全世界投資は本当に暴落に強いのか?トランプ関税ショックで検証

2025年に起こった「トランプ関税ショック」による市場の暴落を受けてマネーセンスカレッジが提唱する「全世界投資」がどれだけ下落耐性を持ち資産保全に寄与したのかを具体的なデータをもとに検証します。

株式だけに頼らない投資戦略の重要性を知りたい初心者から中級者までに最適な内容です。

キーポイント

トランプ関税ショックで全世界投資はどうなった?(00:00:00)

トランプ大統領による関税政策の再開が市場に強烈なインパクトを与え特に米国株を中心に大きな下落をもたらしたのが「トランプ関税ショック」です。このショックによって多くの投資家が再び「分散投資」の重要性を再認識することになりました。

マネーセンスカレッジでは長年にわたって「分散せよ、分散せよ」と訴えてきましたがこのタイミングでまさにその効果が問われる状況が到来しましたマネーセンスカレッジの「全世界投資」は米国だけでなく世界中の株式市場に分散投資を行うアプローチで特定の国の経済リスクに依存しない点が大きな特徴です。

これからマネーセンスカレッジの会員に提供している実際のポートフォリオと運用結果をもとにどれだけ下落が抑えられたかを説明します。

米国株(S&P500)と全世界投資の実際の下落率比較(00:00:48)

2025年1月6日から4月18日までの期間で米国の代表的な株価指数であるS&P500は約19.46%下落しました。これは日本円での為替調整後の数字でかなりのインパクトを伴う急落と言えます。

また「オールカントリー・インデックス」通称「オルカン」は同期間で約14.95%のマイナス。米国株ほどではないにしても十分な下落率です。

ではマネーセンスカレッジが実践している「全世界投資」の戦略はどうだったかというと同じ期間での下落率はたったの7.76%。これはS&P500の約3分の1、オルカンの半分程度であり明らかに下落耐性が強いということを裏付けています。

これは単に「全世界に分散しているから」だけでなく債券なども組み合わせたポートフォリオ設計によってボラティリティ(価格変動幅)を抑える工夫がされているからです。投資の世界では「リターンはリスクの対価」と言われますがリスクを適切に管理することで暴落時の心理的ダメージを大きく軽減できるのです。

長期的なリスクリターンで見た投資成果(00:03:12)

投資は短期的な結果だけでなく長期的な視点でその成果を評価することが大切です。2003年から2025年までの長期データを用いて全世界投資、S&P500、そしてオルカン(CWI)のリスクとリターンを比較してみましょう。

この期間での結果は以下の通りです。

  • S&P500: リスク17.89%、リターン10.44%
  • CWI: リスク17.9%、リターン8.59%
  • 全世界投資: リスク11.45%、リターン7.76%

リスクはS&P500やCWIよりも明らかに低く抑えられているにもかかわらずリターンもそれほど大きく劣っていません。この「リスクの割に良いリターン」がまさに長期投資家にとって理想の投資戦略といえます。

また全世界投資はリーマンショックの際にもダメージは最小限に抑えられその後の回復も早かったという実績があります。こうした安定感は精神的にも継続投資を助けてくれる重要な要素です。

下落耐性の違いがリカバリーの早さを生む理由(00:04:58)

下落時にどれだけ損失を抑えられるかは回復スピードにも直結します。S&P500のように一度20%も下がってしまうと元の水準まで戻すには25%以上の回復が必要になります。一方で全世界投資のように下落を7%台に抑えられれば回復までの道のりも短くて済むわけです。

「上下の幅をできるだけ抑える」設計こそがマネーセンスカレッジのポートフォリオの強みです。急激に増やすことはないけれど大きく減ることもありません。そんな「穏やかに右肩上がりを目指す」投資こそが現実的な資産形成の鍵となります。

また定期的なリバランスの効果も大きいです。暴落時には価格の下がった資産を買い増すことができるため回復時により大きな効果を発揮します。リスクを抑えつつ、着実に資産を育てる戦略がこのような危機時に真価を発揮するのです。

投資の目的を見失わず、自分に合った手法を選ぶ重要性(00:06:12)

大切なのは投資における「目的の再確認」です。誰もが億万長者になりたいわけではありません。大切なのは自分が理想とする生活を実現するために安心して続けられる投資を選ぶことです。

マネーセンスカレッジが目指すのは「年7%の利回りが見込める無限の定期預金」。これは比喩ですが価格変動商品でありながらも安定した収益を追求する思想を表しています。

投資とは感情と理性のバランスが必要な行為でありそれを崩さない仕組みが必要です。

まとめ

トランプ関税ショックのような急激な市場変動は投資戦略の真価を問われる場面です。その中で全世界分散投資はリスクを抑えつつ安定した成績を出せることが明らかになりました。大切なのは数字だけでなく「心が折れない」投資を選ぶこと。

本記事があなたの投資方針を見直すきっかけになれば幸いです。今後も安心して資産形成を続けていけるよう自分に合った戦略を模索してみてください。

またこちらの動画「勘違いしてない?全世界投資と全世界株式の違い」では間違われやすい全世界投資と全世界株式の違いを解説していますので併せてご覧ください。