【2026年12月】iDeCo70歳まで延長の罠。年金の「ある受け取り」で節税が全部消えます 

2026年12月からiDeCoの加入が延長されるという話を聞いた方も多いと思いますが、年金の受け取り方によっては加入できなくなるという罠があります。

どのような点に気をつければよいのか、詳しく解説します。

iDeCo加入可能年齢「70歳未満」に(0:47)

今年2026年12月から、iDeCoの加入年齢が引き上げられます。これまでは国民年金に加入していなければ加入できませんでしたが、条件が緩和され、原則70歳未満の方であればiDeCoに加入できるようになります。

拠出限度額については、第2号被保険者以降の方は月額6万2000円となり、同時に第1号被保険者の方は12月から7000円引き上げられて月額7万5000円まで拠出できるようになります。

加入するにあたって大切な条件が2つあります。ひとつは老齢基礎年金を受給していないこと、もうひとつはiDeCoの老齢給付金を受け取っていないことです。この2つを満たしていれば、基本的に70歳未満の方はiDeCoに加入できます。

注意が必要なのは、1つ目の条件である老齢基礎年金を受給していないという点ですこれを満たさない場合、iDeCoに加入したくても加入できなくなってしまいます。iDeCoには節税効果もありますので、「こんなはずじゃなかった」という事態にならないよう、しっかりと理解しておくことが重要です。

まもなく60歳または65歳を迎える方は要注意(3:01)

もうすぐ60歳や65歳を迎える方には、さまざまな選択肢が生まれます。知らなかったでは済まされないケースもありますので、制度をきちんと理解した上で選択することが求められます。

60歳になるとiDeCoを受け取ることができるようになります。また、60歳から年金の繰り上げ受給も可能になります。これらについては、手続き先から案内や書類が届くことがありますが、よく読まずに書類を提出してしまうと取り返しのつかないことになりかねません。

たとえば、60歳時点でiDeCoの加入先から「受給できるようになりました」という通知が届き、そのまま受け取りを申請してしまうと、今年12月以降に70歳まで加入できるようになるにもかかわらず、受給を開始してしまったことで再加入できなくなります一度受け取りを選択してしまうと、撤回することはできません

具体的なケースとして、60歳で定年を迎えても延長雇用で継続して働く予定の方を考えてみましょう。給与を受け取りながらiDeCoを継続し、所得控除をうまく活用しようと考えていたとします。しかし、60歳時点でまとめて一括受け取りをしてしまうと、その後どれだけ必要とされて再就職や復職をしても、2度とiDeCoには加入できません。所得控除が受けられなくなるため、税負担が増えてしまうことにもつながります。

老齢基礎年金受け取り時の注意(6:55)

老齢基礎年金(国民年金に相当)についても注意が必要です。60歳時点で繰り上げ受給をする場合、老齢厚生年金と老齢基礎年金を両方同時に繰り上げる必要があります。厚生年金だけを繰り上げることはできないため、厚生年金の繰り上げ受給を選ぶ場合は基礎年金も連動して繰り上げになります。

ただし例外として、特別支給の老齢厚生年金が支給される方がいます。昭和41年4月1日以前生まれの女性、昭和36年4月1日以前生まれの男性が対象で、65歳より前から一定額を受け取れる制度です。この特別支給の老齢厚生年金を受け取っても、基礎年金の繰り上げにはなりませんので、この点は心配不要です。一方、60歳未満での繰り上げをすると基礎年金も繰り上げになる点については、特に昭和41年4月1日以前生まれの女性の方はご注意ください。

また、65歳まで年金を待っていたものの、家計が苦しくなった場合に「60歳から受け取っていたとして、もらっていなかった分をまとめて請求する」という選択肢もあります。繰り下げ受給をしている方も同様で、たとえば67歳まで繰り下げていたが、物価上昇などで資金が必要になった際に、65歳から67歳までの2年分をまとめて受け取ることができます。

ところが、この「遡って受け取る」という選択をiDeCoに加入中に行うと大変な事態になります。65歳以降にiDeCoに拠出していた掛け金は拠出できなかったものとして遡って処理されます。その期間に購入した金融商品はすべて売却され、手数料を差し引かれた上で返還されます。

さらに、それまで受けていた所得控除も取り消されるため、所得税・住民税を追加で支払わなければならなくなります。場合によっては社会保険料も追加で発生することがあります。延長雇用期間中にiDeCoを継続している場合、70歳になるまでこのリスクが続くことになります。

ファイナンシャルプランの重要性(12:38)

70歳まで加入できるようになることは大きなメリットです。70歳まで働く予定の方であれば、厚生年金への加入も継続され、企業型DC、iDeCoのどちらかまたは両方を活用しながら、社会保険料の軽減や所得税・住民税の節税を受けつつ、手取りを増やし将来の資産も積み上げることができます。

60歳以降は取り返しのつかない決断が続く時期です選択を誤ると後戻りできない場面も多いため、ファイナンシャルプランナーへの相談や年金事務所への問い合わせを活用することをお勧めします

受給が可能なケース(14:05)

老齢厚生年金を受け取っているだけ、または企業年金を受け取っているだけという方は、今回の注意点には該当しません。重要なのは冒頭で挙げた2つの条件、すなわち老齢基礎年金を受給していないこと、そしてiDeCoの老齢給付金を受け取っていないことのどちらかに引っかかるかどうかです。

たとえば65歳になり、老齢厚生年金だけを受給し始めた場合はiDeCoに加入し続けられます。繰り下げは厚生年金と基礎年金を別々に選べるため、老齢基礎年金を繰り下げて受け取らず、老齢厚生年金のみ65歳から受給しながらiDeCoを継続することも可能です。

また、配偶者が年下の場合に受け取れる加給年金は、老齢厚生年金を受給していることが条件です。iDeCoを継続しつつ加給年金も受け取りたい場合は、65歳時点で老齢厚生年金だけを受給するという選択が有効なケースがあります。

勤務先の確定給付年金や企業型DCの給付を受け取っていても、iDeCoの老齢給付金を受け取っているわけではないため、iDeCoの加入条件には影響しません

まとめ(16:48)

まとめると、iDeCoへの加入継続を左右する条件は2つです。老齢基礎年金を受給していないこと、そしてiDeCoの老齢給付金を受け取っていないことです。この2つさえ押さえておけば、それ以外の年金受給はiDeCo加入に影響しません。

60歳以降はさまざまな手続きの書類が届き、深く考えずに手続きを進めてしまいがちです。しかし一度選択すると取り返しがつかない場面も多く、年金やiDeCoの制度が複雑に絡み合っているため、特に節税効果を活かしてiDeCoを継続したい方は、受け取り申請の前に必ず制度の内容を確認するようにしてください。

またこちらの動画「なんでiDeCoやらないの!?NISAだけの人は要注意!老後資金に『決定的な差』が出る理由」では、NISAだけでは不足しやすい老後資金をiDeCoで補う考え方を解説していますのでぜひご覧ください。

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