NISA始まる前から22年間運用した結果【運用結果公開2025】

最近YouTubeでは「NISAで5年間運用してみました」といった動画をよく見かけます。そこで今回は、NISA制度が始まる前から22年間という長期にわたって投資を続けてきた実際の運用結果を公開します。

マネーセンスカレッジでは毎年運用結果を発表しており、22年前から一貫して「全世界投資」という投資手法を実践してきました。この長期間の実績データは、投資教育を行ってきた立場だからこそ提供できる情報といえるでしょう。

2025年版の運用結果(1:01)

2025年版の運用結果を詳しく見てみましょう。グラフは月ベースで作成されており、当時推奨していたアセットバランスで実際に運用した結果を示しています。このデータには信託報酬手数料なども含まれた実績値です。

2025年6月現在、指数化した数値は463.54となりました。これは2003年1月1日を起点とした22年間の成果です。

グラフには複数の曲線が描かれています。緑色の線は年利7%で運用した場合の理論値を示しており、実際の運用結果とほぼ重なっています。これは期待していた7%の利回りがほぼ達成されたことを意味します。

投資における「リスク」とは価格変動の幅を指します。価格変動商品に投資する以上、値上がりと値下がりを繰り返すのは当然です。この変動幅が小さければリスクが小さく、大きければリスクが大きいということになります。

注目すべきは、リスクが大きくなるほど期待利回りから乖離してしまう現象です。これは「ボラティリティポイズン」や「ボラティリティドラッグ」と呼ばれます。例えば、10%上昇した後に10%下落すると、元の100には戻らず99になってしまいます。このように同じ変動幅でも徐々に下がってしまう特性があります。

グラフの各曲線は確率を表しています。黄色い線が50%曲線(中央値)で、この値以上になる確率が50%です。90%曲線は運悪く10%の確率を引いてしまった場合の最低ラインを示し、70%曲線、30%曲線、10%曲線もそれぞれの確率に対応しています。

実際の運用結果を見ると、22年間の年平均利回りは7.05%となりました。これは複利で計算した年換算の数値です。目標としていた7%を上回る結果となっています。

リスク(年率換算の標準偏差)は11.13%でした。一般的な株式投資のリスクが20%近くであることを考えると、約半分程度に抑えられています。

この結果は年1回のリバランスを含めたアセットアロケーション投資の成果です。税引前の価格での計算となっているのは、当時はNISA制度もiDeCoも企業型確定拠出年金も存在せず、特定口座すらなかった時代だったためです。

運用結果に対しての自己評価(10:02)

この22年間の運用結果について、個人的には満足しています個人投資家がリスクを抑えながら資産運用を行う場合、将来使用する予定のお金として運用するには十分な結果だと考えています。

もちろん、もう少しリスクを抑えたいという気持ちもありますが、リスクを抑えすぎると今度はリターンが小さくなってしまいます。また、世界経済の動きと手元の資産が乖離してしまうと、社会経済的なリスクを負うことになります。世界に合わせて運用することで、このような結果が得られると考えています。

この結果はあくまで過去の実績であり、未来を約束するものではありません。投資方法は人それぞれ異なりますし、それを否定するつもりもありません。ただし、投資家の最も重要な仕事はリスクを抑えることであり、リターンは後からついてくるものだと考えています。

開始時期による成績のばらつき(11:35)

投資を始めた時期によって、運用成績は変わることを理解しておく必要があります。NISA制度開始時から始めた方、iDeCo制度開始時から始めた方、リーマンショック後から始めた方、逆にリーマンショック直前から始めてしまった方など、それぞれ異なる結果となっているはずです。

この22年間で年平均7.05%という結果は、あくまで2003年1月から2025年6月までの特定期間における実績です。最近投資を始めた方は7%に達していない可能性もありますし、逆にそれ以上の成果を上げている方もいるでしょう。

重要なのは、投資は毎年7%の配当が確実にもらえるわけではないということです。長期間の平均として、このような結果が期待できるという理解が必要です。

リバランスなど定期的なメンテナンス(12:34)

この運用結果は、毎月のモニタリングと年1回の定期的なリバランスによって初めて達成できたものです。完全に放ったらかしで得られる結果ではありません。

とはいえ、必要な作業時間は月1回30分程度、年間でも数時間程度です計算が複雑な場合は多少時間がかかることもありますが、専用ツールや会員制サービスを利用することで負担を軽減することも可能です。

投資には多少の手間はかかりますが、その労力に見合う成果は十分に期待できると考えています。

まとめ(13:30)

全世界投資は月2,000円の積み立て投資から始めることができます。ただし、投資を始める前に家計を整え、10年以上先に使用予定のお金を投資に回すことが重要です。

家計管理から資産設計、そして運用方法まで、それほど複雑ではない手法でこのような結果を得ることができます。爆発的な増加は期待できませんが、少ない金額で着実に将来の資産を築いていくことが可能です。

22年間という長期にわたる実績データは、投資教育を継続してきたからこそ提供できる貴重な情報です。これから資産形成や資産運用を始める方々の参考になれば幸いです。

投資は必ずしも利益を保証するものではありませんが、適切な方法で長期間継続することで、このような成果を期待することができるのです。

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