新NISA活用術:積立・移管・ロールオーバーの優先順位

新NISA制度を始める際に「特定口座からの移管」「旧NISAのロールオーバー」「新規積立」の優先順位について理解を深めることは、効率的な資産運用に欠かせません。

本記事では、新NISAの基本的な特徴から実際にどのように活用すればよいかまでを、詳しく解説します。

キーポイント

新NISA活用の3つの目標 (00:02:12)

新NISAの利用において最も重要なのは、自身の投資戦略を守ることです。
節税や利益を追求するために戦略を変えると、長期的に見て資産運用の効果が薄れてしまう可能性があります。したがって、新NISAを利用する際もまず自分の戦略に沿って計画を立てましょう。

次に、新NISAの年間投資枠は360万円と大きいため、これを「1円単位で使い切ろう」とすると非常に手間がかかります。投資の基本は「継続」であり、必要以上に労力をかけるよりも手間を省いて長期的な視野で運用することが大切です。

最後に、労力をかけずにできる限り年間投資枠を活用することもポイントです。特に、新NISAの積立投資枠と成長投資枠をどう使うかについてはよく考える必要があります。積立投資枠は120万円、成長投資枠は240万円とそれぞれの用途が決まっているため、これを理解して活用することで無駄なく効率的な投資が可能になります。

新NISAの制度概要と特長 (00:04:18)

新NISAでは「積立投資枠」と「成長投資枠」が併用可能になっており、合計で1,800万円の投資ができます。旧NISAと比べて非常に使いやすくなった点として、売却後も再利用が可能な「枠の再利用」ができるという新しい仕組みも導入されています。

新NISAは積立投資枠だけで全額使い切っても問題ありませんが、成長投資枠を利用する場合には最大1,200万円までしか使用できません。そのため、少なくとも600万円は積立投資枠を使う必要があります。

また年間の投資枠が決まっており、積立投資枠は120万円、成長投資枠は240万円までとなっています。この仕組みを理解することが新NISAを最大限に活用する鍵となります。

詳しい内容は以下の記事をご覧ください。

新しいNISAでの投資枠活用の優先順位(00:6:47)

新しいNISA制度で効率的に非課税枠を活用するためには、投資資金を活用する順番が重要です。全体の優先順は以下のとおりです。

1.年末に満期になる旧NISAのロールオーバー

年末に非課税期間が終了する旧NISAの資産は、まず売却して新しいNISAの成長投資枠へ移します。これにより非課税枠を最大限に使えます。

2.新規投資資金(一括・積立)

次に新しい投資資金で行う一括投資または積立投資にいくらかかるかを計算し、残りの枠を確定させましょう。360万円を超えた場合は、ここで終了します。

3.特定口座の投資資金の移管

次に、特定口座で運用している資産を新NISAに移行します。
特に「含み損がある場合」「総枠1,800万円が使いきれない場合」「新規投資資金がない場合」は、売却して新NISAに移すことで節税効果が期待できるのでおすすめです。

4.新NISAの総枠の解放

元本割れした資産を売却し、新しい投資枠を解放して再投資に使うことが可能です。

5.来年以降に満期になる旧NISAのロールオーバー

翌年以降に非課税期間が満期になる旧NISAも、新しいNISA枠が余っている場合は移管しましょう。特に早めの移管で長期的な非課税効果を得やすくなります。

これらの手順を守ることで、新しいNISAの非課税枠を最大限に活かし、効率的な資産運用が可能となります。

まとめ

新NISAを効果的に活用するためには、自分の投資戦略を守りながら、無理なく投資を続けることが重要です。特に、積立投資枠と成長投資枠の使い方や特定口座からの移管について正しく理解し、最適な選択をすることで節税効果や資産運用の効率を高めることができます。

また、総額の再利用や投資枠の管理など細かな部分も把握しておくと、より良い資産運用が実現できるでしょう。

投資を始める際には計画を立て、無理なく続けられる環境を整えましょう。これからの投資ライフを充実させるために、まずは自分の状況に合った最適な利用法を探してみてください。

また、こちらの動画「《新しいNISA乗り換え方法》特定口座から新NISAに乗り換えたほうがいい場合、乗り換えないほうがいい場合【きになるマネーセンス523】」では特定口座から新NISAに乗り換えた方がいい場合と悪い場合を具体的に紹介します。

資産分散の割合「アセットバランス」について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの動画「投資リターンの80%が決まる!資産分散の割合「アセットバランス」の2つのアプローチ【きになるマネーセンス579】」をご覧ください。