なにが一番増えた?資産別騰落率ランキング2026上半期 

2026年上半期における資産別の騰落率をランキング形式で振り返ります。今回はeMAXIS Slimシリーズ、三菱UFJアセットマネジメントの商品に絞って比較しています。アクティブ型やテーマ型のファンドではなく、アセットアロケーション運用で用いられる資産クラスごとのインデックスファンドを対象にしているのが特徴です。半年間という短い期間でも、資産ごとにこれほど値動きの差が出るという点に注目しながら見ていきます。

第14位(1:56)

三菱UFJ純金ファンドはマイナス8.55%でした。2025年通期ランキングではトップだった資産が、一転して今回はワーストという結果です。大きく上昇した翌年は大きく下落するという、投資においてよく見られる値動きが表れた形といえます。ただし価格推移を確認すると、急落というよりは緩やかな下落という印象です

金というアセットは、その時々でインフレヘッジとして注目されたり、逆に不要論が語られたりと評価が揺れやすい資産です。SNSなどの断片的な情報だけを頼りに売買判断をするのではなく、長期投資の基礎知識を踏まえたうえで向き合うことが望ましいといえます。

下落の最大の要因は金利上昇です。金はそれ自体が利子や配当を生み出す資産ではなく、金そのものの価値によって取引されます。インフレを抑制するために中央政府が金利を引き上げると、相対的に債券などの魅力が高まり、金の相対的な魅力は薄れていきます。米国の金利上昇も見込まれる中、国債や債券のほうが有利だという見方が強まったことも、今回の下落を後押ししたと考えられます。それでもマイナス8.55%という数字は、2年という単位で見ればなお大きなプラス圏に収まっており、過度に気にする必要はない水準です。

第13位(4:02)

eMAXIS Slim国内Rリートインデックスはマイナス8.44%でした。こちらも急落ではなく、緩やかな下落基調という値動きです。

リートは金利、とりわけ国内金利の動向に大きく影響される資産です。日銀は利上げ傾向を続けており、当面その流れが止まる気配は見えません。リートは物件を建設してから収益を回収するまでの期間が長いため、短期金利以上に長期金利の動きに左右されやすい性質を持っています。政策金利自体は1%まで上がった一方、長期金利は3%付近まで上昇しており、資金を借り換えるたびに金利負担が増していく構造が、リートの人気低下につながっています

加えて、日本株式があまりに好調であることも一因です。円建てで投資先を選ぶ際、株式との比較においてリートの相対的な魅力が薄れてしまう傾向があります。一方で、価格が下がれば利回りは上昇するという性質もあります。リーマンショック時には国内リートの利回りが一時15%まで跳ね上がった局面があり、その時点で投資できた人はその後も高水準の配当収益を享受し続けてきました。

もっとも、これは結果論としてそうなったに過ぎず、当時の判断はギャンブル的な要素が強かったことも事実です。価格下落が利回り上昇という形でインカムゲインの魅力を高めるという構造上、そろそろリートの強みが見直される局面に差し掛かっている可能性もあります。

第12位(6:41)

eMAXIS Slim国内債券インデックスはマイナス2.59%でした。野村BPI(野村BPI総合指数)に連動するこのファンドは、依然としてマイナス圏にあります。金利が上昇すれば債券価格は下落するため、現状ではまだ利回り面での投資妙味が出てくるような環境ではありません。ただし、金利上昇局面が落ち着いてくれば、より高い利回りの債券が組み入れられていくことになり、固定金利という性質上、時間の経過とともに商品としての魅力は徐々に高まっていくと考えられます。もう少し時間を要する局面といえそうです

第11位(7:29)

eMAXIS Slim先進国債券インデックス(為替ヘッジなし)はプラス3.91%でした。ここからようやくプラス圏の資産が続きます。今回対象とした14資産のうち、マイナスとなったのはわずか3資産のみで、残りはすべてプラスという、投資効果の非常に高い半年だったことがうかがえます先進国債券については、米国のインフレ再燃を背景にさらなる利上げ局面へ入る可能性も指摘されており、先行きは楽観できない部分もありますが、円安の効果を受けてこの半年はプラス圏を確保しました

