オルカン信者は思考停止?インデックス投資家は三流?市場平均で満足するなんてありえない、に反論します

インフルエンサーやアクティブファンドを勧める立場の人たちから、「オルカン信者は思考停止している」「インデックス投資家は三流だ」「市場平均で満足するなんてありえない」といった声が上がることがあります。

実際に探してみると、YouTube上にもこうした主張は数多く見つかります。このチャンネルではオールカントリーを頻繁に取り上げていますが、それは自然なことです。オールカントリーは現在、国内で最も売れているインデックスファンドであり、多くの人が注目している商品だからです。積立で購入されている金額でも上位を占めており、その割合は全体の半分以上にのぼります。

ほかのチャンネルで「オルカン否定論者のマネーセンス」と紹介されているのを見かけたこともありますが、実際にはオールカントリーを否定したことは一度もありません。むしろ、現在キャンペーン中の投資戦略に関する推奨ファンドにもオールカントリーを含めているほどで、擁護していると言っても差し支えないはずです。

こうした誤解を解いておきたいという思いから、少し挑発的な表現にはなりますが、今回はこの主張に対してきちんと反論していきます。

事実①プロでさえ市場平均に勝てない(1:55)

アクティブファンドを販売している人やそれを支持する人たちの「インデックスファンドで満足しているのか」という主張について、事実を確認しながら見ていきます。

こうした主張をする人たちの中には「怠け者だ」といった言い方をする人もいます。こちら側もポートフォリオの中にアクティブファンドを組み入れているため、その点について強く責めるつもりはありません。結局のところ、それぞれの立場の違いによるものだと考えています。

とはいえ、さまざまな角度からの主張を聞けること自体は良いことです。多くの人にとっての知る権利にも関わることですから、いろいろな意見を聞いたうえで自分自身の中で判断すればよいはずです。それに対して脊髄反射的に相手を叩くような行為は、大人としてふさわしいとは言えず、精神的な余裕のなさを疑われかねません。そのあたりには気をつけながら、事実を確認していきたいと思います。

出典:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス,SPIVAスコアカード

参考にしているのは、SPIVAという、定点観測的にアクティブファンドの成績を調査している資料です。今回見ているのは2025年末時点のデータで、過去15年間においてインデックスと主要なアクティブファンドを比較し、どちらの成績が上回っていたかを調べたものになります。ここでいう「アンダーパフォーム」とは、インデックスよりも成績が低かったことを意味します。

グローバル株式、米国株式、国際株式、そして新興国株式のいずれにおいても、過去15年でアンダーパフォームしたアクティブファンドの割合はほぼ100%に達しています。過去10年で見ても、この傾向はほとんど変わりません。米国株式においてはわずかにインデックスを上回ったファンドも存在しますが、その割合は2%から5%程度にとどまります。長期投資は10年以上を前提に考えるべきだとこれまでも伝えてきましたが、10年から15年というスパンで見る限り、アクティブファンドはインデックスに勝ちきれていないというのが1つ目の事実です

一方で、日本の大型株や中小型株に関しては、まだアクティブファンドに分があると言えなくもありません。ここは公平に紹介しておく必要があると感じています。ただし、これは個人的な見解になりますが、そもそも日本のインデックスがまだ完成されていないのではないかという懸念があります。かつての東証株価指数は東証一部上場の全銘柄を対象としていたため、業績の芳しくない銘柄も含まれていました。

現在は東証再編が進み、対象銘柄はある程度絞られてきていますが、それでも日本の上場企業数はアメリカと比べて少ないのが実情です。アメリカでは上場企業の中からS&P500として500銘柄を選別していますが、日本の主要指数に含まれる銘柄数はそれよりも多くなっています。母数が少ないにもかかわらず選ばれる銘柄数が多いというのは、やや不自然にも感じられます。

アメリカ市場は一部の銘柄に集中しやすいという背景もありますが、それを踏まえても、日本の指数はもう少し絞り込まれてもよいのではないかと思います。ダウ平均は30銘柄、日経平均は225銘柄で構成されており、絞り込みすぎればゆがみが生じる面もあるため、歴史的な経緯とのバランスも必要になりますが、それでも日本のインデックスにはまだ進化の余地があると感じています。日本国内で指数そのものが磨かれていけば、インデックスファンドを組成する際に支払われる使用料も国内にとどまり、海外に流出しにくくなるという利点もあります。あくまで個人的な意見ではありますが、日本のインデックスにはもう少し頑張ってほしいという思いがあります。とはいえ、日本株のアクティブファンドに関しては、まだ優位性を捨てきれない部分があるというのが2つ目の事実です。

事実②そもそも多くの個人投資家は市場平均にさえ到達できない(6:17)

出典:Wearth Lead

続いての事実は、多くの個人投資家がそもそも市場平均にすら到達できていないという、少し悲しい現実です。アメリカのダルバー社が投資家行動の定量分析として発表し、それをWearth Leadがまとめた図表を参考にしています。これは過去30年間において、株式と債券それぞれの代表的な指数と、実際にその指数に連動する投資信託を保有していた投資家のリターンとを比較したものです。

