新年、新NISAで高値づかみ?データで検証した真実
年始に新NISAを始める人が増え高値づかみになるのではと懸念してはいませんか?
本記事では具体的なデータと過去の事例を基に高値掴みの可能性や市場の実態について詳しく解説します。これから投資を始める初心者や新NISAを活用したい方にとって役立つ情報が満載です。
キーポイント
高値掴みになる可能性は低い (00:00:00)
新NISA制度は年間360万円という拡充された投資枠が特徴です。内訳として成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円となり、特に一括投資が可能な成長投資枠に注目が集まっています。この制度は多くの投資家にとって魅力的であり年始から積極的に投資を開始するという声も聞かれます。
そこで年始に一斉に資金が投入されることで株価が一時的に上昇するのではと懸念する人もいるでしょう。
しかし仮に一括購入する人が多かったとしてもその金額は程度が知れていますし、投資する人全員が一括投資を選択するわけではありません。そこまで影響はないといえるでしょう。
投資資金の規模と市場への影響 (00:03:17)
日本国内の金融資産総額は約2000兆円とされていますが、その中で投資に振り向けられる資金は17%程度に過ぎません。この割合が仮に20%に増えたとしても市場全体に与える影響はごくわずかです。
さらに世界規模で見た株式市場の時価総額は123兆6,606億ドル、日本円にして1京8000兆円を超えるため日本国内の投資資金の動きが世界市場全体に及ぼす影響は限定的と言えます。
株式市場の取引高を考慮すると仮に新NISAによる追加資金が市場に流入しても日々の取引量に対して大きな変動を引き起こす可能性は低いと考えられます。
また投資家がどのような商品を購入しているかにも注目が必要です。多くの投資家は米国のETFや全世界投資など広く分散された資産を選ぶ傾向があります。これにより日本国内の株式市場が直接的な影響を受ける割合は低く、新NISAの枠内での投資が大規模な価格変動を引き起こす可能性はさらに低くなると考えられます。日本株式市場での投資割合が全体の5%程度に留まることもこの見解を裏付ける一つの要因です。
データで見る年始の投資と市場の動向 (00:09:48)
過去のデータを見ると年始における一括投資が市場価格に与える影響は限定的であることが分かります。2024年の大発会、すなわち1月4日における日経平均株価の動きが一つの焦点となります。この日は新年初の取引日であり投資家が一括購入を行う可能性が高いタイミングでもありますが、株価はむしろ若干下落する動きを見せました。その後徐々に上昇へと転じています。
この変動には新年における市場の特有の動きである「お年玉相場」が関係していると考えられます。このように年始に株価が上昇しやすい傾向はありますが全体的な上げ幅は限定的で過度な高値掴みの心配は少ないといえるでしょう。
S&P500の年始の動きを見ると下落傾向にあり2024年の年始が大きな価格上昇を引き起こしたとは言い難い状況でした。市場全体の上昇基調が続いているものの年始に大きな跳ね上がりを見せるような急激な変動は確認されませんでした。同様に全世界投資についても1月4日時点で一時的に下落する動きがありその後右肩上がりの上昇基調に転じています。
結論として2024年の年始に投資を行った場合、高値掴みにはならずむしろその後の市場全体の上昇の恩恵を受けたと言えるでしょう。このデータは短期的な市場の動きに惑わされる必要がないことを示しています。
まとめ
新NISAがもたらす市場への影響や高値掴みのリスクについて詳しく解説してきました。これまでのデータや市場規模を考慮すると、一括投資が市場全体に大きな影響を与える可能性は低いと言えます。
これから投資を始める方も冷静に市場を見極めながら長期的な視野で資産形成を進めていきましょう。
また新NISAが始まる際にも同様の疑問に答える動画「新NISA特需で高値掴みになることはないのですか?」を出しておりますので気になる方はぜひご覧ください。