第10位(8:25)

eMAXIS Slimシリーズには新興国債券インデックスが存在しないため、類似するeMAXISの新興国債券インデックスを参考として取り上げます。結果はプラス4.23%でした。先進国債券と比較しても大きな差はなく、円安効果の恩恵を同様に受けた形です。このファンドは米ドル建てではなく発行国通貨建てであるため、各国通貨の動向に影響を受けやすいという特徴があります。世界的なインフレ傾向は、本来であれば債券という資産クラス全体の相対的な魅力を薄れさせる要因ですが、それでも円安効果によってプラスの結果となりました

第9位(9:20)

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)はプラス8.42%でした。4月の局面で一時的に値を下げる場面があったものの、他の資産と同様に総じて右肩上がりの値動きを見せています。8つの資産クラスに均等配分するこのファンドは、対象資産のほとんどがプラスとなったこの半年においては、アセットアロケーションのバランス型として比較的優位な位置づけになったといえます

第8位(9:54)

eMAXIS Slim先進国株式インデックス(除く日本)はプラス11.75%でした。MSCIコクサイ・インデックスに連動するこのファンドは、2026年4月に一時的な下落局面を経たものの、その後は上昇基調を強めています。半年間で11.75%という上昇率は、平常時と比較するとかなり高い水準です。4月以降は戦争などの地政学リスクの影響で株価が押し下げられる場面もありましたが、半期を通じてはプラスを維持し、今回のランキング全体の中でもちょうど中間に位置する結果となりました

第7位(10:39)

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)はプラス12.53%でした。先ほどの先進国株式インデックスの構成において大きな比重を占めるのが米国株式であることを踏まえると、先進国株式全体を上回るリターンを米国株式単体が記録したということは、それ以外の先進国はより低い水準にとどまったことを意味しますこの結果からは、米国株式の勢いが完全に衰えたわけではなく、むしろ一時的な調整局面から持ち直したと捉えるのが妥当といえます

第6位(11:22)

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)はプラス13.46%でした。米国株式単体のリターンを上回っており、オール・カントリーには米国株式も相応の割合で組み込まれていることを考慮すると、それ以外の国々、たとえば日本や新興国といった資産が牽引役となったことがうかがえます。特定の一国に依存せず、分散された投資対象全体が押し上げに寄与した結果であり、分散投資の意義をあらためて示す事例といえます

第5位(11:59)

全世界投資はプラス15.1%でした。全世界投資は複数の資産クラスを組み合わせた運用であるため、あらゆる資産クラスが総じて好調だったこの半年においては、好調な結果が出やすい環境でした。実際にオール・カントリーを上回るリターンとなり、アセットバランスが機能した結果といえます。もともと目指しているのは極端な上位や下位ではなく、中間からやや上あたりの順位であるため、5位という結果は狙いに近い、ちょうどよいバランスだったと評価できます

第4位(12:45)

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)はプラス16.13%でした。日本株式の好調さが如実に表れた結果であり、値動きのグラフもこの半年を通じて一貫した右肩上がりを描いています。金利が上昇すると株価が下落するという見方をする向きもありますが、過去の統計データを振り返ると、金利上昇局面ではむしろ株価も連動して上昇する傾向が見られます。逆に、金利が高止まりしたまま株価が下落し始めると、後を追うように金利も低下していくという動きのほうが実際には多く観測されています

第3位(13:32)

eMAXIS Slim先進国リートインデックス(為替ヘッジなし)はプラス19.13%でした。この半年間、一貫して上昇を続けている資産ですインフレによって金利が高止まりし、株価も好調に推移する中でリートまで上昇するというのは、一見すると矛盾しているように感じられる現象です

背景にはAI関連の動きがあります。AIブームは米国発の潮流でしたが、それに伴い日本国内の一部企業が注目を集めて買われたことで、日経平均やTOPIXの上昇を後押ししました。一方、海外の先進国では金利上昇とインフレが続く中でも株価は好調に推移していましたが、その株価上昇に陰りが見え始めると、資金の一部がリートへと向かう動きが生じます。

