プランがなければ全力投資でOK!10年以内に使うお金は投資してはいけないの本当の意味
以前、10年以内に使うお金を投資してはいけない理由について動画を公開したところ、興味深いコメントをいただきました。「10年以内に使う可能性があるかどうかなんて分かるわけない。27歳独身で10年後に結婚しているか、子供がいるか、何も確証がないのに10年で使う可能性なんて考えるだけ意味がない」という内容です。
このコメントをはじめ、消化不良を感じている方がいらっしゃるようでしたので、改めて解説します。実は、このような状況であれば「全力投資で問題ない」というのが答えなのです。
視聴者さんの疑問(1:55)
コメントをくださったのは20代後半の方でしょう。また別の方からは「30代前半で、10年以内に元本割れしたら即アウトになるような大きな支出が思いつかない」というご意見もいただきました。
そこで、まず理解していただきたいのが「ライフプランとは何か」という点です。
ライフプランとは?(2:26)
ファイナンシャルプランとは「必要な時に必要なお金を用意すること」です。その「必要な時」を考えるのがライフプランなのです。自分が何歳の時に何が必要か。それがライフプランであり、そのライフプランを叶えていくための方法論がファイナンシャルプランになります。
20代後半や30代の独身の方は、いつ結婚していつ子供が生まれていつ家を買うかなんて分かりません。これは「プランがない状態」なのです。
プランがないということは、10年以内に使うお金がないわけですから、全額投資していただいて構いません。もちろん生活防衛資金は貯めていただく必要がありますが、それを一定数置いた上で投資していただくのが一番良いでしょう。
ただし、コメントの「何も確証がないのに10年で使う可能性なんて考えるだけ意味がない」という点については、強く反対します。考える必要があるのです。考えなければ叶わないのです。
特に20代の方は女性の方の相談が多いのですが、結婚やお子さんについて具体的なビジョンを持っている方が結構いらっしゃいます。女性は生物学的にお子さんを産める年齢が決まっていますし、安全な年齢というものもあります。ですから20代の頃から、男性よりもかなり現実的にそういったものを感じる方が多いのです。
ライフプランの決め方(6:09)
相談に来られる方には濃淡があります。「何歳までには結婚して、何歳までには子供を産んで」という具体的な年齢を挙げている方もいらっしゃいます。
例えば、結婚したいと言っていてお付き合いしている男性がいる場合、大体同い年だと男性の方がまだ幼くて結婚を考えていないことが多いのです。そういった話になった時、その相手が結婚を考えていないと分かったのが1ヶ月前だったとしたら、「なぜ今も付き合っているのですか。さっさと別れて次に行きましょう」とはっきりお伝えします。
実際にそのようにアドバイスした方は、すぐに次の方と出会い、すぐに結婚されました。これが「プラン」なのです。
確証はありません。しかし「ここまでに結婚する」と決めるのです。これがプランなのです。「こんなことがあったらいいな」というだけでは、これは夢の段階です。そういう人は大体叶わず、ずるずると時間だけが経過していきます。
結婚というのは出会った人としかできないのです。結婚したいという人には、直近何ヶ月かで一番時間を使った異性は誰かを聞きます。3人か4人くらい名前が挙がると思います。その中にしか結婚できる人はいないのです。
この人たちじゃないと言うなら、この人たちと付き合っている時間がもったいないのです。目標があるということは、その目標に対して適切な努力をしないと絶対に手に入りません。それがプランなのです。確証がないという時点でプランではないのです。
全力投資が正解なのは、何が起ころうともそれで生活するという覚悟があるからです。よく「まだチュートリアルの人生をしているのですか」とお伝えします。チュートリアルが終わって本編がまだ始まっていないまま、人生を終えていくのはもったいないでしょう。
プランがないなら投資へ(10:07)
手に入れたいものがないのであればプランがない、ライフイベントがないということです。ないということは貯蓄できる、投資できるということです。全額投資すれば良いのです。期限が無制限なのですから。若い方は老後資金が必ず必要なのですから、老後資金だけ投資をしていれば良いのです。
今の晩婚化がなぜ生まれているのか、それは今を楽しみたいからです。結婚や子供ができたら、自分以外にお金がかかってきます。そうなると今が楽しめないことになります。だから今を楽しもうという風潮があると考えています。
また、仕事に専念したいという人もいるでしょう。キャリアを築きたい、やりたいことがあるからこの仕事に就いたのに、なぜ一度休まなければいけないのかと考える人もいるはずです。これもプランです。
遊んでも楽しんでも良いのですが、そうすると老後資金の大事な貯蓄がなくなってしまいます。だから今のうちに手取りの10%は投資してくださいとお伝えしているのです。それ以外は15%貯蓄してください。若い方でも将来使いたいお金はあるはずです。今は決まっていないだけで。
それが夢ではなくなって目標になった時、「あと2年後に必ず結婚する」と決めます。その時までに出会っている人の中でこの人と結婚すると決めて結婚するのです。そうでないと結婚できません。
2年後に結婚するなら、結婚式はいくらくらいかかるかを聞きます。そのために今からいくら貯めなければいけないかも決まってきます。だからそれは投資しては駄目なのです。そこでリーマンショックが来られたら大変なことになります。
ファイナンシャルプランの中で「Needs Wants Goal」というものがあります。Needsは絶対に必要な経費です。Wants は欲望、あったら良いなというものです。Goalは人生の中で叶えたいものです。分かりやすく言えば「かかるお金」と「かけるお金」は違うということです。
ライフイベントが決まっていないと、そもそもそこにお金をかけるかどうかも分からないので、そのために貯蓄をしておかなければいけないなんて考えなくて良いのです。逆に言うと、10年以内に使うお金が何もないわけですから、若い方はそうなります。
その時から全力で投資ができていて、徐々に決まってくるのです。20代では分からなかったライフイベントが30代になれば、また40代になればどんどん可能性は絞まって、その中でやれること、自分のやりたいことが決まってくるのです。その時その時の10年以内のお金というのは使う予定のお金なのですから、貯蓄してください。
結局はプランを実現したいのか、それとも可能性としてまだ見ているのか。それで判断していただければ良いと思います。
まとめ(20:28)
将来その何かが決まったら、「10年以内に使う予定のお金は投資してはいけませんよ」という話がリアリティの出てくるお話になります。
プランがなかったら使う予定がないわけですから、全額投資すれば良いです。使う予定がないのですから、インフレに負けたくないので貯蓄では良くありません。生活防衛資金は貯めつつも、それ以外のお金に関してはもう全額投資していただいて構いません。
今使いたい人たちがほとんどだと思うので、10%はしてくださいとお伝えしています。20代だったら10%、30代だったら15%、40代だったら20%という風に上がっていきますが、これだけはしてください。それは投資しすぎではありません。老後資金は全員に必要ですので参考にしていただければと思います。
またこちらの動画「【知らないと損する】10年以内に使うお金を投資してはいけない理由」では、なぜ10年以内に使うお金を投資してはいけないかを詳しく解説していますのでぜひご覧ください。