【みんなこれで挫折】NISA初心者がハマる失敗パターン
NISAでオルカンやS&P500といった人気のファンドを購入している方は多いと思いますが、それでも投資がうまくいかず失敗してしまうケースがあります。
今回は、NISA初心者が陥りやすい失敗のパターンを5つ取り上げて解説していきます。
理由①途中で売却してしまう(0:45)
最初に挙げられるのは、途中で売却してしまうという失敗です。投資を始めると、自分から情報を集めなくても関連情報が自然と入ってくるようになります。いわゆるカクテルパーティー効果と呼ばれるもので、気になる情報がふと目に留まりやすくなるのです。SNSやYouTubeを見ていても、閲覧履歴をもとにしたおすすめが次々と表示されるため、同じような情報に繰り返し触れることになります。
そうした中で商品の特徴や特性をきちんと理解しないまま投資を続けてしまうと、これといった理由もなく相場が下落したり、円高が進んだりしただけで不安になり、売却してしまう方が一定数いらっしゃいます。投資戦略を持たずに始めてしまったことに加えて、何のために購入したのかという目的自体を忘れてしまうことも、途中売却につながる原因だと考えられます。
実際、2024年8月8日の記事では、オルカンをはじめとする主要なファンドから資金が流出したことが報じられていました。これは日経平均が大きく下落した、いわゆる植田ショックが起きたタイミングと重なります。急激な下げに慌てて売却してしまった方が、会員の中にも見受けられました。
主要ファンドの流出額を見てみると、S&P500は特に大きく資金が流出しており、金額としては4兆6000億円にのぼります。オルカンと比べても3倍近い規模で、純資産総額がその分だけ伸び悩む結果となりました。松井証券のレポートによると、投資家心理を冷やした要因は日経平均の大幅な下落と、それに伴う円高だったとされています。オルカンの基準価額と対ドル円レートの推移を見ても、相関性はかなり高いことが分かります。ほぼ100%海外株式で構成されているファンドである以上、株価の変動だけでなく為替の影響も大きく受けることになります。
何を買うかということだけでなく、なぜそれを買うのかを自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。誰かに説明する機会がなかったとしても、自分自身がきちんと理解し、納得して保有しているかどうかを大事にしていただきたいと思います。
理由②暴落を軽視している(3:42)
2つ目は、暴落を軽視してしまうという失敗です。過去の主な暴落局面を振り返ると、円建てでもかなり大きな下落率を記録しています。リーマンショックの際には60%ほど資産が目減りしたこともありました。こうした歴史を踏まえると、暴落に強い資産配分、つまり資産分散をあらかじめ考えておく必要があります。
理由③右肩上がりのシミュレーションを信じている(4:05)
3つ目は、右肩上がりのシミュレーションをそのまま信じてしまうという失敗です。ここで言うシミュレーションとは、あくまで過去の実績であり、未来を保証するものではありません。たとえば年利10%でずっと増え続けてきた、含み益が40%や100%になっているという声もよく耳にしますが、ここ数年の実績がそのまま将来も続くと考えてしまうのは危険です。
会員向けのライブ配信でも、株式に偏りすぎている方には少しリスクを抑えるよう促し、逆になかなか投資を始められない方には背中を押すというように、状況に応じて正反対のアドバイスをすることがあります。それぐらい、ちょうどよいバランスで投資を続けてほしいという思いがあります。株式はもともとリスクの高い商品であり、ここ10年ほどの間に投資を始めた方の多くは、大きな下落局面をまだ経験していません。そのため、実際に暴落が起きたときには耐えきれず、簡単に売却してしまう可能性が高いといえます。
資産形成のためにNISAなどの制度をうまく活用しようと考えて始めたはずが、暴落によって心が折れてしまい、途中で積み立てをやめてしまう。さらに怖くなって相場を見ることすら避けてしまうと、次にいつ投資を再開すればよいのか分からなくなり、悪循環に陥ってしまいます。右肩上がりの未来だけを想定するのではなく、過去には厳しい時代もあったということを歴史から学び、苦しい局面を乗り越えるための心構えと対策を用意しておくことが重要です。
理由④元本割れの可能性を軽視している(5:56)

出典:野村アセットマネジメント
4つ目は、元本割れの可能性を軽視してしまうという失敗です。株式100%で運用した場合、過去15年間で見ると元本割れがなかった期間も存在します。野村アセットマネジメントが作成したデータによると、世界株式、いわゆるオルカンに代表されるような資産をACWIのドル建てベースで見た場合、15年間保有していれば元本割れがなかったという結果が出ています。
だからといって15年間さえ投資を続ければ安心かというと、それほど単純な話でもありません。15年という期間は決して短くなく、投資教育に携わってきた年月を振り返っても、その間には何度も大きな下落を経験しています。その長い期間、相場から目を離さずに持ち続けられるかどうかは、正直なところ簡単なことではありません。今は相場が好調で元本割れをしていなくても、直近のピークからの下落局面は必ず訪れます。