半年という期間の中で見ると、米国株式の上昇に限界が見え始めた時期から、先進国リートの上昇が始まっていることが分かります。こうした資金の流れの変化は、日々の値動きを継続的に観測することで初めて捉えられるものです。

アセットアロケーションを組んでバランスを整えておけば、特定の資産に資金が流入してバランスが崩れた際に、その資産こそが今まさに資金が向かっている先であると気づくことができ、バランスを整え直す過程でその資金の流れに乗ることができるという利点があります。

第2位(15:20)

eMAXIS Slim新興国株式インデックスはプラス24.29%でした。半年間で25%弱という高いリターンです。値動きのグラフの形自体はそれほど大きく変化していないように見えますが、変動の絶対的な幅は非常に大きくなっています。米国株式も上昇を続けている一方、新興国株式はそれをダブルスコア以上に引き離す伸びを見せており、米国株式の優位性に限界が見え始めていることがうかがえます

世界情勢の面でも、短期間で終結すると見られていた戦争が長期化し、米国の対応方針も二転三転する中で、国内世論からの支持が揺らいでいく状況が続いています。こうした中で、これまで先進国を追いかける立場にあった新興国に勢いが移っていくという、相対的な資金シフトが表れた結果だと考えられます。

第1位(17:17)

eMAXIS Slim国内株式(日経平均)はプラス36.19%となり、圧倒的な1位でした。新興国株式の約1.5倍という突出した数字です。日経平均が7万円を突破して話題になった局面もあり、1日あたりの下げ幅が大きく見える場面もありましたが、パーセンテージに換算すれば4%程度の変動幅に収まっています。

これだけの上昇を経ていれば、その程度の調整が入るのはむしろ自然なことです。個別銘柄ではなく日経平均という市場全体を示すインデックスでこの上昇率が記録されたという点は、あらためて驚くべき結果といえます。短期売買であれば魅力的に映る値動きですが、長期投資という考え方をベースにすれば、こうした上昇局面の恩恵は十分に享受できるものです。

まとめ(18:23)

1位を的中させることはできません。日本株式が上位に来たことを殊更に取り上げるつもりもなければ、米国株式の順位が振るわなかったことを揶揄する意図もありません。そもそもどの資産が上位に来るかは事前には分からないものです。出題内容も分からないテストで平均点を取りにいくよりも、最初からテストを受けなくても平均点に相当する結果を得られる仕組みのほうが、多くの人にとって現実的な解決策になります。アセットアロケーション運用は、まさにその仕組みを体現するものです。

今回、全世界投資は5位という結果でしたが、目指しているのはあくまで中間かそれよりやや上あたりの位置づけであるため、狙いに近いバランスの取れた結果だったといえます。資産運用において大切なのは、勝てる資産や増える資産を探し当てることではなく、大きく負けないことです。

ウォーレン・バフェット氏の名言にもあるように、ルール1は「決してお金を失わないこと」、ルール2は「ルール1を決して忘れないこと」というシンプルながら本質を突いた教えがあります。大きな損失を出してしまうと、それを取り戻すために大きなリターンと長い期間が必要となり、結果として長期的な運用効率が損なわれてしまいます。

大きく負けないための土台として広く語られているのが、長期投資、資産分散、時間分散という投資の3大原則です。全世界投資は、この3つの原則をすべて取り入れた運用方法であり、日本国内に居住する個人投資家であれば誰でも取り入れやすい投資手法として位置づけられています。半年ごとの資産別騰落率を振り返ることは、それ自体が娯楽的な側面を持ちながらも、日々の資産運用の指針を見直すきっかけにもなるものです。

またこちらの動画「オルカンの方がリターンが高いのに、なぜ債券込みの分散投資を選ぶのか?」では、オルカンと全世界投資を中央値などで比較し、リスクを抑える合理性を解説していますのでぜひご覧ください。

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