SBI証券口座開設で失敗しない!よくある9つのつまずきとその回避法【2025年8月版】
SBI証券の口座開設について、よくあるつまずきポイントを解説していきます。過去にも同様の動画を作成していましたが、1年以上が経過し、その間に乗っ取り事件によるセキュリティ強化や住信SBIネット銀行のドコモ買収など、様々な変化がありました。
そのため、最新情報に基づいて改めて解説します。
口座開設のつまずきポイント(1:50)
従来は8つのつまずきポイントがありましたが、セキュリティ関連の追加により9つに増えました。これらのポイントを順番に詳しく解説していきます。
①メールアドレスの選定(2:05)
SBI証券では、セキュリティ強化により1つのメールアドレスで1つの口座しか開設できなくなりました。これは良いセキュリティ対策である一方、家族の口座を一人で管理している場合には不便さが生じます。例えば、2段階認証が求められた際、家族それぞれのメールアドレスに認証コードが届くため、その時その人がいなければメールを確認できないという問題が発生します。
PCの場合、デバイス認証が必要になり、事前登録された機器でのみアクセス可能です。このデバイス認証を登録する際には2段階認証が必要で、登録されているメールアドレスにコードが送信されます。1口座に対して1メールアドレスという制限があるため、家族の口座を管理する場合は工夫が必要になります。
この問題を解決するために、Gmailのエイリアス機能の活用をおすすめします。SBI証券では元々2つのメールアドレスを登録でき、どのメールをどちらのアドレスに送信するかを細かく設定できます。
Gmailのエイリアス機能では、プラス記号を使う方法とドットを使う方法の2つでメールアドレスを作成できます。プラス記号を使う場合、sample@gmail.comをsample+mama@gmail.comのように変更でき、プラス以下は英語であれば何でも設定可能です。ドットを使う場合は、sample@gmail.comをs.ample@gmail.comのように変更できますが、アットマーク直前のドットは避けてください。
受信のみであれば設定は不要で、作成したエイリアスアドレスをそのまま登録するだけで使用できます。ただし、プラスを含むメールアドレスを受け付けないサービスもありますが、SBI証券では使用可能です。エイリアス機能は有名な方法のため、本来のメールアドレスは容易に特定されることも覚えておいてください。
なお、アプリからのログインには生体認証が必要で、1つのスマートフォンに1つの認証しか登録できないため、家族の口座管理はPCまたはスマートフォンのブラウザ経由で行うことになります。
②1つのユーザーネームと2つのパスワード(13:33)
SBI証券では3つの認証情報が必要になります。まず、ユーザーネームはIDに相当する英数字で、変更可能です。次に、ログインパスワードはログイン時に使用するもので、取引パスワードは売買注文時に使用します。この2つのパスワードは別々に設定する必要があります。
セキュリティ対策として、パスワードの条件が厳しくなりました。以前は6文字以上16文字以内でしたが、現在は10文字以上で英数字と記号を含む必要があります。手入力は困難なため、コピー&ペーストやパスワード管理アプリの使用を推奨します。
③特定口座の選択(16:16)
納税方法の選択では、SBI証券に任せる特定口座の源泉徴収あり、自分で申告する特定口座の源泉徴収なし、自分で計算・申告する一般口座の3つから選択します。よほどの理由がない限り、SBI証券に任せる特定口座の源泉徴収ありを選択することをおすすめします。
お子様の口座で年間45万円以内の利益に収める場合は、自分で申告する特定口座の源泉徴収なしを選択することで税金を回避できます。ただし、45万円を超えた場合は確定申告が必要になります。贈与税は所得税とは別なので、110万円以内の暦年贈与であれば非課税です。税務知識に不安がある場合は、多少税金がかかっても完全に処理が終了するSBI証券に任せる方式を選択することをおすすめします。
④住信SBIネット銀行とSBI新生銀行 どっち?両方?(19:49)
住信SBIネット銀行をお持ちでない方は、同時開設をおすすめします。住信SBIネット銀行は自動入出金機能による利便性があり、生活用・貯蓄用・投資用の3つの口座を1つの銀行で管理できる非常に便利な銀行です。SBI証券との連携も最も便利に設定されています。
SBI新生銀行も同時開設可能ですが、両方申し込むと住信SBIネット銀行が優先設定されます。SBI新生銀行との連携であるSBI新生コネクトを希望する場合は、別途手続きが必要になり複雑になります。そのため、特にSBI新生銀行を希望しない限りは住信SBIネット銀行のみの開設をおすすめします。
住信SBIネット銀行はドコモに買収されましたが、dポイントが関係してくる程度で、現在最も使いやすい銀行であることに変わりはありません。買収後のサービス変更については不明ですが、現状では問題なく利用できます。
⑤ポイントサービス 何選ぶ?(23:34)
ポイントサービスはご自身が普段使っているものから選択できますが、投資に使用したい場合は注意が必要です。投資信託の購入に使用できるのはVポイントとPontaポイントのみです。どちらも金額指定での購入と積立投資の両方に対応しています。
Vポイントは三井住友カードとの連携でSBIグループが推奨しているポイントです。SBI証券でクレカ積立をする場合に貯まるポイントでもあり、特にこだわりがない場合はVポイントを選択することをおすすめします。積立投資にも対応しているため、ポイントが貯まった瞬間から自動的に投資に回すことができ、無駄なく活用できます。
dポイント、JALマイル、PayPayポイントは投資信託購入には使用できませんので、投資での活用を考えている場合は避けてください。
