米国債が注目される今、マネーセンスが債券投資に言及しない理由
近年、米国債券投資が注目を集めており、特に金利上昇の局面で「今が買い時」といった声が多く聞かれるようになっています。
しかし、マネーセンスカレッジでは、個人投資家が安易に債券投資に飛びつくことを推奨していません。
この動画ではこの状況であえてマネーセンスが債券投資に言及しない理由や、アセットアロケーションに基づく再現性のある長期投資について解説します。長期的に資産を増やし、安定した運用を目指す方にとって見逃せない内容です。
キーポイント
マネーセンスカレッジは債券だけの投資は非推奨(00:01:00)
マネーセンスカレッジでは、アセットアロケーションに基づいて考えた「全世界投資」という投資方法を推奨しています。
全世界投資のもととなる「アセットアロケーション運用」とは、資産を株式や債券、不動産など異なる投資先に分散し、リスクとリターンを最適化する方法です。投資をする上で、どの資産クラスにどの程度の割合を配分するかが重要になります。
株式は一般的にリスクが高いものの長期的なリターンが期待でき、一方で債券は価格変動が少なく、リスク軽減の役割を果たします。
株式は市場環境により大きく変動しますが、債券は相対的に安定しています。株式市場が下落した際には、債券の価値が相対的に保たれるため、ポートフォリオ全体のバランスを取る役割があります。
債券を組み込むことで、リスクを分散し、リターンの安定化を図れる点がアセットアロケーションの重要なポイントです。
つまり、債券だけ、株式だけの運用ではなく、複数の異なる資産に投資をすることが必要なので、債券のみの運用は推奨していません。
米国債券が注目される理由 (00:03:20)
2023年は、米国の政策金利が上昇したことで米国債の利回りが高くなっており、「今が買い時」と言われる場面も増えています。金利上昇で購入した債券の価格は、将来的に金利が下がると上がるため、一見すると短期的に利益を狙えるように見えるのです。
しかし、このような予測はプロでさえ難しく、個人投資家にとってはリスクが大きいのが現状です。マネーセンスカレッジでは、金利や為替のタイミングを計るような投資法は初心者には危険なので推奨していません。
米ドル建てでの米国債投資は、利回りだけでなく、為替リスクも大きな要因となるため、注意が必要です。
生債券投資が不要な2つの理由 (00:05:33)
マネーセンスカレッジは、個人投資家にとって「生債券(ファンドなどではない債券を購入すること)投資が不要である」としています。その理由は以下の2点です。
個人投資家には購入する必要がない
生債券の購入は、個人投資家にとってリスクが高く、管理が難しい点が挙げられます。債券価格は、経済の金利動向に大きく影響されるため、価格が下がるリスクも高まります。
さらに、債券の中には価格変動が大きい長期債もあり、安定した資産形成を目指す上でリスクが多いといえます。リスクや市場変動の影響を考慮すると、個人投資家にとって生債券を購入し、自己判断で管理するのは難易度が高く、必ずしも必要ではありません。
外貨建て金融商品を持つ必要がない
外貨建てで債券を持つことは、為替リスクが伴うため、日本円で生活する日本人投資家には注意が必要です。
たとえば、米ドルで米国債を保有した場合、為替変動により円に戻す際に損失が発生することがあります。円高になれば米ドルの価値が相対的に下がり、円で見た場合の利回りは低くなるか、最悪の場合マイナスになるリスクがあるのです。
円で生活をする日本人には、円建てでの安定した資産運用をおすすめします。
今始めようと思っている時点で遅い (00:17:00)
2023年時点で、米国債が注目され「今がチャンス」と感じるかもしれませんが、マネーセンスカレッジでは「今から始める債券投資は遅い」としています。
特に米国では、金利上昇局面は2021年後半から続いており、米ドル高の傾向が続いています。この状況で米ドル建ての債券を購入しても、為替や金利の動向によりリターンが減少する可能性が高いのです。
投資で最も重要なのは、タイミングを測って飛びつくことではなく、リスクを抑えた安定した資産運用を続けることです。マネーセンスカレッジが推奨する「全世界投資」は、市場の上下動に惑わされることなく、再現性のあるリターンを期待できます。
現在の債券ブームに焦って飛びつくのではなく、長期的な視点で運用を行うことが、個人投資家にとって重要です。
まとめ
米国債が注目を集める今、マネーセンスカレッジが生債券投資を推奨しない理由について解説しました。債券投資は、金利や為替の動向を予測しなければならず、個人投資家にとってリスクが高くなりやすいのが特徴です。
特に外貨建ての債券は為替リスクが伴うため、為替動向次第でリターンが大幅に変動する点に注意が必要です。
再現性と安定性を重視する資産運用を目指すなら、アセットアロケーションを活用した長期投資が有効。投機的な債券投資に飛びつくのではなく、株式と債券を組み合わせた分散投資で堅実な資産形成を進めることをおすすめします。
それでも生債券を購入する方は、金利や為替、市場動向に注意して運用をおこなってください。