老後の住宅問題を解決!賃貸or持ち家のメリットと対策
高齢者が直面する住宅問題として「持ち家」か「賃貸住宅」かというテーマがあります。それぞれにメリットとデメリットがありますが、どちらを選ぶにしても将来を見据えた資産計画が重要です。
そこで本記事では老後の住宅問題にフォーカスを当て、質問内容にしたがって安定した生活を送るための解決策や準備について解説しています。老後の住まいについて考えるすべての方に役立つ情報のためぜひ参考にしてください。
質問内容
キーポイント
高齢者が抱える3つの住宅問題 (00:01:40)
賃貸派を選択する人も増えていますが、特に高齢者にとって賃貸での生活維持には多くの課題が伴います。
まず、高齢者が抱える住宅問題は大きく分けて3つのケースです。
- ケース1:住宅ローンが完済され問題なく生活できる持ち家
- ケース2:持ち家だが何らかの問題を抱えている
- ケース3:賃貸住宅に住んでいる高齢者
それぞれの課題を簡単に解説します。
ケース1:住宅ローンが完済され問題なく生活できる持ち家
すでに持ち家で住宅ローンを払い終えており年金収入で生活が成立する場合、特に住宅に関する問題はありません。
このタイプの高齢者は生活基盤が確立されており住み慣れた家で老後を安定的に過ごせます。老後の住まいの一般的な課題や問題に該当しにくい層です。
相続や自分自身の終活について考えを巡らせましょう。
ケース2:持ち家だが何らかの問題を抱えている
持ち家の場合でも、ローンが残っていて年金だけになると支払に苦労する場合やローンは支払済みだが年金生活だけでは生活費が払えないパターンなどです。
このケースでは、後述のリバースモーゲージやリースバックなどの制度が解決策として考えられます。
ケース3:賃貸住宅に住み続ける
高齢者の賃貸住宅入居は貸主側のリスク認識や保証問題のためにハードルが高く、孤独死や相続問題も絡んできます。賃貸で老後を迎える人が増えている中、この層には独自の対策が必要です。
このように賃貸と持ち家それぞれに適した対応方法を理解し、早めの準備が重要であることを理解しましょう。
持ち家は老後を見据えたものを購入する (00:03:30)
「ケース1」のように、老後生活に入る段階で持ち家の住宅ローンの支払いが終わっており、生活費も確保できている場合は特に問題はありません。
持ち家は固定資産として老後の安定に繋がりやすく、賃貸に比べて安心感が得られます。多くの方が持ち家を選択する理由も「安心したい」という想いがあるからでしょう。
そのためケース1の場合は、生活費や高齢者に合わせた住居の建て替え費用の確保を重視しましょう。
また、これから持ち家の購入を検討している方は、「老後生活」を意識して家づくりをすることが大切です。老後に必要以上に広い家を持つことは、光熱費やメンテナンス費用が増えるだけでなく老後生活の負担にも繋がります。
たとえば、子どもが独立後に2階部分を無くしても生活できる空間にしているか、足腰が悪くなったとしても生活しやすい導線になっているかなどです。
ライフステージは変化していくので、将来を見越した住宅を購入しましょう。
生活に何か問題があるならスケールダウンを実施する(00:6:26)
ローンの支払いや生活費に問題を抱えている持ち家の場合は「スケールダウン」を検討しましょう。
現在住んでいる持ち家を売却し、いまよりも小さな家やマンションへ引っ越しをおこなう方法です。単純ですが、家賃や生活費を抑えることができます。
通常、都心以外の地域では売却時に購入金額よりも売却金額が上回っていることはほとんどないでしょう。購入金額とほぼ同じ価格で売却できれば、そのお金を使って新たに家を購入できます。仮に残債が残ったとしても、家を売った金額で補填できるので問題ありません。
ただ、売却してもローンが残ったり、家の買い替え費用が確保できなかったりするような状況ではスケールダウンを実施できないことがあります。この場合、リバースモーゲージやリースバックといった方法が有効です。
リバースモーゲージの仕組み
リバースモーゲージは、住宅を担保にして資金を借り入れて、利用者の死後に住宅を売却して元本を返済する仕組みです。利用者が生きている期間は金利のみを支払います。
持ち家を残して生活資金を確保できる一方、相続人がいる場合には同意が必要です。死後に住宅を売却しても残債が残ることがあり、相続が発生してしまうためです。
リースバックの仕組み
住宅ローンの支払いは終わっているが、年金が少なくて生活が維持できない場合には家を売って生活費を一気に稼ぐ形になります。。ただ、売却すると住み慣れた家や地域から離れてしまうことになります。
そこで開発されているのが「リースバック」です。リースバック会社に持ち家を売却し、その会社が賃貸として購入した家を貸し出す仕組みになります。賃貸ですので、賃料(リース料)の支払いが発生します。
住宅を手放しながら住み慣れた環境を維持できるため、安定した住環境の確保が可能というメリットがあります。
ただし、賃料が変動する可能性があるため慎重に計画して利用しましょう。
賃貸における高齢者のリスクと現実 (00:18:10)
ケース3のように賃貸に住み続けることを考えている方は、リスクと現実をきちんと把握しておきましょう。
高齢者が賃貸住宅に住む場合、賃貸市場には「年齢による入居拒否」「賃料支払いへの懸念」「孤独死リスク」など、さまざまな課題があります。
貸主が高齢者の賃貸を避ける理由として、賃料の支払いが滞った際の対応が難しいことや万が一の孤独死のリスクが挙げられます。
日本の法律では賃借人の権利が強く保護されていますが、これにより貸主は問題のある賃借人を追い出すことが難しく、孤独死の場合の原状回復費用の負担も増えます。こうした点が高齢者の賃貸の難しさを生んでいます。
政府や自治体は賃貸の高齢者に対する孤独死リスクの対策として、福祉支援や見守りサービスの充実を図っていますが、まだまだ不足している状態です。高齢者向け賃貸物件の増加も必要でしょう。
家族や保証人がいない高齢者は、早い段階で社会支援や見守りサービスなどの準備をおこないましょう。
老後の住居問題は蓄財で対応するのがベスト(00:29:40)
高齢者が賃貸で生活を続ける場合、金融面での備えが必須です。将来的な住まいの選択肢を増やすために金融資産の蓄えを確保しておくことで家賃の支払いや生活費の確保が可能になります。
賃貸で老後を迎える場合、家賃の支払いが終身で続くため安定的な収入を確保することが重要です。若い世代から計画的に投資や貯蓄を行うことで、将来のリスクを軽減できます。
まとめ
賃貸と持ち家の選択にかかわらず老後に安定した生活を送るためには、ライフステージに応じた柔軟な住まいの準備と資金計画が不可欠です。
賃貸でも持ち家であってもそれぞれのリスクを理解して早めに対応策を講じることが将来の安心に繋がります。自分に合った住宅環境と資産計画を見直して必要な対策を進めましょう。
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高齢者になると賃貸が借りられないという問題があると聞きます。このまま賃貸でいいか不安です!何か解決方法はありますか?