96%の株は買っても意味がない?米国株26,000銘柄を分析してわかったこと
SpaceXがIPOするという話題を受け、個別株投資への関心が高まっています。歴史的な上場になるとあって、個別株投資も楽しいという雰囲気が広がっているようです。そこで素朴な疑問として、企業の倒産確率や生き残る確率、株価が上がっていく確率のようなものを知りたいと思い、データをもとに解説します。
今回はSpaceXやその他の特定銘柄の良し悪しを語るのではなく、全体的に見たときの企業の存続率や生き残りの実態を確認した上で、個別株投資の難しさや面白さを第三者的な視点でお伝えします。
米国企業の存続率(1:13)
米国企業の存続率について、米国労働統計局のデータによると、1年後の平均存続率は78.5%、5年後で48.4%、10年後で33.6%となっています。つまり、10年後には約3割しか生き残らないことになります。これは上場企業の存続率ですから、競争はかなり厳しいと言えます。利益を確保しながら生き残っている会社はそれなりの実力があるからこそ生き残れているわけで、その分だけ競争も激しくなっています。
シンクタンクのデータによれば、1912年から世界最大級の産業企業100社を1995年まで追跡した研究では、1995年時点でもトップ100に残っていた企業はわずか19%でした。倒産した企業は29%、残りの48%はM&Aや企業買収によって市場から姿を消しています。M&Aや合併の場合は必ずしも損をしたわけではありませんが、生き残りという観点から見るといかに厳しい世界かがわかります。
さらに別のシンクタンクのデータでは、1970年のフォーチュン500に掲載されていた企業のうち、1983年までに買収・合併・企業分割などで消滅したものが多数あることが示されています。
そして特に注目すべきデータとして、1926年から2016年までの約90年間にわたり、およそ2万6,000銘柄を分析した研究があります。その結果、96%の企業は米国短期債券と同程度のリターンしか生み出していなかったことがわかりました。言い換えると、残りの4%の企業を選ばなければ、米国短期債券を上回るリターンは得られなかったということです。米国市場には優良企業が集まり、そこで莫大な利益が生まれるからこそ、まさに1番かそれ以外かという厳しい世界になっているのです。
その4%に該当する企業が何社かというと、1,092社です。2万6,000銘柄から4%ですから1,000社以上あることになり、S&P500の500社よりも多いとも言えます。そう聞くと選べそうな気がしてくるかもしれませんが、当時どれほど有名な企業であっても生き残るのは容易ではなく、長期的に勝ち続けるためにはそれなりの先見性が必要になってきます。
個別株式を持つ割合は?(6:13)
もちろん、SpaceXのように宇宙事業でトップを走っている企業を否定するつもりは全くありません。個別株投資を楽しみながら自分なりの見立てで投資すること自体は悪いことではなく、それもまた株式投資の醍醐味のひとつです。
ただし、老後の資金づくりや人生のプランニングという観点から考えると、個別株式だけに集中投資するスタンスはなかなか取りにくいと言えます。資産を分散し、時間を分散しながら長期的に保有することで、プランニングの安定度は増していきます。個別株式はあくまでサテライト投資として位置づけ、多くても資産全体の25%程度にとどめておくのが堅実ではないでしょうか。残りの75%については、安定運用を心がけることが重要です。その意味では、全世界に満遍なく投資する分散投資という方法が長期的な資産形成の軸になるでしょう。投資はあくまで自己責任ですので、自分自身が許容できる範囲で取り組んでいただければと思います。
またこちらの動画「米国株の仕込み時ってあるの?100年分データで見た長期投資家の本当の答え」では、中間選挙アノマリーを約100年分のデータで整理し、長期投資の考え方を解説していますのでぜひご覧ください。





