勝率わずか9%の衝撃。プロが運用しても「オルカン」に勝てない残酷な真実。

テーマ型ファンドとは、AIや半導体、フュージョンエネルギー、宇宙といった「今注目されているテーマ」に絞って投資するファンドのことです。増えそうだ、伸びそうだという期待から注目を集めることが多く、特に投資を始めて間もない方が一度は気になる存在でもあります。

しかし実態はどうなのか、世界規模のデータをもとに見ていきます。

過去5年間で2倍以上に増加(01:52)

出典:Morningstar

Morningstarのデータによると、2024年6月末時点で世界に存在するテーマ型ファンドの数は2,776本にのぼり、過去5年間で2倍以上に増加しています。2020年〜2021年のコロナ禍からの回復期、いわゆるポストコロナのブームの中で、様々なテーマのファンドが次々と生まれたことが背景にあります。投資家の心理としては、これから伸びていく分野に資金を投じたいというのは自然なことであり、そうした需要を受けてファンドの数が急増したと考えられます。

テーマ型ファンドの成功率(03:39)

出典:Morningstar

同じくMorningstarのデータで、2024年6月までの過去15年間にわたるテーマ型ファンドのパフォーマンスが示されています。結果として、1年・3年・5年・10年・15年のいずれの期間を切り取っても、ベンチマークを上回った(オーバーパフォームした)ファンドはごくわずかです。1年時点でもアウトパフォームできているのは全体の約20%に過ぎず、残りの80%は成績が振るわないか、すでに運用を終了しています。さらに15年の長期で見ると、全体の約60%のファンドが消滅しており、長く生き残ること自体が非常に難しいことがわかります

テーマ型ファンドも広義に言えばアクティブファンド(05:36)

出典:SPIVA Japan 

テーマ型ファンドは広い意味でアクティブファンドの一種です。ファンドマネージャーが銘柄を選定し、運用する仕組みは同じです。SPIVA Japanが公表しているデータでも、グローバル株式・米国株式・国際株式・新興国株式のいずれにおいても、長期投資においてアクティブファンドがインデックスを上回るケースはほぼ皆無という結果が出ています

唯一、日本の大型株・中小株では一部のアクティブファンドが成績を残しているケースも見られますが、これは日経平均やTOPIXといった指数自体に歪みや非効率な部分が残っているためと考えられます。インデックスが成熟しているS&P500やNASDAQ100と比べると、日本の指数はまだ改善の余地があると言えます。

テーマ型ファンドの場合、2,776本の中でベンチマークを上回り続けているのは10%程度、つまり270本以下という計算になります。しかも、その「勝ち組」を事前に見極めることは極めて困難です。加えて、テーマ型ファンドは一般的に信託報酬などの手数料が高く、長期保有になればなるほどコストが足かせとなりやすい点も見逃せません。

テーマ型ファンドの上手な使い方(10:09)

それでもテーマ型ファンドを活用する方法がないわけではありません。たとえば、石油関連や特定の産業テーマが注目されている局面で、どの銘柄が恩恵を受けるかを自分で調べる際に、テーマ型ファンドの運用報告書やレポートを参照するという使い方があります。同じテーマの複数のファンドを並べ、上位保有銘柄とその比率を確認することで、プロの分析を個別株選定の参考として活用できます

米国株であれば国内の証券会社からも購入できるため、ファンドそのものに投資するのではなく、その中身を参考にして個別株を自分で買うという方法です。テーマ型ファンドへの直接投資を資産形成のメインに据えることは難しいですが、「学びのツール」として活用するのには向いています。楽しみや応援の気持ちを大切にしながら、少額の余剰資金で試してみるというスタンスが現実的です。

まとめ(12:34)

再現性の高い資産形成を目指すなら、資産分散とアセットアロケーションをベースに据えることが重要です。世界経済の成長に広く乗っていく全世界投資の考え方は、15年以上の長期においても実績が示しており、歴史に裏付けられた方法と言えます。

その上で、余裕資金の25%程度をテーマ型ファンドや個別株に充てるという形であれば、最悪の場合でも75%は守られるという安心感の中で投資の醍醐味を楽しめます。テーマ型ファンドはあくまでも「プラスアルファ」として捉え、資産形成の主軸はしっかりとした分散投資に置くことが大切です。

またこちらの動画「【最新データ検証】9割のアクティブファンドはインデックスに負けるって本当?」では、最新レポートをもとにアクティブファンドの実績を分析しているのでぜひご覧ください。

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