トランプ関税ショックで学ぶ!分散投資とリバランスの実践法

長期投資をしていると、せっかくの利益が一瞬で「振り出しに戻る」ような事態に直面することがあります。今回の動画では、S&P500やオルカン一本での投資に潜むリスクや、それにどう対応すべきかを解説しています。

特に「リバランス」に焦点を当て、利益を「確定せずに保存する」方法について、初心者にもわかりやすく紹介します。

キーポイント

1年間の推移(00:01:34)

S&P500やオルカンの「1本投資」はシンプルで始めやすい一方、大きな下落時には利益をすべて失い、資産が振り出しに戻ってしまう危険があります。

 マーケットは常に変動し、特に2024・2025年のように突発的な出来事(今回の「トランプ関税ショック」など)によって短期間で10%以上の下落が起きると、年初来の利益はあっという間に消し飛びます。これが単一銘柄への集中投資の最大の弱点です。

 S&P500は2024年の初めから徐々に上昇していたものの、関税ショックによって年初の利益はすべて吹き飛び、1年前の水準まで逆戻りしました。さらにオルカンも同様で、-3.74%という結果に終わり、多くの投資家が「1年分の苦労が水の泡」に感じたはずです。

「1」はよくない!(00:02:57)

 「1」はリスクが集中しており、ビジネスでも投資でも致命的になりうるということ。一つに絞るのではなく、分散投資こそが資産を守るための第一歩です。

利益を保存するためには、最低でも「2」が必要です。ここでキーワードとなるのが「リバランス」です。

リバランスについて(00:03:43)

リバランスとは、資産配分のバランスを整えて結果的に「高い時に売り、安い時に買う」ことで利益を保存できる投資技術です。

 リバランスは単なる資産の再配分ではなく、マーケットの変動を利用して資産を増やす仕組みでもあります。これを活用することで、「振り出しに戻る」リスクを最小限に抑えることができます。

 たとえば、株式と現金を半々で持っている場合、株価が上がった時に株を一部売って現金に戻し、下がった時にまた株を買うという一連の動きが、リバランスの基本です。
リバランスは長期投資における「利益確定に代わる手段」であり、成長を維持しながらリスクを和らげることができる最適な方法です。

リバランスの正しい考え方と計算方法(00:5:28)

リバランスの本質は「数量(口数)」で考えること。時価総額での誤解が、投資成果の理解を妨げます。

 リバランスを「時価総額」で見ていると、見かけ上は資産が増えていないように見えますが、実際には「口数」が増えており、基準価格が戻った時に資産が増えていることがわかります。

例えば、AとBという基準額が10,000円のファンドにそれぞれ5口、50,000円を投資しているとします。

価格変動によって Aファンドが+25%、Bファンドが-25%変動した場合、Aの基準価格は12,500円、時価総額が62,500円、Bの基準価格は7,500円で時価総額がは37,500円になります。

ここでリバランスを行って、Aファンドの増額分12,500円を売却して(Aの数量(口数)は4万口に減少)、そのお金でBを購入すると、「12,500円÷7,500円=約1,67」となり、Bの数量(口数)は合計で6.67口に増加します。
次に、基準価格が再び10,000円に戻ったと仮定すると、Aの時価総額が「10,000円×4万口=40,000円」で、Bの時価総額が「10,000円×6.67口=66,700円」となり、合計が106,700円に増加しています。この「口数が増える」ことが、リバランスによる利益の正体です。

 「数量(口数)」でリバランスを考えることで、見えない利益が実感でき、長期的に着実に資産を増やすことが可能になります。

リバランスを手に入れるためには?(00:13:02)

リバランスを手に入れるためには、1本では成立しません。少なくとも2本、できればマネーセンスカレッジで扱っているように10種類のアセットでリバランスを行うのがおすすめです。

リバランスは計算が複雑になりやすいため、専用の管理ツールやアプリを活用することで正確かつ継続的に行うことが可能です。

マネーセンスカレッジでは、会員向けに専用の資産管理アプリを提供しており、リバランスのタイミングや金額を自動で計算・提案してくれます。10種類のアセットに投資している場合でも、簡単にバランス調整ができます。

分散投資で得られるリスク低減と安定成長(00:14:00)

分散投資とリバランスを組み合わせることで、リスクを抑えつつ、資産を着実に成長させることができます。

すべてを株式に投資していると、暴落時には資産全体が一気に目減りします。しかし、債券や現金といった非連動の資産と組み合わせておけば、価格変動に耐えられるポートフォリオが作れます。

全世界投資を実践しているマネーセンスカレッジでは、日本株・米国株・新興国株・債券・現金などをバランス良く配置。相場が上昇している資産を一部売却して保存し、下落時には安くなった資産を購入する「リバランス」で資産の安定成長を図ります。

 分散投資とリバランスは、短期の利益を狙うのではなく、リスクを回避しつつ長期で確実に増やすための王道の投資戦略です。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も実践するこの戦略を、個人も取り入れるべきでしょう。

まとめ

1本だけの投資では、思わぬ下落で利益が消えてしまう危険があります。だからこそ、分散投資とリバランスという手法が必要です。リバランスは「利益を確定せずに保存する」ための方法であり、数量(口数)で見ることによってその真価が見えてきます。

また、複数の資産をバランス良く保つことで、マーケットの急変にも柔軟に対応できるようになります。マネーセンスカレッジでは、こうした戦略をサポートする会員制の仕組みや管理アプリも提供しています。

あなたの資産形成を、単なる投資から「人生の計画」へと昇華させるために、ぜひリバランスという考え方を取り入れてみてください。そして、もしまだ不安がある場合は、プレ講座から気軽に学んでみるのも良い一歩です。長期的な安定を手に入れるための第一歩を、踏み出してみてはいかがでしょうか。

関連動画「リターンが増えるから?勘違いされがちなリバランスの真の目的と効果【きになるマネーセンス581】」ではリバランスについてわかりやすく解説しています。
また「《利回り6.77%の実績あり!》最終的に全世界投資が最強になる理由【きになるマネーセンス540】」では分散投資の王道となるアセットアロケーション(全世界投資)について詳しく解説しているので、長期的視点で本格的に投資を始めたいという方は、ぜひ参考にしてください。