⑥銀行同時申込の罠(25:59)
住信SBIネット銀行を同時開設した場合、SBIハイブリッド預金口座と預り金自動スイープサービスという2つの設定項目が表示されます。これらは自動的にチェックが入っているため、そのまま進めてください。
住信SBIネット銀行とSBI新生銀行を両方申し込んだ場合、連携される口座として住信SBIネット銀行が優先設定されます。SBI新生コネクトを利用したい場合は、別途SBI新生銀行側で手続きが必要になり、非常に手間がかかります。そのため、どちらか一方のみの申し込みを強くおすすめします。
初期設定(28:18)
口座開設申し込み完了後、初期設定のメールが届きます。この初期設定は非常に時間がかかるため、慣れた人でも30分程度は必要です。十分な時間を確保してから開始してください。昼休みなどの短時間で済ませようとすると、時間が足りなくなってしまいます。
初期設定では勤務先情報、配偶者の情報、インサイダー情報の登録、投資経験、投資目的、株式購入プラン、配当受取方法などを設定する必要があります。これらの情報は法令上義務付けられているものが多く、省略することはできません。
最も重要なのは、虚偽の情報を入力しないことです。金融機関が最も嫌うのは嘘をつかれることで、信用が失墜すると口座凍結や強制解約につながる可能性があります。証券取引法違反という重い罪に問われる場合もありますので、自身の状況を正直に記入してください。審査に影響することはありませんので、包み隠さず事実を記載することが大切です。
⑦国内株式取引のプラン選択(31:30)
国内株式取引ではスタンダードプランとアクティブプランの2つから選択します。SBI証券は手数料無料を宣言していますが、それには条件があり、条件に当てはまらなかった場合にこのプランが適用されるため、初期設定に含まれています。
個別株式投資をせず、インデックスファンドでの長期運用がメインの場合、どちらのプランを選択しても実際には使用しません。投資信託を使った資産形成では、この設定は全く関係ありませんので、迷った場合はアクティブプランを選択してください。
証券会社の従来の役割は個別銘柄の株式購入でしたが、現在の主流はファンド投資です。特に資産形成として長期投資を行う一般的な個人投資家にとっては、インデックス投資やアセットアロケーション運用が中心になります。そのため、国内株式の取引プラン選択は実質的に影響しないことが多いのです。
⑧配当の受取方法(34:04)
配当の受取方法は株式比例配分方式に設定してください。これが最適な選択です。NISA口座でETFやREITなどを購入した場合、配当金を非課税で受け取るにはこの方式の設定が必要になります。
投資信託の分配金にはこの設定は関係ありませんが、将来的にETFやREITを購入する可能性を考えると、最初から株式比例配分方式に設定しておくことをおすすめします。この方式を選択すると、他の証券会社の口座をお持ちの場合、全ての口座が自動的にこの方式に変更されることも覚えておいてください。
ただし、特別口座をお持ちの場合は選択できません。特別口座は2009年1月5日の株式電子化以前から株式を保有し、電子化手続きを行わなかった場合に開設されるものです。相続などで特別口座を承継している可能性もありますが、非常に稀なケースです。
⑨NISA口座開設にタイムラグがある(36:54)
NISA口座を初めて開設する場合、1〜2週間程度の時間がかかります。現在、SBI証券をはじめとする各証券会社のユーザーサポートが非常に混雑しているため、処理に時間を要している状況です。
ユーザーネームとログインパスワードは初期設定メールより先に届きますが、初期設定が完了するまでは何もできません。早く投資を始めたいと思ってログインしても、全く設定ができない状態になりますので、焦らずに初期設定完了メールを待ってください。
NISA口座の開設状況は、口座管理メニューからお客様情報設定・変更、取引関連・口座情報の順に進み、NISA項目が「開設済み」になっていることで確認できます。この確認ができてから積立設定などを行うことをおすすめします。
まとめ(40:09)
SBI証券の口座開設における9つのつまずきポイントを詳しく解説しました。初めて投資を始める方が遭遇しがちな疑問や困りごとを網羅的にカバーしています。セキュリティ強化により手続きが複雑になった面もありますが、適切な知識があれば確実に開設できます。
特に重要なのは、メールアドレスの設定方法とパスワード管理です。Gmailのエイリアス機能を活用すれば、セキュリティを維持しながら家族の口座を効率的に管理できます。また、すべての情報を正直に記入することで、トラブルを避けることができます。
Q&A(40:45)
ポイント連携について、後から変更は可能かという質問がありました。これについては、いつでも変更可能です。メイン画面の「ポイント」から「メインポイントの設定」で簡単に変更できますので、最初の選択で悩む必要はありません。
セキュリティ対策についても質問をいただきました。詳細なセキュリティ対策については別途動画を用意していますが、SBI証券の公式サイトでも最新情報を確認できます。今回紹介したGmailのエイリアス機能を活用すれば、セキュリティを低下させることなく、家族の口座を一人で管理することも可能です。ただし、PCまたはスマートフォンのブラウザでの管理が前提となります。
また、既に口座をお持ちの方についても、パスワードを長いものに変更することは必須です。セキュリティ対策として、2段階認証やデバイス認証と合わせて実施してください。
こちらの動画「【証券口座乗っ取り】 5月31日までに設定しないとログインや取引ができなくなる!?SBI証券・楽天証券の必須設定」では、自分で行えるセキュリティ対策について解説していますので併せてご覧ください。