退職金を守るためやるべきこと!83.8%が知らない現実【2024年版】

多くの人が、老後の資金として重要な退職金の金額を把握していない現実をご存知でしょうか?

データは少し古いですが、2019年のフィデリティ退職・投資教育研究所の調査によると、日本では約83.8%の人が退職金を受け取るまでその金額を知らないと言われています。退職金は大きな資産であり、適切に管理しないと金融詐欺のターゲットになりかねません。

この記事では2024年の新制度に伴うリスクを含め、退職金を守るために今すぐできることを解説していきます。退職金を狙った金融詐欺や投資の勧誘を防ぎ、老後の資産をしっかり守りたい方に役立つ内容をお伝えします。

キーポイント

2024年新NISAと高齢者の投資勧誘リスク(00:00:44)

2024年から始まる新NISA制度は非課税投資枠が拡大することから、多くの投資家だけでなく投資経験のない一般の人からも注目されています。

しかし、注目を集めるのと同時に高齢者を対象とした投資勧誘のリスクも増大します。高齢者が受け取る退職金をターゲットに、リスクの高い金融商品や詐欺的な勧誘が増える可能性が高いです。

自分にとって必要な商品を納得したうえで購入するのは問題ありませんが、リスクを理解しないまま金融機関の勧誘に乗ってしまうと、大きな損失を被る可能性があります。

特に老後の支えになる退職金を使った投資は慎重に行うべきです。安易にリスクの高い商品に手を出す前に、NISAや金融商品の仕組みをしっかり理解しましょう。

退職金を知らない高齢者の実態(00:01:02)

出典:フィデリティ退職・投資教育研究所の「退職金の金額を把握した時期」の調査

驚くことに、フィデリティ退職・投資教育研究所による「退職金の金額を把握した時期」の調査によると、31.6%の高齢者が受け取るまで退職金を知らなかったそうです。

退職金を覚えていないという19.9%の人も含めると、合計83.8%もの高齢者が退職金を受け取る1年前までその金額を知らないという結果が出ています。

さらに「退職金の把握方法」についての調査もあり、68.9%が会社からの通知で知ったとのことです。

高齢者の金融リテラシー調査(2019年2月) フィデリティ退職・投資教育研究所
出典:フィデリティ退職・投資教育研究所の「退職金の把握方法」についての調査

多くの人は、会社が教えてくれない限り自分の退職金の額を知らないため、老後の資金計画を立てることができていません。退職金の平均は今の現状で約1,500万円と言われていますが、これは老後2000万問題をほぼクリアできるほどの大きな金額です。

正確な金額を知らないままでは人生設計を考えることができません。
ただやみくもに不安だけが残る状況では、詐欺や無理な投資勧誘に巻き込まれるリスクが非常に高いです。自分の退職金の金額を知り、それに基づいて具体的な運用計画を立てることが重要です。

自分で退職金の情報を調べる必要性(00:05:11)

退職金を守るためには、まず自分でその金額を正確に把握することが大切です。

退職金の仕組みや金額は、会社の就業規則や賃金規定に明記されていますが、多くの人がこれを確認していません。規定は自由に閲覧する権利があり、計算が分からない場合は人事や総務に相談することが必要です。

自分の退職金をしっかりと理解したうえで、年金はいくらもらえるのか?何歳まで働くのか?いくら積み立てるのか?いくら運用するべきなのか?という具体的なファイナンシャルプランニングを逆算しましょう。

詐欺に遭わないための金融リテラシーの向上(00:16:12)

金融詐欺に遭わないためには、金融リテラシーを高めることが必要不可欠です。

「金融詐欺被害の実情」の調査によると、金融詐欺被害にあった人は4.6%で、知人が金融詐欺にあったと聞いた人は10.6%、今後被害にあうかもしれないと懸念する人は12.2%にも達するという結果があります。


出典:フィデリティ退職・投資教育研究所の「金融詐欺被害の実情」の調査

金融資産の多い人が投資詐欺の被害にあうと思う方もいますが、調査によると保有資産と具体的な相関性は見られません。

影響してくるのは、金融リテラシーです。

「金融知識レベル(自己評価)別 金融リテラシークイズ得点」の得点をクロス評価すると、13.7%が自信過剰、17.7%が過小評価という結果となりました。

このようなチェックテストを通して、自分の知識を確認し、不足している部分を補強しましょう。

詐欺を防ぐためには金融知識を過信せず、謙虚な姿勢で常に最新の情報を収集することが大切です。

まとめ

退職金は老後の安定した生活を築くための大切な資金です。まずは退職金の金額をしっかりと把握し、計画的に運用することが必要です。

そして、金融リテラシーを高め、詐欺的な投資勧誘や高リスクの金融商品には注意しましょう。
自分のお金を守るためには、積極的な情報収集と慎重な判断が欠かせません。

さらに、2024年から始まる新NISA制度にも注目し、賢い運用を心がけましょう。自分の老後資金を守り、安心した生活を送るために、今すぐ退職金について調べ、適切な対策を取りましょう。

以下の動画では、特に老後資金が心配になる50代からの老後資金の準備に焦点を当てて解説しています。よくある失敗や投資の基本、年齢別の具体的な資金準備方法を詳しく解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください。