NISAはじまる前から23年間運用した結果【運用結果公開2026】
毎年恒例となっている運用結果公開ですが、今回は全世界投資で運用した場合にどのような成績になったのかを、さまざまな指標と比較しながら振り返っていきます。
あわせて、体験会などでよく寄せられる質問にもこの場でお答えしていきます。
2026年版運用結果(0:53)

グラフの見方から確認していきます。青い折れ線グラフは全世界投資で運用した場合の成績を示しており、2003年1月1日時点を100として、そこからどのように推移してきたかを表しています。つまり元本は100という計算になります。直近のデータは2026年6月末時点のもので、数値は630まで伸びています。
なだらかな曲線で描かれている緑のグラフは、期待利回りとして掲げている7%を参考として示したものです。直近は短期間で大きく上昇しているため、その部分がやや目立って見えますが、リーマンショック後の上昇局面と比べるとまだそこまでの水準ではありません。一番右側にある緑色の線は480程度で、2007年頃のかなり超過収益が出ていたタイミングと比較すると、当時は緑の線が150程度に対して200まで伸びており50ほどのプラスでした。
ただし、それは4年ほどかけて出た数字であり、今回は1年強でここまで来ているという違いがあります。そう考えると、リーマンショック後の伸びにはまだ及ばないものの、おおむね順調に運用できていると感じています。
赤い線はドル円レートを参考として重ねたものです。円の影響は当然受けますし円だけが要因ではありませんが、海外資産をある程度の比率で組み込んでいる以上、円安であれば海外資産にプラスの影響が出るため、参考値として見ておく意味があります。
利回り換算で見る(2:52)
利回りに換算すると、全期間のリターンは8.17%となっています。
全期間は23年半ほどにわたり、騰落率は529.63%、先ほどお伝えした630という数字とおおむね符合します。シャープレシオは0.72で、バランス型ファンドと比較する分には目安になりますが、単一アセットのファンドと比べる指標としてはあまり適していません。総じて8%台のリターンが出ており、マイナスに沈むよりはよほど良い結果だと捉えています。
ここ数年についてはやや標準偏差が高まっている印象もありますが、これはリスクを意図的に引き上げているというよりも、世界全体の経済環境自体のリスクが高まっていることの表れだと見ています。実測値をそのまま使っており、計算上の調整は加えていません。リターンについても幾何平均利回りで算出しています。
リバランスについては年に1回組み込まれており、その都度アセットバランスを変更した実績もそのまま反映しているため、実際の運用と全く同じ結果になっています。全世界投資は2003年からサービスを開始していますが、当時は会員制ではなく、毎月対面セミナーを行っており、そこで聞いていただいた方々のバランスがベースになっています。また、これらの数値はすべて税引前のものです。それぞれ運用しているインデックスファンドの実態に基づいて算出されています。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)と比較(5:51)
体験会でもよく聞かれる質問として、アセットバランスこそが全世界投資の要になっているという理解がある一方で、市販のバランス型ファンドと比較した場合のパフォーマンスはどうなのか、という声があります。そこで最も知名度の高いeMAXIS Slimバランスの8資産均等型を比較対象として取り上げてみました。多くの資産に分散投資している点で比較対象として適していると考えたためです。
設定日は2017年5月9日で、運用期間としてはやや短めですが、参考として数値を見ていきます。騰落率で比較すると、こちらのアセットバランスの方が若干上回っており、5年間で80%に対しeMAXIS Slimは62.63%となっています。年率換算でもほぼ同水準か、こちらがやや有利という結果でした。一方で標準偏差についてはeMAXIS Slimの8資産均等型の方が低く出ています。
全世界投資自体はこの日付で設定していないため、同じ2017年5月からの期間に近い条件で比較できるデータをあわせて用意しました。この期間で見ると騰落率は147.94%、年率換算のリターンは10.41%となっています。標準偏差はeMAXIS Slimより1%ほど高くなっており、リターンが1.5%ほど上乗せされる代わりに、リスクも1%ほど上乗せされている形です。シャープレシオはおよそ1で、この期間としては非常に良い結果だったと言えます。シャープレシオが1というのはなかなか出ない数字ですので、できすぎと言ってもよいくらいです。全体として見ると、8資産均等型と比べてこちらのアセットバランスの方に優位性があったと考えています。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)手数料の比較(7:53)
