日銀利上げ、住宅ローン変動金利どうなる?今後の対策を解説

日本銀行(以下、日銀と呼ぶ)が利上げを行うと、私たちが抱える住宅ローンにどのような影響があるのでしょうか。

特に変動金利の住宅ローンを選択している方にとっては、この影響が家計にどの程度及ぶのかが気になるところです。この動画では、日銀の利上げが住宅ローンの変動金利に与える影響、そして今後の金利動向を考慮した最適な住宅ローンの選び方について解説します。

住宅ローンは、多くの方にとって人生最大の借り入れです。そのため、金利の変動が毎月の支払いに大きな影響を及ぼします。日銀の政策金利の動向や、それが私たちの家計にどのように反映されるのかをしっかり理解しておくことは、長期的な家計管理のうえで非常に重要です。

キーポイント

日銀の利上げとは? (00:01:04)

まず、日銀が利上げを行うと何が起きるのかを簡単に説明します。

日銀の利上げとは、政策金利を引き上げることで銀行間取引における金利(短期プライムレートなど)が上昇することを意味します。

短期プライムレートとは?

「短期プライムレート」とは、金融機関が優良企業向けの短期貸出(1年未満の期間の貸出)に適用する最優遇金利のことを指します。

出典:日本銀行

これまで政策金利は非常に低い水準にありましたが、2024年3月の利上げで0.1%から0.25%へと引き上げられました。上昇幅は0.15%ですが、日銀が金利を引き上げたのは17年ぶりのことです。

これにより、短期プライムレートが上昇し、金融機関が企業や個人に貸し出す際の金利に影響を与えることになります。

短期プライムレートは、銀行が最も信用度の高い企業に貸し出す際の金利を指します。これが上昇すると、銀行が住宅ローンを含む各種ローンに適用する金利も上昇する可能性が高くなります。

住宅ローンの金利は、この短期プライムレートに連動しているため、短期プライムレートが上がると住宅ローンの変動金利も上昇する傾向にあります。

短期プライムレートの影響 (00:02:40)

短期プライムレートの上昇が、私たちが負担する住宅ローンにどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。

短期プライムレートが上昇すると、銀行が設定する住宅ローンの変動金利にも影響が出ます。特に大手銀行は、短期プライムレートの変動を受けて住宅ローン金利を調整します。2024年8月の発表で大手銀行は短期プライムレートを引き上げる意向を示しており、2024年9月から新しい短期プライムレートが適用される予定です。

ただし、この短期プライムレートの上昇がすぐに住宅ローン金利に反映されるわけではありません。

通常、短期プライムレートが上昇してから住宅ローンの変動金利に影響が出るまでには数ヶ月のタイムラグがあります。したがって、住宅ローンの変動金利が実際に上昇し始めるのは、年末から翌年初め頃と予想されています。

このように、短期プライムレートの動向は住宅ローンの変動金利に大きく影響します。金利が上がると、毎月の返済額が増えるため、家計に与えるインパクトも無視できません。

住宅ローンの金利変動 (00:04:49)

住宅ローンの変動金利は、短期プライムレートに基づいて設定されるため、短期プライムレートが上昇すると、住宅ローン金利も上昇します。現時点では、変動金利は比較的低い水準にありますが、今後の金利上昇を見据えて、どのように対応すべきかを考える必要があります。

たとえば、住宅ローンを1,000万円借りている場合、短期プライムレートが0.25%上昇すると毎月の返済額が約2,000円増加(=1,000万円×0.25%÷12)します。3,000万円を借りている場合は、毎月約6,000円の増加が予想されます。このように、金利上昇は家計に直接的な負担をもたらします。

ただし、変動金利には上限金利が設定されていることが多く、大幅な金利上昇が一度に反映されることはありません。それでも、長期的に見れば変動金利は上昇する傾向にあるため、今後の家計管理においては注意が必要です。

家計への影響と対策 (00:09:41)

金利上昇が家計に与える影響を理解した上で、どのように対策を講じるべきかを考えてみましょう。

まず、住宅ローンの変動金利が上昇すると毎月の返済額が増えるため、家計に与える影響は無視できません。先ほどの例のように1,000万円のローン残高に対して0.25%の金利上昇があれば、毎月の支払いは約2,000円増加します。

この負担が家計にどのような影響を与えるかをシミュレーションし、必要に応じて予算を見直すことが重要です。

また、家計の収支を見直し、支出を抑える工夫も必要です。特に、固定費の削減や、無駄な支出を減らすことで金利上昇による負担を軽減することが可能です。

さらに、金利上昇に備えて、変動金利から固定金利への切り替えを検討することも一つの選択肢です。

固定金利は金利が一定であるため、将来的な金利上昇のリスクを回避することができます。しかし、固定金利は初期の金利が高めに設定されているため、その分毎月の支払いが増える可能性もあります。

変動金利 vs 固定金利の選び方 (00:11:47)

住宅ローンを選ぶ際に悩むポイントの一つが、変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきかということです。

変動金利は、通常固定金利よりも低金利で始まりますが、将来的な金利上昇リスクがあります。一方、固定金利は、契約時の金利が全期間固定されるため、将来的な金利上昇を避けることができますが、初期の金利が高めです。

変動金利は、経済状況や政策金利に敏感に反応するため、短期的には有利に見えることがあります。しかし、将来的に金利が上昇するリスクを考慮すると、長期的な視点で判断することが重要です。一方、固定金利は金利が一定で安心感がありますが、支払い額が多くなるため、その分家計に余裕が必要です。

どちらを選ぶかは、個々の家計状況や将来の収入予測、リスク許容度によって異なります。

たとえば、将来の収入が不安定で金利上昇による影響を避けたい場合は、固定金利を選択することが賢明でしょう。逆に、短期間でローンを返済する予定がある場合や、金利リスクを許容できる場合は、変動金利を選ぶことも一つの方法です。

まとめ (00:19:15)

日銀の利上げによって、住宅ローンの変動金利が上昇する可能性が高まっていますが、すぐに家計に大きな影響を与えるわけではありません。金利上昇は徐々に進行するため、今後の動向を注視しながら適切な対応を取ることが重要です。

住宅ローンをすでに変動金利で組んでいる人は将来的に金利がさらに上昇することを考慮し、固定金利への切り替えや、家計の見直しを早めに行うことで、リスクを抑えることができます。また、住宅ローンを検討している方は、金利タイプを慎重に選び、自分の家計に最も適したプランを選ぶことが求められます。

最終的には、家計のバランスを保ちながら、長期的な視点で住宅ローンを管理することが大切です。金利動向を注視し、適切な対策を講じることで、安心して住宅ローンを返済していくことができます。

住宅ローンの金利の動向や変動金利・固定金利の考え方などさらに詳しく知りたい方はこちらの動画もぜひ参考にしてください。

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