【超優秀】NISAで投資できてるあなたは「全人口の上位15%」

SNSでは自分の興味がある情報ばかり集まってくるため、NISAが話題になっている界隈にいると、まるで日本国民全員が新NISAを使っているかのような錯覚に陥ってしまいます。実際にはそうではなく、出遅れて焦る必要はありません。

今回は金融庁が7月3日に発表したNISAの利用状況に関する調査結果をもとに、実態を解説していきます。データは2025年12月末時点のものです。

NISA利用状況(0:52)

出典:金融庁

まず口座数を見ると、2025年12月末時点で2821万口座となっており、金額としても71兆円に達しています。この伸びはかなり大きく、グラフを見てもぐっと角度が上がっているのが分かります。政府はもともと2027年12月末までに口座数3400万、買付額56兆円という目標を掲げていましたが、金額の面ではすでにこの目標を超えている状況です。

目標を達成しているなら、そろそろ新しい目標を掲げてもいいのではないかと思うくらいです。仮に上方修正するとしても、それを裏付けるだけの根拠となる数字は十分にそろっています。口座数については、2024年12月末から300万口座弱増えているペースなので、あと2年でこのペースが続けば目標に届くかどうかというギリギリのラインです。相場の状況にも左右される部分なので、まだ確実とは言えません。

日本の人口に対する保有率(3:00)

続いて保有率を見ていきます。総人口に対する割合は22.9%で、およそ4.4人に1人が口座を持っている計算になります。今回の新NISAは成人向けの制度なので、18歳以上に絞ると26.5%、約3.8人に1人、つまりおよそ4人に1人が保有していることになります。裏を返せば、4人に3人はまだ口座を持っていないということで、これはかなりもったいない状況だと感じます。この数字は総人口の統計データから逆算して算出したものです。

年代別の保有率も発表されていて、20代が26.3%、30代が37.6%と、30代が最も高くなっています。そこから年齢が上がるにつれて少しずつ下がっていく傾向にあります。60代後半や70代以降で保有率が下がるのは、これから使うお金という性質上、運用に回しにくくなるためある程度理解できます。

一方で、本来であれば保有率が上がってほしい40〜60代についても思ったほど伸びていないのが現状です。30代であれば1800万円の非課税枠を使い切らなくても老後資産は自然と積み上がっていく可能性がありますが、40代・50代はまとまった金額を用意しなければならない人も多いはずなので、もう少し保有率が高くてもよいはずです。人口自体が多い世代でもあるため、利用率が伸び悩むと世代内での資産格差が広がる可能性も出てきます。

保有率の推移を振り返ると、新NISAが始まる前の2023年は17.1%でしたが、制度がスタートして話題性が高まったことで20.7%まで伸び、現在は22.9%となっています。18歳以上の成人だけで見ればもう少し高い数字になりますが、総人口ベースではこのような水準です。

保有率と稼働率について(5:22)

ここで注意したいのは、口座を保有していることと実際に運用が稼働していることは別だという点です。金融庁の調査によると、2025年中に一度も買付がなかった口座が1044万口座にのぼります。集計上の口座数は2855万口座となっており、先ほどの2821万口座と若干の差がありますが、これは廃止や再開設などによる統計上の誤差だと考えられます。それでも、口座を持つ人のおよそ3分の1が2025年中は一度も買付をしていないというのは、想像以上に多い印象です

この結果、稼働率は63.4%となり、2025年に限って見れば口座保有者の37%が休眠状態だったことになります。総人口の約23%がNISA口座を保有していて、そのうち63.4%が稼働しているとすると、実際に新NISAを活用している人は総人口の約15%という計算になります。感覚よりもかなり低い数字です。

一方で、日本証券業協会が2024年に行った調査では、旧NISAも含めた口座保有者のうち、一度でも投資をしたことがある人は80%にのぼるという結果が出ています。過去に投資経験がある人が80%もいるにもかかわらず、直近の稼働率が63.4%にとどまっているのは気になるところです。すでに非課税枠の1800万円をほぼ使い切ってしまったのであれば納得できますが、制度が始まってまだ3年目なので、全額を使い切っている人は少数派のはずです。

2000万円程度を目標にしていて、その水準に達したため一旦投資をストップしたという人もいるかもしれませんが、全体としてはまだ枠を使い切れていない人の方が多いはずで、この点はやや物足りなさを感じます。

成長投資枠とつみたて投資枠の稼働率(8:04)

NISAには成長投資枠とつみたて投資枠があるので、それぞれの稼働率も確認しておきます。2025年中に買付があった口座を見ると、成長投資枠の稼働率は36.5%、つみたて投資枠の稼働率は48.8%となっていて、いずれかを使っている人の割合が先ほどの63.4%です。

つみたて投資枠だけを見ると稼働率は半数程度まで下がってしまうので、資産形成の王道であるつみたて投資が活用されているのは新NISA利用者のおよそ半分ということになります。継続的につみたて投資をしている人という条件で絞り込むと、先ほどの15%という数字よりもさらに下がり、10%強程度になると考えられます。

年代別の稼働率も算出してみると、30代が71%と最も高く、50代までは70%前後の水準が続いています。資産形成のまさに現役世代でしっかり活用されているのは頼もしい結果です。それでも3割程度の人が稼働していないことになるので、この数字はもう少し高くてもいいはずです。もちろん、その年に何かしらの事情があって買付を控えたというケースもあるとは思います。

まとめ(9:55)

ここまでの内容を踏まえると、この記事を読んでいる方の多くはすでに新NISAを活用している側だと考えられます。少なくとも総人口の15%以内に入っていることになるので、十分にエリートと言える立場です。さらに、投資を実際に行っている人は、投資をしていない人と比べておよそ3倍の資産を保有しているというデータも出ています。

今は100円や1000円といった少額からでも投資を始められる時代なので、新NISAを使っている時点でこの層にカウントされることになります。投資ができないという声もよく聞きますが、それは多くの場合、できない理由を挙げているだけにすぎません。少額の投資であれば高校生でも始められる金額であり、少なすぎるという指摘もあるかもしれませんが、やらないよりはよほどましです。手取り収入に対する割合で考えれば、どれだけ少なくても投資に回せる余地はあるはずで、そこから人生が好転し始めます。

まだ新NISAを始めていないけれど、これから始めようと考えている方もいると思います。今は残り85%側にいるとしても、始めれば15%の仲間入りです。投資に向かう際は、まず王道から入ることをおすすめします。長期投資、資産分散、時間分散という投資の3大原則を取り入れることで、値動きに振り回されにくい安定的な運用を目指すことができます。もちろん、リーマンショックのような大きな下落局面が来れば一定程度資産は目減りしますが、この3原則を意識することでその影響をできるだけ抑えていくことができます。

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