【格差社会の原因】一億総中流は終わり!拡大する日本の格差

一億総中流と言われた時代もありましたが、近年は所得格差が広がっていると言われています。

今回は、本当に格差はあるのか、その原因、解決方法をデータを見ながら解説します。今の日本はどうなっているのか、今後どうなって行くのかをみなさんにも知っていただきたいと思います。

キーポイント

日本の所得格差の現状(00:01:52)

まずは日本の所得格差が拡大していることを示す統計データを見てみましょう。世界不平等研究所(WORLD INEQUALITY DATEBASE)が発表しているグラフで、高所得者の上位10%の所得が全所得の何%を占めているかを国際比較したものです。

世界不平等研究所は「21世紀の資本」という本を書いて有名になったトマ・ピケティ氏が主催している研究所です。

最新データ(2022年)によると、日本は上位10%の富裕層が全所得の44%を占めるのに対し、下位50%の所得は16%にすぎません。この格差は近年さらに広がる傾向にあり、先進国の中でも突出して高い水準となっています。

格差拡大の原因(00:07:27)

この格差拡大の背景には、富裕層の所得源が株式譲渡益など分離課税の対象に偏っていることが大きく影響しています。

株式譲渡益などの分離課税となる所得については、累進課税が適用されず、一定の低い税率で済むため、富裕層の実質的な負担が抑えられているのです。

さらに、譲渡所得には社会保険料がかからないため、富裕層の社会保障費用の負担率が極めて少ないことも大きな問題なのです。

給与所得者や事業所得者は、所得に応じて社会保険料を負担しなければなりません。特に低所得層にとっては、この負担が重くのしかかっています。このように、所得の性質によって負担に大きな格差が生じているのが実態です。

政府の対策と課題(00:12:50)

政府は格差是正に向けた対策を検討してきました。2023年には30億円以上の超富裕層に対する増税案が提示されましたが、この案では、対象者が全国で200~300人程度と極めて限定的であり、効果は不十分です。

仮に1億円以上の所得がある人の負担率を27%程度にすれば12兆円の増収になるという試算があります。これは消費税6%分に相当します。国家予算が60兆円、100兆円と言うレベルですので12兆円というのはかなりのパワーがあることがわかると思います。

政府の対応が遅れている間にも、格差はさらに拡大を続けています。若年層を中心とした現役世代の負担が一層重くなり、将来的な内需低迷にもつながりかねません。抜本的な改革が急務となっている理由がここにあります。

今後の日本はどうしたら良いのか(00:31:51)

格差是正に向けた抜本改革として、超高所得者の社会保険料負担を増やすことが不可欠だと考えています。現在、富裕層の所得源となっている株式譲渡益などの分離課税対象所得には、社会保険料がかかっていません。

この不均衡を是正し、富裕層にも所得に対して一定の社会保険料負担を求めることで、現役世代の負担を軽減できます。

また、超高所得者に対して増税し、その税収を社会保険料に充当するということも考えられます。そうすることで消費税として徴収するよりも、若年層、現役世代の負担率を少し下げることができるでしょう。

現役世代の所得が上がらなければ日本国内で使われるお金が増えず、日本が好景気に向かうことができません。

まとめ(00:39:12)

日本の所得格差は深刻な水準に達しており、早急な是正が求められています。格差拡大の主因は、富裕層の所得源が分離課税対象に偏り、社会保険料の負担が少ないことにあります。

経済格差の是正なくして日本の持続的な発展はあり得ませんが、それは私たち全員が力を合わせなければ実現できません。あなたの小さな行動でも、大きな変革につながる可能性があります。

政府の対策が不十分であることに対して文句を言うだけではなく、国民一人ひとりがこの問題に興味を持って、その本質を理解し、声を上げていきましょう!