【旧ジュニアNISA】2028年以降新NISA口座は自動的に開設されない

2026年の税制改正で、旧ジュニアNISAについてしれっと大きな変更が入りました。おそらく2027年末にはいろいろなところでアナウンスされると思いますし、このチャンネルでもその時期にもう一度お伝えすることになると思います。ただ、来年からこどもNISAが始まりますし、それに伴って手続きをされるケースも出てきますので、あえてこのタイミングでご案内しておきたいと思います。

特に注意していただきたいのは、ジュニアNISAをお持ちで、こどもNISAについては「うちの子は利用しないからいいかな」と思っておられる方です。そのまま放置してしまうと、後々困ることになりかねません。

新NISA口座は自動的に開設されない?(1:03)

結論から申し上げますと、2028年1月1日時点で18歳になる旧ジュニアNISAを利用されているお子様は、新NISA口座が自動的に開設されなくなります。それ以降の年に18歳を迎えるお子様も同様です。

現時点では自動的に開設される仕組みになっていますし、これまでもそういう制度として運用されてきました。それが変わるということです。

これはMUFGのサイトでもアナウンスされていて、2026年度税制改正に伴い、ジュニアNISA口座をお持ちの方は2028年1月1日以降に成年に達した場合でもNISA口座は自動的に開設されません、と明記されています。2026年3月31日に法律がすでに公布されていますので、これは確定情報になります。ただし、具体的な手続きについては後日お知らせしますという案内にとどまっている状況です。

旧ジュニアNISAのおさらい(2:56)

制度が始まったのは2016年です。2023年12月31日まで存続し、2024年からは新NISAが始まりました。それに伴って、お子様のNISA口座という制度はいったん廃止されることになりました。

それではさすがに具合が悪いということで、2027年1月1日からこどもNISAが発足する形になります。この間、3年間ほど空白期間があったわけですが、紆余曲折を経てお子様にもNISA口座ができることになりました。

ジュニアNISA自体は廃止されていますが、それまでに購入されていた分についてはそのまま継続して利用することができますので、今も継続されている方は多いのではないかと思います。対象者は未成年者です。2016年当時は20歳未満でしたが、その後の民法改正で成年となる年齢が18歳に変わりましたので、現時点では18歳未満という形になっています。

年間の投資上限は80万円まで、非課税期間は最長5年までで、原則として80万円×5年の400万円までが上限でした。投資対象は上場株式やETF、REIT、投資信託など幅広く選べました。ただし売却はできても一度売却した枠の再利用はできませんし、未使用枠の繰り越しもできません。金融機関の変更も原則不可という、非常に使いづらい制度でした。

しかも廃止が決まるまでは、18歳になるまで引き出すこともできませんでした。途中で引き出すと課税されてしまうという仕組みだったわけです。廃止が決まった後は、売却する場合も非課税で引き出せるという制度に変わりました。これはもう実質的に神改正だということで、当時このチャンネルでも皆さんにご案内し、0歳から始めてみると老後資金の心配がなくなるといった内容の動画も多くの方にご覧いただきました。

2024年から廃止されましたので、既存のジュニアNISAでは新規購入はできません。既存の商品は非課税で保有でき、5年経過後は継続管理勘定に移って18歳まで非課税で保有することが可能です。また18歳未満でも全額を非課税で払い出して口座を廃止することができます。一部だけ引き出したいという場合でも、全額を売却して口座を廃止しないと引き出せない仕組みです。すでに終了している制度ですので、そのような取り扱いになっています。

なお、5年経過すると新規の非課税枠としては使えなくなりますが、18歳になるまでの間は非課税で運用を続けられます。その運用できる場所が継続管理勘定という名前になっています。

成人NISAを自動開設する制度は2027年1月1日で終了(6:19)

ジュニアNISA自体がいつ廃止されるかは法令で決まっています。最後の非課税管理勘定、または継続管理勘定の非課税期間が終了する翌日、もしくは2026年1月1日のいずれか遅い日に、未成年者口座廃止届出書を提出したものとみなすという条文になっています。ですので、ちょうど18歳になるタイミングの場合は、12月31日までが非課税期間ですから、その翌日の1月1日に廃止という手続きになります。

そして今までの取り扱いを定めていたのが租税特別措置法37条の14です。その33項に旧ジュニアNISA保有者についての規定があり、居住者等が令和6年以後各年、しかもその年の1月1日に18歳である年に限るという条件付きで、その1月1日に未成年者口座を開設している場合には、非課税口座開設届出書を提出したものとみなし、特定非課税累積投資契約を締結したものとみなし、金融機関が税務署へ必要事項を提出したものとみなす、という仕組みになっていました。条文が難解なので分かりにくいのですが、要するに新NISA口座を自動的に解説しますという意味です。

これが今回改正されます。改正条項としては、先ほどの「令和6年以後各年」という部分を「令和6年から令和9年まで」に改めるという、非常に短い改正が提出され、そのまま通りました。令和9年は2027年、つまり来年です。2027年までということになりますので、2028年1月1日は含まれません。

ということは、2028年1月1日に18歳になる方で旧ジュニアNISAしかお持ちでない方は、新NISA口座が自動的に開設されないことになります。ここでようやく先ほどのMUFGの案内につながるわけです。

こうなると原則に戻ってしまいますので、継続管理勘定にある分はそのまま廃止という取り扱いになります。その場合、元々ジュニアNISAで持っていた商品は特定口座に払い出されます。ジュニアNISAに関しては特定口座も併せて作られていますので、普通の大人の特定口座に移管されておしまいです。特定口座ですから、そこから値上がりすれば税金がかかってしまいます。

もっとも、自動開設される場合でも結局特定口座に払い出されることに変わりはありません。ただ、新NISA口座が作られないとなると、お子様ご自身で新たに新NISA口座の開設手続きをして、それが終わってから移していくという作業が必要になります。つまり、新NISA口座を開設する手間が一つ増えたということです。

15歳の子どもの例(10:40)

少し分かりにくいので、例を挙げて解説していきます。たとえば2027年1月1日時点で15歳になる方がいらっしゃるとします。2023年までジュニアNISAで毎年投資していて、5年間投資し続けていたという想定です。

2023年から5年経過後ということで、2028年1月1日に継続管理勘定に入ります。このお子様は2027年1月1日に15歳ですから、2028年1月1日には16歳、2029年1月1日には17歳、2030年1月1日に18歳となられます。継続管理勘定の非課税期間終了日は、2030年1月1日に18歳になりますので、その前日である2029年12月31日までということになります。

なお、特定口座に移管される点については法令で決まっているものではありませんので、証券会社によっては一般口座預かりとなる場合もあります。詳しくはご利用の証券会社にお問い合わせいただきたいのですが、少なくとも推奨しているSBI証券に関しては、特定口座が開設されていれば成人の特定口座に移管されると規定されています。

このケースでは、2030年1月1日に特定口座へ払い出されて、そこで終了という形になります。これまでであれば、ここで新NISA口座が自動的に作られていたわけですが、今回の改正によって作られなくなるということです。

子どものためにこどもNISAを開設しましょう(12:29)

では、来年から新しく始まるこどもNISAの場合はどうなるのかというと、こちらは自動的に新NISA口座が開設されるという条文が明記されています。

こどもNISAは2027年1月から始まります。こどもNISAを所持している方が、1月1日時点で18歳になる年に新NISA口座が開設されます。こどもNISAで投資されているものは特定口座には入らず、そのまま大人のつみたて投資枠として継続的に投資ができる仕組みになっています。

次に気になるのは、ジュニアNISAを持っていたお子様がこどもNISAも持てるのかという点ですが、こちらは持てます。別制度ですので、大人のNISAと同じ考え方になります。ですから、ジュニアNISAをお持ちのお子様は、こどもNISAを作ってそちらに資金を移したほうが後々楽になります。お子様のうちに非課税投資枠に入れられて、しかも簿価で総枠として管理されますので、ジュニアNISAで投資されている方は漏れなくこどもNISAを作成してあげてください。しかも、なるべく早くです。来年の1月1日から動けるようにしておきたいところです。

こどもNISAについては、1月1日時点で18歳である年に新NISA口座が自動的に開設され、運用分はそのまま継続でき、しかも子どもの時代に買った簿価に基づいてずっと保持することができます。経済的合理性から考えれば株式投資や資産運用は今が一番安い時ということになりますので、できるだけ早く購入して長期的に投資するのが有利です。そうすると、お子様の資産はジュニアNISAからこどもNISAへ早めに移管してあげたほうがよいという結論になります。

ただし、これはあくまで原則論です。たとえばすでに17歳という方の場合は、ジュニアNISAをギリギリまで使うという選択もあり得ます。400万円がスタートですから、下手をすると1000万円近くになっている方もいらっしゃいます。実際、会員さんの中にもそうした方がおられます。大人のNISAは年間360万円までしか入れられませんし、ジュニアNISAは一度引き出そうとすると全額引き出さなければいけませんので、そのあたりはケースバイケースで考えていただければと思います。

また、ジュニアNISAは買える商品の幅が広かったので、個別株式などを保有しておきたいという場合は、そのままジュニアNISAで持ち続けるという判断もあります。推奨しているアセットアロケーション運用をされている方については、早めにこどもNISAへ入れられたほうがよいと思います。

なお、未成年者であってアルバイト等をしていないことが前提になりますが、基礎控除等が使えますので、その年に適切な金額で売買を繰り返していただく、いわゆる利益出しをすることで基礎控除内に収めれば、基本的に非課税で運用を続けることができます。少し手間はかかりますが、これも併せて使っていただくとスムーズに移行できるのではないかと思います。

まとめ(16:12)

旧ジュニアNISAをお持ちの方の中には、運用資金がないからこどもNISAはいいかなと思っておられる方もいらっしゃると思います。しかし、ジュニアNISAのまま運用していてこどもNISAを開設していないお子様については、再来年の2028年以降、新NISA口座が自動的に開設されません。

一方で、来年から開始されるこどもNISAはそのまま大人の新NISA口座に移行されます。NISAは簿価計算方式ですので、買った時の値段で判断され、子どもであれば600万円まで、大人になれば1800万円まで投資を継続することができます。ですから、できるだけ早い時期に保有して長期保有しておくことが非常に有利になりますし、金額がかなり大きくなったとしても全部非課税で運用することができます。

追加の資金がないという方も、こどもNISAを開設していただいて、できることならば長期保有を念頭に置いたアセットアロケーション運用などにしていただき、こどもNISAへできるだけ早く移管してあげてください。そうすることでお子様にとってもかなり大きな税制優遇を受けることができますので、そこも考えたうえで、親御さんのほうで手続きを進めていただければと思います。

またこちらの動画「【親のNISA活用法】たった80万円で子供の老後資金を作る方法」では、NISAを活用し、子どもや孫の老後資金を準備する方法を解説していますのでぜひご覧ください。

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