株式について見ると、S&P500指数の過去30年間の平均リターンは11.11%とされています。それに対して、株式ファンドを保有していた投資家の平均リターンは3.69%にとどまっており、かなりの開きがあります指数をそのまま保有し続けていれば11%を超えるリターンを得られたはずですが、30年という期間の中で自身の感情に流されたり、決めていたルールに従えなかったり、相場の急落や経済的な混乱に動揺して投資をやめてしまったりすることで、実際のリターンは大きく目減りしてしまいます

債券についても同様の傾向が見られます。バークレイズのアグリゲート債券指数を用いた比較では、過去30年間の平均リターンは7.67%と、債券にしては高い水準になっています。しかし、実際に債券ファンドを保有していた投資家の平均リターンは0.7%にとどまっており、こちらもおよそ七パーセントの開きが生じています。株式でも債券でも、感情に左右された投資行動によって同程度のリターンが失われているという結果になっています。

投資の神様バフェットの声(8:04)

ここで紹介したいのは、バリュー投資家として知られるウォーレン・バフェット氏の言葉です。バフェット氏自身はアクティブ投資家ですが、自身の遺言として、資産の10%を短期国債に、残りの90%を低コストのS&P500インデックスファンドに投資するようにと書き残しています

具体的な例としてバンガードのファンドが挙げられているほどです。徹底したアクティブ投資家であっても、自分がいなくなったあとに資産を託す相手に対しては、インデックス投資を勧めているという事実は重く受け止める価値があります。加えてバフェット氏は、長期的に見れば高額な手数料を取る運用会社に資金を託す投資家の多くは、年金基金や機関投資家、個人投資家を問わず、インデックスの成績を下回ると確信しているとも述べています。

マネーセンスカレッジ23年間の投資教育経験からわかること(9:23)

投資教育に携わってきた長い経験の中でも、同じような傾向を実感してきました。かつてインデックスファンドが存在しなかった時代には、アクティブファンドを活用しながらアセットアロケーション運用の情報を発信していましたが、インデックスファンドが登場してからは徐々にそちらへと置き換えていく形をとってきました。インデックス投資でアセットアロケーション運用を続けていくと、資産は安定的に増えていきます。ところが、それがかえって物足りなさにつながってしまうことがあります。

もっと積極的に増やせないかと考え、個別株式やFXに手を出して資産を全て移してしまい、結果として損失を出してしまう人を数多く見てきました。それでも元本を大きく減らしていないことが救いとなり、やはりインデックスに戻ろうと考え直し、再び資産が増え始めます。そしてまた物足りなくなり、今度は不動産投資に興味を持つというように、同じ流れを繰り返してしまう人が少なくありません。長く会員として関わってくださっている方の中にも、思い当たる方がいるのではないでしょうか。

長期投資を信じ続けることは、決して簡単ではありません。長期投資そのものは単純な行為ですが、その考え方を本当の意味で理解することは難しく、つい欲が出てしまうものです。だからこそ、投資は継続することに意味があると繰り返し伝えてきました。

とはいえ、資産のすべてをインデックスに集中させなければならないというわけではありません。コアサテライト運用という考え方も紹介しており、資産の70%程度をコアとして安定的に運用しつつ、残りの25%程度は自分自身が応援したいと思う個別銘柄に投資することも十分にありだと考えています。投資という行為そのものが、世の中が良くなってほしいという願いのもとに、応援したい企業へ資本を投じる行為であり、そこにこそ投資本来の醍醐味があります。ただし同時にリスクも伴うため、全資産を投じることは避け、25%程度にとどめておくことが望ましいといえます。

すでにアセットアロケーション運用によって資産が順調に増えているのであれば、それをすべてやめる必要はなく、新たに入ってくる資金の一部を個別株式などに振り向けていくことは、むしろ積極的に勧めたいと考えています。そうして投資を学んでいくことが、自分自身にとっても、周囲の人々にとっても、より良い社会につながっていくはずです。

まとめ(12:38)

世の中にはさまざまな意見を述べる人がいます。動画へのコメントにも「オルカン信者は思考停止している」といった声や、否定していないにもかかわらず「マネーセンスカレッジはオルカンを否定している」といった声が寄せられることがありますが、そうした言葉に惑わされる必要はまったくありません。日本語を正しく理解し、読解力のある方であれば、そのような受け取り方はしないはずです。余計な言葉から距離を置き、淡々と投資を続けていくことが大切です。

個人投資家が自分自身の感情に流されて投資をしてしまうと、市場平均にさえ到達できないというのは、これまでの経験からも実感していることです。だからこそ、生活を支える大切な資産については、値動きの大きさをアセットアロケーション運用によって抑えながら、無理のない形で世界全体の成長に乗せていくという考え方を大切にしています。リスクを抑えればそのぶんリターンも下がってしまいますが、それでも安定的に資産を育てていくためには、こうした運用の考え方が欠かせないと感じています。

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