過去の危機から学ぶ!S&P500暴落のパターンと資産防衛の鉄則

トランプ関税ショックによりS&P500の下落が止まりません。このまま下落し続けるのか心配に感じている方も少なくないでしょう。

本記事では、S&P500の過去50年の暴落データを基に、投資家として知っておくべき下落相場の傾向や、インフレ型と金融危機型の違い、それにどう対応すべきかを分かりやすく解説します。

長期投資や資産分散と地域分散、ファイナンシャルプランの重要性も紹介し、初心者の方でも実践できるリスク管理の考え方をお届けします。

キーポイント

主な暴落局面と下落率(00:01:46)

S&P500の過去50年の暴落データは以下の通りです。

ショック名期間ドル建て下落率円建て下落率為替の影響
第1次オイルショック1973年初〜1974年10月-48.20%-52.90%円高(308→280)
第2次オイルショック1980年2月〜1980年3月-30.10%-32.00%軽い円高(226→220)
ブラックマンデー1987年8月〜1987年10月-33.20%-35.50%円高(146→141)
ITバブル崩壊2000年3月〜2000年10月-49.20%-39.50%円安(105→125)
リーマンショック2007年10月〜2009年3月-56.80%-63.20%円高(115→98)
コロナショック2020年2月〜2020年3月-33.90%-27.30%円安(110→112)
インフレ・金利ショック2022年1月〜2022年10月-25.40%-10.20%大幅円安(115→147)

過去50年の代表的な暴落パターン(00:05:23)

 S&P500の過去50年にわたる暴落のパターンを見れば、 過去のデータから、約7~10年ごとに40%程度の下落が起きていることが明らかになっています。

暴落には大きく分けて「インフレ型」と「金融危機型」があり、それぞれへの対策は異なります。

  • インフレ型:物価の上昇による実質購買力の低下
  • 金融危機型:信用不安に伴う資金の流動性消失や信用崩壊


1980年の第2次オイルショックでは、短期間で急激なインフレが発生。しかし回復にはさほど時間がかかりませんでした。

一方、リーマンショックやブラックマンデーでは金融システムそのものが崩壊寸前まで追い込まれ、長期間にわたる景気後退に突入しました。

投資家は、大幅下落の要因が「インフレ」なのか「金融危機」なのかを見極める必要があります。

リスクを抑えることが何よりも大事(00:09:28)

資産形成の手段として投資を選択したからには、積立投資(例:ドルコスト平均法)を継続するのが大前提になります。 暴落があっても、積立投資は長期的に見れば資産を増やす力がある戦略です。

ただし今回のように大幅な下落局面に直面した場合は、先で持ち直すまでの間にリスクを抑える対策を取る必要があるでしょう。

リスクを抑えるために資産分散と時間分散がある(00:12:50)

リスクを抑える方法には、資産分散と時間分散があります。

資産分散の代表例に地域分散があり、日本も含め、海外の国や地域に分けて投資するようにします。

また積立投資をすれば、結果として時間分散になります。一括投資よりも、時間をかけて回数を分けた投資の方がリスクを回避が可能です。

大幅な下落局面は必ずやって来ます。しかし、その時期を越えれば経験則から資産が増えることもわかっているので、そこまでどう乗り切るかを現実に即して考える必要があるでしょう。その具体的な方法が、資産分散と時間分散です。

さらに、投資はあくまで資産を増やすための方法論にすぎないため、使う時期や金額に合わせてポートフォリオを調整するファイナンシャルプランがもっとも大切であることを認識しておかなければなりません。

まとめ

株式市場の下落は避けられないものであり、歴史的にも繰り返されてきました。だからこそ、投資家としては「いつか来る暴落」に備え、冷静に対応できるよう準備しておくことが大切です。

この記事では、S&P500の過去データをもとに暴落の傾向を整理し、インフレ型・金融危機型の違いを見極める必要性を解説しました。そして、積立投資による長期戦略の効果や、資産分散と時間分散、ファイナンシャルプラン策定の重要性についてもお伝えしました。

最終的に、投資とは「自分の人生を豊かにするための手段」であり、手段を使いこなすためには知識と計画が必要不可欠です。今回の記事を参考に、ぜひあなた自身の投資戦略と人生設計を見直してみてください。

関連動画「《S&P500・オルカンは資産分散とは言えない》最終的に資産分散が最強になる理由【きになるマネーセンス559】」では、資産分散の重要性についてわかりやすく解説しています。

また「《一括投資 vs 積立投資どっち?》最終的に時間分散が最強になる理由【きになるマネーセンス566】」では、積立投資と時間分散の優位性についても詳しく紹介しています。

今後、暴落リスクを最小限に抑え、確実に資産形成をしていきたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。