手数料についても比較してほしいという声をよくいただきます。別途サービス利用料がかかる点は除いて、純粋にバランス構成として比較すると、eMAXIS Slimの実質信託報酬は0.184%、経費率は0.17%となっており、ほぼ同水準です。こちらの実質的な信託報酬は0.127%程度に抑えられており、低めの水準になっていると感じています。
これはあくまで購入する商品側の数値であり手を加えることはできませんが、そこに会員制サービス利用料が加わる形になります。100万円程度の投資額では利用料分の元を取るのは難しいかもしれませんが、1000万円ほどの投資額であれば0.2%程度の負担で済むため、運用利回りとの兼ね合いで見れば十分に見合うのではないかと考えています。この判断は各自に委ねたいところです。
情報提供だけであればもっと安く提供することもできますが、それだけではお金の使い方が身につかなかったり、資産設計が後回しになって結局貯め込めなかったりすることが起きがちです。投資はできるだけ手間をかけずに進められる形が望ましいと考えているため、バランス型ファンドを自身で組み合わせる方法も否定はしませんが、リスクを抑えながらある程度のリターンも見込みたいという方には、8資産均等型やGPIFの構成に近い4資産均等型のような商品を活用する方法もあります。
ただしその分リターンは下がる傾向にあります。リスクを抑えつつリターンも確保していくという点は、アセットアロケーションの醍醐味でもあります。
なお、今回比較したバランス型ファンドは運用期間が10年に満たないため、あくまで参考程度と捉えていただきたいところです。ここ10年ほどは市場環境として非常に良い時期が続いており、長期投資本来の評価をするにはリーマンショックのようなクライシスの局面も含めて比較する必要があると考えています。
オルカンと比較(10:20)
視聴されている方の中にはオルカンを保有している方も多いと思いますので、参考までにこちらとも比較してみました。単一アセットとの比較になるため本来は同列に語れるものではありませんが、あくまで参考としてご覧ください。
設定日は2018年10月31日で、8年ほどのパフォーマンスが出ています。株式のみに投資する商品であるため、当然リターン水準は高く出ますし、この期間はほぼ一本調子で株式相場が上昇してきたこともあり、標準偏差もかなり低く抑えられています。
この8年から10年ほどの実績を見て、この先もこの調子が続くと考えてしまうと、株式投資は簡単なものだと錯覚しかねません。シャープレシオは1.16という数字になっていますが、こちらのアセットバランスでも5年間で見れば1.15前後の数字が出ており、決して見劣りするものではありません。リーマンショックを含めた設定来の数値で見ても0.94ですので、比較しても遜色ない水準だと考えています。
費用面では信託報酬が0.085%、経費率も0.07%と非常に低く抑えられており、これは素晴らしい点だと感じています。株式のみで運用したいという方にとっては比較対象になり得ますが、リーマンショックの局面ではこうした株式型の商品はおよそ60%下落しており、その点はこのチャンネルでも繰り返しお伝えしてきた通りです。当然そうしたリスクを内包した商品であるということは踏まえておく必要があります。
一方でアセットアロケーションで運用していた当時は下落幅がおよそ38%にとどまっており、今であればさらに抑えられるのではないかとも考えています。リーマンショック当時はまだ30代前半で、運用の伝え方や分析の精度も今ほど高くありませんでした。今後さらに改善できる余地はあると感じていますが、将来がどうなるかは誰にも分からないため、あくまで参考程度として受け止めていただければと思います。
まとめ(12:32)
サービス提供を始めてから23年、24年ほどが経ちますが、特にリーマンショック後の数年間は非常に厳しい状況が続きました。当時は同じように情報提供や投資顧問を行っていた会社の多くが姿を消したり、サービスを終了したりする中で、収益を上げながら情報提供を続け、現在に至っています。その評価については見ていただいている方々の判断に委ねたいところです。
運用結果は毎年報告している通り、今回も至って通常の範囲に収まる結果となりました。強いて言えばここ数年でリスクがやや上がっている点が気になるという声もあるかもしれません。ただしこれは意図的にリスクを引き上げているわけではなく、世界全体の経済環境そのもののリスクが高まっていることの表れだと捉えています。投資を続ける以上はある程度のリスクを引き受ける形にはなりますが、それをできるだけ低く抑えていくことが重要だと考えており、アセットバランスについては今後も継続して見直しを行っていくつもりです。
またこちらの動画「【日経平均7万円】もし今リーマンが来たら資産半分以下…大暴落を追体験」では、リーマンショック級の暴落が起きた場合の資産下落を追体験できますのでぜひご覧ください。





