【投資の五月病】「これで本当に増えるの?」という不安こそ、成功への入り口です 

投資においても「五月病」が存在するという話を聞いたことはあるでしょうか。そもそも五月病とは、4月から新しい環境に入り緊張感が続いた後、5月頃に無気力感や倦怠感に陥る状態のことを指します。1968年には流行語として認められたほど歴史のある言葉で、新社会人や新入学生が新しい環境に慣れようと頑張った結果、疲れてしまうことや、慣れることができずに「このまま本当に大丈夫だろうか」と感じることがきっかけになります。

これを投資に置き換えると、4月から積立投資を始めたものの、設定してしまえばやることがなくなり、「これで本当に増えていくのだろうか」という不安を感じてしまう状態がそれにあたります。インデックス投資をされている方は特に、積立設定をしたら終わりというケースが多く、自動的にお金が積み立てられていく仕組みが整えば整うほど、何もすることがなくなります。その退屈さや手応えのなさが、不安を生み出してしまうのです。

長期投資が暇で不安な方へ(2:09)

新社会人になると、学生時代には戻れないという現実と、これから何十年も働き続けなければならないというプレッシャーが重なります。そうした中で老後の不安を解消しようと投資を始める方もいますが、それ自体はとても前向きな行動です。スタートを切れていること自体、まだ始めていない方と比べれば大きな一歩です。

ただ、長期投資というのは設定して終わりというケースがほとんどです。スマートフォンやインターネットを使えば資金移動も自動化でき、給与口座から自動的に積み立てられる仕組みも作れます。会社員であれば企業型確定拠出年金の設定を済ませてしまえば、あとは待つだけになります。そこで感じるのが「本当に大丈夫なのか」という不安です。

積立金額も最初は少なく、変化をほとんど感じられません。これから長い道のりになるのに、速度があまりにも遅く感じられる。特に若い方の場合、SNSなどで同世代が個別株で数千万や1億を作ったという話を目にすると、「自分も同じようにできるのではないか」「もっと手を加えた方がいいのではないか」という気持ちが生まれやすくなります。しかし現実は数百円、数千円の上下に留まっているわけで、この理想と現実のギャップが退屈感をさらに強めてしまいます。

長期投資 ≒ 成功(5:59)

こうした退屈感や「本当に大丈夫か」という感覚は、実は長期投資が成功していることの証でもあります。投資に対してハラハラドキドキするイメージや、劇的な動きを期待している方もいるかもしれませんが、それは健全な投資とは言えません。むしろ自分の感情とは無関係に淡々と積み立てが進んでいく状態こそが、正しい投資の姿です。退屈であることは成功とイコールと言っても過言ではありません。

複利効果を前提とした積立投資は、年率7%で運用したとしても、1万円の積み立てなら1年後に増えるのは700円程度です。じわじわとしか増えていかないため、最初は変化をほとんど感じられません。実際に増えている実感が湧いてくるのは、積み立て総額が500万円から1000万円程度になってからというのが現実的なところです。その水準になれば月々の動きが数十万円規模になり、「増えているな」という感覚が生まれてきます。

だからこそ、序盤で短期売却をしたり「これは違うのではないか」と疑いを持ち始めたりするのではなく、育つまで待つ、見守るという姿勢が大切です。

刺激を求めて「浮気」するリスク(8:59)

退屈さからくる「浮気」のリスクについても触れておく必要があります。つまらないからといって銘柄を次々と変えたり、ハンドルをくるくる回して操作している感覚を楽しもうとする行為は、投資においては逆効果です。冷静に理性的に考えた上で選んだ方針であるならば、その結果が出るのは10年後、短くても数年はかかります。2〜3年程度では大きな変化は現れないため、じっと待つことがやはり最善の選択です。長期投資においては、待つことがすべてと言ってもよいでしょう。

投資の醍醐味は「時間」から切り離せる(9:50)

投資の本当の醍醐味は、仕組みを作ってしまえば日々の意識から切り離せるという点にあります。仕事や学業に集中している間も、投資は自動的に進み続けます。頭の中から投資のことを切り離せる状態が、実は理想の状態です。始めたばかりの頃は「本当に大丈夫か」と気になっていても、数年経てばほぼ気にならなくなり、「こんなふうに増えていくものなのか」という実感が経験として積み重なっていきます。

若いうちは確かに、淡々と進む自分に物足りなさを感じることもあるかもしれません。しかし長く続けてきた視点から言えば、そんなことを気にする必要はまったくありません。

五月病の時期は家計が乱れやすい時期でもあります。ストレスを感じてコンビニで甘いものを買ったり、買い物でつい散財してしまったりすることは自然な反応ですが、感情のコントロールにお金を使うことは長期的には無駄になりがちです。ストレスを発散したいときは、昔の友人に会ったり、趣味の時間を取ったり、散歩に出て季節を感じたりといった、お金をかけない方法を選ぶのが賢明です。

新しい環境にいる自分が苦手に感じている先輩でも、よかれと思ってやっていることもあるかもしれませんから、その人の良さを見つけようとする姿勢もまた一つの成長につながります。そうして今の生活に集中しているうちに、投資は自動的に続いていきます。半年に一度、あるいは1年に一度ほど軽く状況を確認する程度で十分です。始めて間もない時期はアセットアロケーションを組んでいれば、積立金額がバランスを自然と整えてくれるため、細かなメンテナンスをしなくても2年程度は問題なく進みます。

まとめ(15:12)

投資が退屈に感じられるのは、投資家としてのスタートが切れた証です。そこから次のステップは、ただ続けることです。続けるためには、一旦投資のことを頭の隅に置いて日々の生活に集中することが最善の方法といえます。

若いうちは時間も体力も記憶力もあり、新しいことを学ぶ意欲も湧きやすい時期です。投資は期間が何より大切ですから、続けてさえいれば結果はあとからついてきます。だとすれば、今は仕事や学業に打ち込んで成功体験を積み上げていく方が、精神的にも健全で、長期投資を続けるための土台にもなります。

合わない人間関係や慣れない環境に悩むことも当然ありますが、そのストレス発散をお金で解決しようとすることは避けたほうが賢明です。散歩、友人との食事、季節を感じるゆったりした時間など、心が自然に癒される過ごし方を選んでください。五月病は6月病・7月病とはならないもので、1ヶ月程度のものです。また楽しいと思える自分が必ず戻ってきますから、それを信じて自分の気の向くまま過ごしていれば自然と消えていきます。投資においても、同じことが言えるでしょう。

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