NISAの利益で扶養外れ?社会保険料を増やさない方法

NISAを活用して資産運用を行っている人の中には「利益が出ると社会保険料が上がるのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。

今回の記事ではNISAの利益がどのように社会保険に影響するのか、社会保険料が増えないようにするための回避策について詳しく解説します。投資をしながら扶養を維持したい方や不要な社会保険料の負担を避けたい方はぜひ最後までお読みください。

キーポイント

NISAの利益で社会保険料が上がる?基本ルールを解説 (00:00:00)

NISAを活用して投資を行う場合その利益が社会保険料に影響するかどうかはどのような所得として扱われるかによります
まず理解しておきたいのは「社会保険上の扶養」と「税制上の扶養」は別のルールで運用されているという点です。

税制上の扶養とは配偶者控除や扶養控除のことを指し、これは配偶者(特別)控除や扶養控除に関係します。
一方で社会保険上の扶養は健康保険や年金の負担が発生するかどうかを決める基準です。今回はこの社会保険上の扶養について詳しく説明していきます。

基本的に会社員や公務員などが加入する「協会けんぽ」や「健康保険組合」では扶養に入れる条件として「年間収入が130万円未満であること」が定められています。この130万円には給与所得だけでなく投資の利益やその他の収入も含まれる可能性があります。そのためNISAの利益がどのように扱われるかを正しく理解しておくことが重要です。

扶養の仕組みと130万円の壁とは? (00:02:37)

社会保険上の扶養は一定の収入以下であることが条件です。その基準となるのが「130万円の壁」と呼ばれるものです。これは扶養に入っている人の年間収入が130万円を超えると社会保険料の負担が発生するというルールです

130万円の基準は継続的な収入に適用されます。たとえば毎月決まった金額が入ってくる給与や年金などが対象となります。
投資の利益に関しては一度の売却益であれば「一時的な収入」とみなされる可能性が高いですが頻繁な取引をしている場合は「継続的な収入」と判断されることがあります。

特に配当金や毎月分配型の投資信託の利益は定期的な収入とみなされやすいため注意が必要です。これらを含めた収入が130万円を超えてしまうと扶養から外れるリスクがあります。

投資の利益は収入に含まれる?社会保険の判断基準 (00:09:25)

投資の利益が収入として扱われるかどうかは法律上の規定がないため保険者(協会けんぽや健康保険組合など)の判断によります。一般的には以下のように分類されます。

  • 継続的と判断されやすいケース
    • 継続的な配当金、分配金目的の株式や投資信託の保有
    • iDeCoや企業型DCの分割受け取り
    • 継続的な売却による収益
  • 一時的と判断されやすいケース
    • 投資信託内の分配債投資
    • 年1回の売却による譲渡益

ここで挙げたものはあくまで一例であるため必ずしもこのように判断されるわけではないことに注意してください。

なお協会けんぽは売却益、譲渡益に関しては事業として成立しているレベルでなければ基本的には譲渡収益として扱わないとアナウンスしています。年1、2回の取引や100万円程度では事業とは呼ばれにくいといえるでしょう。
ただし配当や分配金は含まれるので注意が必要です。

社会保険料を増やさないための具体的な回避策 (00:15:29)

NISAの利益を受け取りながら社会保険の扶養を維持するためには継続的な利益が130万円未満になるようにする必要があります

具体的な回避策としてまずは非課税口座で扱うことが重要です。そうすることで確定申告を避けることができます。
また保険者のホームページや扶養関係現況書を参照し計算することをおすすめします。もしわからないことがあれば問い合わせてみるとよいでしょう。

まとめ

NISAの利益が社会保険料に影響するかどうかは保険者の判断によります。扶養を維持したい場合は130万円の壁を超えないように運用しNISA口座や再投資を活用するのが有効な対策となります。
最終的には加入している健康保険の保険者に確認することが大切です。

また、こちらの動画「NISAで儲けがでたら社会保険料は上がりますか?」では税制上の扶養と社会保険制度上の扶養について詳しく解説していますのであわせてご確認ください。