政府公表の所得代替率3つのウソとは!?【年金財政検証2024】

2024年に発表された年金財政検証が多くの注目を集めています。年金制度の健全性を測るために、所得代替率という指標が用いられていますが、この指標には隠れた問題点が存在します。

今回の動画では、政府が公表している所得代替率に関する3つのウソを明らかにし、年金制度の将来についての正しい理解を提供します。

動画を参考にして、あなたの老後資金計画をより現実的で安心できるものにしましょう。

キーポイント

年金の財政検証とは (00:00:20)

年金の財政検証は、5年に一度行われる重要な調査であり、私たちの老後の生活を左右する公的年金の財政状態を評価します。

この検証では所得代替率という指標がよく使われますが、これは年金額が現役男子の平均手取り収入額に対してどれだけの割合を占めるかを示すものです。たとえば所得代替率が50%の場合、現役時代に得ていた収入の半分が年金として受け取れることを意味します。

厚生労働省 令和6(2024)年財政検証結果の概要

https://www.mhlw.go.jp/content/001270476.pdf

年金財政検証は政府が公表する報告書であり、公的年金制度の持続可能性を評価するために行われます。2024年の検証では、所得代替率が「61.2%」とされていますが、これには誤解が生じやすい点がいくつかあります。

3つのウソ①分母と分子で異なる基準(00:05:28)

所得代替率の最初の問題点は、計算時の分母と分子に異なる基準が使われている点です。

  • 分母:税引後の手取り収入
  • 分子:税引前の年金額

これにより、実際の受け取る金額と比較して、所得代替率が高く見えるようになっています。

具体的な例として、現役男子の平均手取り収入額が37万円であるのに対し、夫婦2人の年金額は22.6万円です。この22.6万円は税引き前の金額であり、実際の手取り額は17.4万円です。この手取り額をもとに所得代替率を再計算すると47%となり、政府の発表よりも10%以上低いことがわかります。

現役世代の半分以上の収入を得られていると錯覚してしまいますが、実際は所得代替率は大きく減少しているのです。

3つのウソ②ボーナスを含む計算のトリック(00:08:42)

次に、所得代替率の計算にはボーナスを含むことで数字を高く見せるトリックも使われています。

資料の現役男子の平均手取り収入(37万円)はボーナスを含むため、月々の収入としては実際よりも多く見積もられています。そのため、所得代替率が実態以上に高く計算され、実際の生活感覚とはズレた数値が示されてしまいます。

ボーナスを除いた場合の手取り収入額で再計算すると所得代替率は62.5%となり、政府の発表に近い数値になりますが、これはあくまで一時的なものであり、将来的には50%以下に低下する見込みです。

3つのウソ③時代遅れの「モデル世帯」(00:13:01)

最後に、所得代替率の問題点として政府が設定しているモデル世帯が現実に合っていないということがあります。

政府は昭和時代の専業主婦世帯をモデルにしていますが、現代では共働きや単身世帯が増えています。この古いモデルをもとにした所得代替率は、現代の実態を反映しておらず、特に単身世帯(おひとりさま世帯)の場合、所得代替率は43.9%にまで下がります。

さらに、このモデルを元にした計算は、実際の年金受給額を過大に見積もることになり、将来の生活設計に大きな誤解を生む可能性があります。

安心して老後を迎えるための5つの準備

所得代替率は、年金制度の健全性を示す重要な指標ですが、その計算方法には多くの問題が隠されています。実際の年金受給額は、政府が示す数字よりもはるかに低く、特に単身世帯では生活を維持するのが困難になる可能性があります。

したがって、年金制度に頼らず、自主的に資産形成を行うことが将来の安心につながります。マネーセンスカレッジでは、安心して老後を迎えるために以下の5つの準備が重要だと考えています。

  1. 資産形成を始める
    • NISAやiDeCoを利用するなど、自分に合った資産形成方法を見つけて今からコツコツと資産形成を始めましょう。
  2. 家計の見直し
    • 現在の収入と支出を見直し、無駄な出費を減らすことで、将来の資産形成に回せるお金を増やすことができます。
  3. 将来のライフプランを立てる
    • 自分の将来のライフプランを考えることで将来必要なお金がいくらなのかわかります。それに合わせた資産形成や年金の受け取り方を計画しましょう。
  4. 政治に参加する
    • 年金制度の改革を求める声を上げ、政治に参加することで、より良い年金制度を実現しましょう。
  5. 知識を増やす
    • 投資や年金に関する知識を増やし、賢い選択をすることで、将来の不安を減らしましょう。

まとめ

年金制度に対する過度な期待は禁物。投資や貯蓄を通じて、自分自身で老後の生活を支えるための5つの準備を始めることが重要です。

将来に対する不安を減らすために、計画的に資産を増やし、安心して老後を迎えられるようにしましょう。

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