そうした場面で自分の心が全く揺らがずにいられるのであれば問題ありませんが、本来こうしたことは自分の気持ちだけでコントロールするものではなく、投資戦略やあらかじめ決めておいたルールによって自分自身を縛ることで対応すべきものです。感情に任せていると、どうしても簡単に揺らいでしまいます。自分はお金のことにそこまで強くないのだと理解しておくことも大切です。特に自分のことを頭が良いと思っている、いわゆる頭でっかちなタイプの方ほど、経験が伴っていないために大きな下落局面で簡単に撤退させられてしまいます。60%もの下落に耐えられる人などそう多くはないはずなので、その可能性をあらかじめ想定しておくことが欠かせません。
ちなみに、全世界投資で毎月ベースで積み立てた場合で考えると、7年間保有していれば元本割れがなかったというデータもあります。ACWIのドル建てベースの15年間という期間と比べると、半分程度の期間でリスクを抑えられるという見方もできます。
理由⑤売買した方が儲かると考える(8:05)
5つ目は、売買を繰り返した方が儲かると考えてしまう、いわゆる相場のタイミングを狙って頻繁に売り買いをしてしまう失敗です。投資に慣れてくると、下落前に売却して上昇に転じたタイミングで買い戻せば、もっと儲かるのではないかと考えたくなるものです。それができるのであれば、株式投資をしている人はみんなお金持ちになっているはずです。
実際には、そうした売買を繰り返す投資家の利回りは、相場平均よりもはるかに低くなってしまうという結果が出ています。自分だけはうまくタイミングを計れるはずだと考えるのは、根拠のない自信と言わざるを得ません。カチャカチャと売買を繰り返すのではなく、あらかじめ決めた戦略に基づいて長期的に運用していくことが、結果として利益につながっていきます。

出典:https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/gfct/initiatives/nurturing-players/literacy/citizen/fo r-students/for-students-02
ダルバー社がまとめたデータを見ても、S&P500の過去30年間の平均リターンが11.11%だったのに対して、株式投資を保有していた個人投資家の平均リターンは3.69%にとどまっていました。これは、多くの投資家が上がる前に売り、下がる前に買ってしまうというタイミングのずれによって生まれたギャップだと考えられます。債券についても同様の傾向が見られ、下落局面で慌てて売却してしまうことでリターンが目減りしてしまいます。個人投資家が自分の判断だけで売買のタイミングを計ろうとしても、なかなかうまくいかないというのが実情です。
だからこそ、あらかじめルールを決めておき、そのルールに沿って行動することが大切です。しっかりとした投資戦略を持った上で投資を始めていただきたいと思いますし、もし戦略がないまま始めてしまった場合でも、保有を続けながら学び、少しずつ考え方を切り替えていくということでも構いません。どうしても売買を楽しみたいという場合には、コア・サテライト戦略を取り入れるという方法もあります。全体の75%以上をコア資産として長期保有し、残りの25%程度をサテライトとして自由に売買を楽しむ範囲にとどめておけば、大きな失敗にはつながりにくくなります。
番外編 ランキングやSNSを根拠に商品を選んでいる(10:50)
ここまでの5つに加えて、番外編として挙げておきたいのが、ランキングやSNSの情報だけを根拠に商品を選んでしまうというケースです。証券会社が発表している積み立てランキングを見てみると、上位にはインデックスファンドを中心に、比較的良い商品が並んでいます。多少気になる商品が混ざっていることもありますが、ランキングを参考に選んだからといって、それ自体が悪いというわけではありません。
ただし、ランキングや芸能人・著名人の発言をきっかけに投資を始めること自体は問題ないとしても、なぜその商品が推奨されているのか、その中身をきちんと理解しないまま投資を続けてしまうと、根拠が曖昧なぶんすぐに手放してしまう原因になります。きっかけはランキングやSNSの情報であっても構わないので、最終的には自分自身の知識としてしっかり咀嚼し、納得した上で投資を続けていただきたいと思います。
まとめ(11:43)
ここまで、NISA初心者が陥りやすい失敗パターンを5つ、そして番外編を1つご紹介してきました。こうした失敗を避けるためには、投資の3大原則である長期投資、資産分散、時間分散をしっかりと守ることが欠かせません。NISAで積み立て投資をしていれば時間分散は自然と実現できますし、まとまった資金を持たない状態から始める場合には、時間分散についてはあまり神経質になる必要はありません。すでにまとまった資金をお持ちの方は、その資金についても時間を分けて投資を始めることを意識していただければと思います。
そうすることで、少なくとも大きな失敗は避けられるはずです。経済的な合理性を追求して利益を最大化することよりも、まずは負けないことが何よりも大切です。長期投資を続けるために資産分散をするのだという意識を持っておくとよいでしょう。1本のファンドだけに絞るのは手軽ではありますが、値動きの影響をそのまま受けやすく、簡単にあきらめてしまう原因にもなります。長丁場になることを見越して、投資のことをあまり気にしすぎないくらいのスタンスで向き合うのが、結果として最も良い距離感なのではないかと思います。
またこちらの動画「【超優秀】NISAで投資できてるあなたは「全人口の上位15%」」では、金融庁の調査をもとに、NISAの実際の保有率・稼働率を解説していますのでぜひご覧ください。





