「日経平均10万円」は本当か?海外投資家が爆買いする日本株
5月27日、日経平均株価が一時6万6000円台に乗せるというニュースがありました。さらに5月29日には終値で6万6000円を突破しています。かなり歴史的な動きと言えるでしょう。
これを受けて、日経平均が10万円に到達するのではないかという話が各所でなされています。以前から日本株は割安すぎるという指摘はあり、7000円を切るような水準の頃からそうした声は上がっていました。長期的な視点で先回りして仕入れてきた投資家にとっては、今の上昇は報われる展開と言えます。
日本の著名な方たちはどう言っているか?(1:13)
日本の著名な投資家や経済の専門家たちの見解を整理してみます。マネックス証券チーフストラテジストの広木隆氏は、日経平均は2032年に10万円になると予測しています。エコノミストのエミン・ユルマズ氏は、日経平均30万円は十分に狙えるとしており、時期としては2050年頃と述べています。金額は大きいものの、2050年という時間軸を考えると、2032年に10万円という予測よりもやや保守的とも言えます。
8%程度の成長が続けば、あと5〜6年で現在の水準から1.5倍程度になる計算であり、2032年に10万円というシナリオは十分に現実的です。 一方、2050年に30万円というのは年率換算で6.4%程度の成長を想定しており、これまでの平均成長率をやや下回るペースです。
元ファンドマネージャーの岡崎良介氏は、予想EPSと予想PERをもとに、2026年度の日経平均を4万8693円付近と試算していました(4月2日時点)。現在はすでに6万円を超えていますが、確率的な中央値としての予想という性質のものです。EPSとPERから株価を算出するアプローチは、データに基づいた説得力のある手法です。
現在の日本の上場企業を見ると、PBR1倍割れの問題が長年指摘されてきましたが、改善が進んでおり、TOPIXベースで見ても8割方が1倍以上となっています。日経平均全体でもPBRは1.9倍程度に達しており、2倍に近づきつつある状況です。
組織はどう言っているか?(5:29)
大手金融機関や投資会社の見解も注目に値します。野村証券は、強気シナリオとして2026年末に7万円台突破を予想しています。ゴールドマン・サックスはかつて「米国の投資家は自国市場だけで利益を得られた時代があったが、今や日本・韓国・台湾、特に日本に投資していなければ取り残される」と述べており、機関投資家として日本株を外すことは許されない、という雰囲気が生まれています。またブラックロックも、日本株に弱気になる必要はないとして強気見通しを維持しています。
実際に、日本取引所グループが公表しているデータを見ると、2026年4月の海外投資家の買い越し額が突出して大きくなっており、それに伴って日経平均も上昇している様子が確認できます。 外国人投資家が買えば株価は上がり、売れば下がるという構図が如実に表れています。
S&P500と日経平均を比べた結果(7:36)
S&P500と比較すると、米国市場ではPERが20倍を超え、ROEは18%超、PBRは5倍程度に達しています。それと比べれば、日本株はまだまだ割安と言えます。もちろん米国企業の成長力と日本企業を単純に同一視することはできませんが、それを差し引いても日本株には十分な上昇余地があります。
現在の日経平均のEPSは、5月以降の決算発表を経て3700円程度まで上昇してきたと見られています。仮にEPSが3000円の段階でPERが20倍なら株価は6万円ですが、EPSが上がればPERは18倍を切ってきます。S&P500が25〜30倍で買われていることを踏まえると、日本株のPERが25倍まで拡大すれば、株価は自然と10万円に達する計算になります。 そのためにはROEやPBRのさらなる改善が必要ですが、改革はまだ道半ばであり、伸びしろは大きいと言えます。
ROEが8〜10%から10〜15%へと向上していけばEPSも上昇し、PERが現状維持であっても株価は上がります。日本企業が資本効率を高め、含み資産の整理や過剰なキャッシュの還元を進めていけば、その流れは加速するでしょう。長年のデフレや雇用慣行がそれを阻んできた側面はありますが、円安による外資からの買収圧力も意識しながら、企業は世界標準に近づく動きを取らざるを得ない状況になっています。
気になるのは、日経平均がここまで上昇しているにもかかわらず、日本の個人投資家の目線が必ずしも日本株に向いていないという点です。NISAで積み立てられている資金の約7割がオルカンやS&P500に集中しており、日本株の比率はオルカン内でも5%程度にとどまっています。 愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶと言いますが、自分の体験だけでなく、長い歴史の中で今の時代をどう評価するかという視点が投資においては重要です。
長期投資の観点では、今の水準でも割安なうちに仕込んでおくという考え方は有効です。一括投資が難しい方は積立でも構いませんが、ある程度まとまった資金がある場合に、それをオルカンだけに置いておくのではなく、一部を日本株に振り向けるという発想もあってよいでしょう。
投資家のレベルアップ・歴史から学ぶ(14:42)

1972年からのTOPIXとS&P500の長期チャートを見ると、両市場ともに下落局面はあったものの、長期的には成長を続けてきた事実があります。日本においても、リーダーシップのある政権や良好な経済環境が整えば、まだまだ成長できる余地は十分にあります。
まとめ(17:16)
株主還元を重視しすぎると格差が広がるなど、資本主義の負の側面も出てきます。日本独自の文化や社会的な価値観を保ちながら、どうバランスを取るかは大きなテーマです。一方で、日本にはまだ膨大な個人の預金が眠っており、その一部が投資に向かうだけでも株価への影響は大きいはずです。
NISAが2024年に始まりましたが、その資金が海外株式に流れるだけでは、国内経済への還流は限られます。円安が続く中で投資家だけが潤い、国内で生活する人々が疲弊するという構図は好ましくなく、そういった観点からも日本株への投資を見直す動きは今後広がっていく可能性があります。
インフレによる名目的な株価上昇という側面は否定しませんが、長期的には株価は経済成長率を上回る形で上昇してきており、資産形成の手段として株式を持つ意義は依然として高いと言えます。日本株だけに集中するのではなく、海外株式とのバランスを取りながら、世界の経済成長に合わせた資産配分、いわゆるアセットアロケーション運用を実践することが、長期的な資産形成においては重要な考え方です。
またこちらの動画「日経平均、S&P500、史上最高値を更新!なにが起こった?」では、株高が一部銘柄に偏る現実や史上最高値更新の背景を整理し、アセットアロケーションとリバランスの具体的な行動指針を解説していますのでぜひご覧ください。





