投資戦略(全世界投資)

投資信託で迷ったら「実質信託報酬手数料」をチェックしよう!

本当にお得な投資信託を選ぶ方法 投資戦略(全世界投資)

近年、一般NISAやつみたてNISAを使って資産運用を始める方は増えています。その中でよく疑問になるのが、投資信託(ファンド)の選び方です。

さらにいえば、チェックする項目や選び方がありすぎて、結局なにを重視したらいいのかわからないのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、金融商品選びに迷われている方へ向けて、本当にお得な投資信託を選ぶポイントを解説します。

投資信託選びは信託報酬手数料をチェックしよう

投資信託を選ぶ際はファンドの純資産総額や単一資産型かどうかなど、さまざまな基準があります。

その中でも「信託報酬手数料」は重要な項目です。

投資を行っていくうえで、投資家側は基本的に以下の3つの手数料を負担する必要があります。

  • 売買手数料購入時
  • 信託報酬手数料保有時
  • 信託財産留保額売却時

この3つの中で信託報酬手数料に注目する理由は「ノーロード」と呼ばれるインデックスファンドが近年主流になっているためです。

ノーロードファンドとは、「売買手数料」が無料に設定されている投資信託です。つまり、ノーロードファンドを購入した場合、投資家が支払う手数料は信託報酬手数料と信託財産留保額の2つだけになります。

信託財産留保額とは、投資信託の解約時にかかる手数料です。長期投資では購入した商品は長く保有することが前提。基本的に、頻繁に売買を繰り返すことはありません。

そのため、信託財産留保額を基準に選ぶ必要はないと考えています。

一方で、信託報酬手数料は投資信託を保有し続けている限り常に発生します。

つまり、利益を最大化するためには「信託報酬手数料」の安い投資信託を選ぶことが大切です。

投資信託を選ぶ基準は下記の記事でも詳しく解説しています。信託報酬手数料だけでなく、さらに細かく選定基準を紹介しています。興味がある方は、ぜひチェックしてください

信託報酬手数料は実際に負担する金額が重要

上記で解説した信託報酬手数料には「名目信託報酬手数料」と「実質信託報酬手数料」の2種類があります。

2つの信託報酬手数料がありますが、チェックすべき項目は実質信託報酬手数料です。

目論見書に記載される「名目信託報酬手数料」

「名目信託報酬手数料」とは、投資信託を運用する費用として支払う金額の目安を表したものです。投資信託の目論見書に記載されています。

目論見書に記載される「名目信託報酬手数料」
引用元:SBI証券

名目信託報酬手数料は、その名の通り名目上の数値。売買にかかる実際のコスト(各種税金や為替)などは含まれてません。

したがって、実際に負担する手数料が名目信託報酬手数料に記載されている数値よりも多くなる場合があります。

実際の負担額がわかる「実質信託報酬手数料」

「実質信託報酬手数料」とは、売買にかかる全体の手数料を上乗せした、投資家が実際に負担する信託報酬手数料を表した数値です

投資信託を運用するには、各種税金や為替ヘッジなどさまざまな費用がかかります。投資信託の中身の売買手数料といった費用も負担しなければなりません。

このような隠れたコストは、名目信託報酬手数料に記載されていないのです。

つまり、投資家が支払う最終的な費用を確認する項目が「実質信託報酬手数料」です。

購入する投資信託の実質信託報酬手数料と名目信託報酬手数料を比較すると、数値に差が出る場合があります。

たとえば、国内の債券投資の場合、信託報酬以外にかかる手数料はほとんどありません。そのため、名目信託報酬手数料と実質信託報酬手数料の差は少ないです。

しかし、新興国の株式や債券などに投資をすると、為替手数料が発生するため実質信託報酬手数料は高くなります。

その結果、名目信託報酬手数料は低く設定されていますが、実質信託報酬手数料の数値は大きくなる場合があるのです。

このように、2つの信託報酬手数料の数字は異なる場合があります。したがって、金融商品を選ぶ際には「実質信託報酬手数料」を重要視しましょう。

また、実質信託報酬手数料は毎年異なります。比較する際は、過去数年分の実質信託報酬手数料を調べるように注意してください。

運用歴が短く、運用報告書が少ない場合は、投資信託を運用している会社のクセや傾向を読み取って投資信託を選ぶ必要があります。

実質信託報酬手数料はファンドの運用報告書でチェック

では、ファンドを選ぶ際に大切な「実質信託報酬手数料」を調べるには、何を参考にしたらいいのでしょうか。

これは、各投資信託の運用報告書をチェックすると確認ができます。

運用報告書とは、決算期末ごとに運用期間中の運用実績などが記載されたものです。従来の運用報告書は複雑で見づらいという理由から、2014年12月1日以降から下記の2つの報告書が配布されるようになりました。

  • 公布運用報告書:情報をわかりやすくまとめた簡易版
  • 運用報告書(全体版):プロが見るレベルの詳しい運用報告書

上記2つの報告書のうち、実質信託報酬手数料は「全体版」の運用報告書に記載されています。全体版を閲覧するには、それぞれ投資信託のホームページから確認するのがおすすめです。

ただ、実質信託報酬手数料手数料とは記載されていないので注意が必要です。記載の仕方はさまざまですが、多くの報告書で「1万口あたりの費用明細」という項目で解説されています。

お得な投資信託を選んで資産形成をはじめてみよう

今回は、お得な投資信託の見分け方について解説しました。

投資信託を選ぶ際には、ファンドの実質信託報酬手数料を確認することが大切。

投資信託によっては、名目信託報酬手数料と実質信託報酬手数料の数値が大きく異なるため、ひとつずつ調べて必ずチェックしましょう。

ただ、いくら調べても「本当にこの投資信託でいいのかな?」と考えがまとまらない場合もあります。

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