新NISAは枠復活するからiDeCoより良い?NISAと確定拠出年金(iDeCo)の違い

2024年から新しくなるNISA制度。従来よりも柔軟で、投資枠が復活するなどの進化を遂げました。しかし、「これでiDeCoはもう不要?」という疑問が浮かびます。

この動画では、新NISAとiDeCoの違いをわかりやすく解説し、それぞれをどう使い分ければ良いかを考えていきます。

キーポイント

NISA制度と確定拠出年金制度の違い

NISAと確定拠出年金(iDeCo)は、どちらも非課税で資産を運用できる制度ですが、運用目的と仕組みが大きく異なります。

NISAは、いつでも資金を引き出すことができ、特に新NISAでは売却後に投資枠が復活するという柔軟性が強化されました。これは、資金を必要なタイミングで引き出しつつ、再度投資する機会を確保できるため、短期〜中期的な資産運用に適しています。

一方、iDeCoは老後資金専用の制度で60歳まで引き出しができないという制約があります。その代わりに、掛金が所得控除の対象となり、運用時非課税など長期間の運用が可能です。

節税効果も大きく、老後の資産形成を重視する人には非常に有利な制度です。

新NISAとiDeCoの制度は、以下の動画で詳しく解説しています。制度内容をイマイチ把握しきれていない場合はぜひご参照ください。

新NISAの投資枠復活について

新NISAの最大の特徴は、売却後に投資枠が復活することです。従来のNISAでは、一度資産を売却すると、その分の投資枠が失われてしまいました。しかし、新NISAでは、売却した分の金額に相当する投資枠が再度利用できるため、より戦略的に資産を運用できます。

たとえば、100万円分の金融商品を売却した場合、その100万円分の投資枠が復活し、新たに100万円分の資産を購入できるようになります。

なぜNISAは拠出型ではないのか?

NISAがiDeCoのような拠出型制度ではない理由には、歴史的な背景があります。NISAは、英国のISA(Individual Savings Account)をモデルにして導入された制度ですが、日本版では複雑なルールが導入されました。

英国のISAは、投資した資金が非課税で運用され、売却後も再度非課税で投資できる仕組みが採用されていますが、日本でNISAを導入する際、金融機関が手数料を得るために顧客に頻繁な売買を促す「回転売買」が問題視されました。

その結果、NISAは完全な拠出型ではなく、売却時に投資枠が復活するという形になりました。このルール変更により、投資の柔軟性は保たれつつ、一定の制限が設けられる形となっています。

NISAが使いづらい原因は政府だけでなく、私たち国民も関係したことをご存知でしょうか。以下の記事で解説しているので、気になる方はぜひチェックしてください。

拠出型も使ってほしい理由

NISAは投資枠の復活によって柔軟に資産運用ができるため、短期的な運用には非常に便利ですが、老後資金の計画にはiDeCoなどの拠出型制度を併用することが重要です。

iDeCoでは、リバランス(資産配分の調整)を非課税で行うことができ、運用中に枠が減ることがありません。長期的に資産を増やすためには、定期的に資産の配分を見直すリバランスが重要ですが、NISAでは利益分を売却して、その利益で購入すると枠が消費されてしまうのです。

そのため、iDeCoを利用する方がリスク分散や資産成長に適しています。

リバランスの仕組みは『【図解あり】全世界投資のカギ!「リバランス」の仕組みからやり方まで』の記事でチェックすることをおすすめします。図解を使ってわかりやすく説明しています。

両者を併用した投資戦略

NISAとiDeCoを併用する投資戦略が、資産形成には最も効果的です。NISAは、短期から中期的な資金(教育資金や車の買い替え費用など)の必要性に対応しやすい制度です。

一方、iDeCoは、老後に向けた長期的な資産運用を非課税で行えるため、安定した資産形成に向いています。

両方を活用することで、リスクとリターンのバランスを保ちながら、効率的に資産を増やすことができます。

まとめ

新NISAとiDeCoは、それぞれ異なる特徴を持っており、両方をうまく活用することが最適な資産形成に繋がります。

新NISAの柔軟性を活かし、短期・中期的な投資を行いながら、iDeCoで老後資金を長期的に積み立てていくことで、より安定した資産運用が可能です。

自分のライフプランに合った投資戦略を選び、資産形成をしっかり進めていきましょう。