならないことになってしまいます。

そこで、スキルを組み合わせる考え方を持ちましょう。

最近ではYouTubeやTikTokなどの流行を受けて、動画編集で副収入を得る方が多いといいます。しかし、動画編集だけでは時給は非常に低くなりがちです。

労働市場も需給関係で時給は決まります。参入する人が多くなれば、それだけ時給は低くなります。需給関係で大事な考え方が希少性です。

もし、外国語が堪能なのであれば「外国語×動画編集」の組み合わせならどうでしょうか。

着物や刀など日本文化に関する動画であれば、外国語テロップを付ければ世界が視聴者になります。動画に外国語のテロップを付けたい場合、翻訳家などに一旦動画を見てもらって別途翻訳してもらい、その翻訳をテロップにつかうという工程になるため時間もコストもかかります。

しかし、それが動画編集者一人でできるとすれば、時給を上げることができるでしょう。

スキルを組み合わせるという方法は、ビジネスモデルを研究すると多くの大企業でも行っています。真似しない手はありません。

誰しも何かの土台となるスキルはあるはずです。突拍子もないものでもよいので、何を組み合わせることができるかと考えてみてください。その組み合わせによって、あなた自身が唯一無二の存在になることも決して夢ではありません。

無形資産は自分の時間を使って育てる

無形資産は、基本的に自分が何か手を加えたり、動いたりしないと育てられません。

たとえば、家族との時間を作ったり、友人と食事に行ったりすることで育っていきます。意識されないことが多いですが、無形資産を育てるには自分の時間がかかるものなのです。

ただ、多くの人の場合、労働で収入を得て生活を支えているため、労働資産と無形資産の2つの資産を同時に育てようとするとうまくいきません。

人生設計や家計管理の方法などを調べていると「ワークライフバランス」という言葉を聞いたことはないでしょうか。

ワークライフバランスの定義は「働く人が仕事上の責任を果たそうとすると、仕事以外の生活でやりたいことや、やらなければならないことに取り組めなくなるのではなく、両者を実現できる状態」を意味します。(引用:男性も育児参加できるワーク・ライフ・バランス企業へ-これからの時代の企業経営-

ワークライフバランスは素晴らしい考え方だとは思いますが、なかなか実現されていないところでもあります。実現されていない例として大きく以下の2つが挙げられます。

  • お金があって時間はない方
  • 時間があってお金はない方

この2つとは違い、お金を持っていて時間もある方は非常に少ないです。逆にお金がなくて時間もない方も少ないですよね。ほとんどの方が上記のどちらかに当てはまります。

「お金があって時間がない方」は、労働資産にあてる時間が多すぎて、無形資産を育てるための時間は足りていないでしょう。家族のために働いて稼ぐと思っていても、肝心の家族をおざなりにしている場合があります。

「時間があってお金はない方」は、労働資産にあてる時間を多く持っていたり、無形資産を多く持っていたりします。家族や趣味にかける時間は多いかもしれませんが、家族や趣味にかけるお金は持っていないかもしれません。

上記のように、2つの人生をどちらも同時に得ようとすると偏ってしまうのです。そのため、2つをバランスよく求めてもうまくいきません。

ここで大切になるのは、発想の転換です。

ワークライフインテグレーション(統合)を取り入れてみましょう。仕事と仕事以外(家庭)の2つをバランスよく手に入れるのではなく、統合して合体させてしまうという考え方です。

ワーク(仕事)とライフ(生活)を対立するものと考えずに、それぞれを人生の一部として統合(integration)して捉える概念。

慶應義塾大学大学院の高橋俊介教授や経済同友会によって提唱されており、それぞれに優先順位をつけるのではなく、無理なく連動させることを目指します。

一見、仕事が家庭に食い込んでくるように思うかもしれませんが、あえて垣根をなくすことで「仕事が充実すれば家庭も充実する」という相乗効果を生み出すということです。

ワークライフインテングレーションの実現には、テレワークや時短勤務、フレックスタイム制度などの導入も手段として重要になります。そのため、労働環境や雇用されている会社の人事体系に影響を受けるという意味で、自分一人では実現が難しい側面があります。

しかし、アフターコロナやウィズコロナを受けて、この考え方が社会に浸透してくることを期待しています。

実際に、株式会社Money Senseでも積極的に導入しており、従業員や業務委託など働き方に関わらず、いきいきと仕事をしてもらっています。

最初から完全なものを目指すのではなく、まずは「時間があってお金がない方」であれば、労働を提供してお金に変えてみる

お金があって時間がない方」なら、周りの人たちに使って無形資産を構築していきましょう。

そして仕事と家庭のどちらか片方だけが充実するのではなく、互いを高めるものに集中して、それらがぐるぐると回るようにライフイベントを構築できると、2つは徐々に統合されていきます。

無形資産を手に入れる際に、お金を使う相手はしっかりと考えてください。相手も無形資産を大切にする考え方がなければ、利用されるか、ただのいい人で終わってしまいます。

資産を手に入れてお金を増やし、自分の幸せを追求しよう

3つの資産の元になる「資本」は、日常の中に転がっています。したがって、日頃からアンテナを張って、資産を手に入れられるように意識しておきましょう。

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