イランショックの暴落で「資産を守れる人」と「投売りする人」の差
2026年、年初来でマイナスになっている状況を受けて、「分散投資をしていたとしても年初来マイナスになるのでしょうか」というご質問をいただきました。結論から言えば、分散投資をしていてもマイナスになっている可能性は高いです。
ただ、こういった局面をあらかじめ知っておくことで心の準備ができ、適切に対処できるようになります。詳しく解説していきます。
S&P500・オールカントリーの推移(1:28)
2026年1月1日から3月31日までの値動きを見てみましょう。まずeMAXIS Slim米国株式(S&P500連動・円建て)はこの期間に-5.76%となっています。続いてオルカンは、S&P500と似た動きではあるものの若干異なり、-3.97%という結果でした。
全世界投資の推移(2:13)
資産分散を取り入れた全世界投資では、同期間の下落が-2.94%にとどまりました。米国株式一本やオルカン単体と比べると、下落幅が抑えられているのがわかります。これは資産分散の効果によるもので、債券や金なども組み合わせることで、株式だけの場合と比べてダメージを軽減できています。
債券の推移(3:00)
債券の動きを見てみると、先進国債券はこの期間に+0.84%と小幅ながら上昇しています。新興国株式も+0.68%と若干のプラスでした。このように、資産配分に含まれるアセットの種類によっては、株式が下がっている局面でも上昇しているものがあります。
こうしたアセットを組み合わせることで、ポートフォリオ全体の下落幅を抑える効果が生まれます。新興国については、イランへの攻撃が始まる前まで好調に上昇していた分がプラスとして残っており、債券についてはリスクオフの動きや円安傾向も加わって、横ばいないし緩やかな上昇となっています。
全世界投資との比較(5:01)

2003年のサービス開始から2025年6月までの長期データを見ると、2008年7月から2021年4月までの約12年9ヶ月間、オルカンやS&P500は全世界投資を下回る期間がありました。リーマンショックのような大きな下落を受けると、たとえ期待リターンが高い株式であっても、回復までに非常に長い時間がかかってしまいます。一方、資産分散を行う全世界投資では下落が抑えられるため、ドローダウン(ピークからの下落)はあるものの、大体5年程度で回復できており、結果として長期間にわたってオルカンなどを上回る推移を続けています。
これはサイクルの繰り返しで、また大きな暴落が来ればオルカン等に一時的に追い抜かれる場面も出てきますが、上下の幅を抑えながら年率7%曲線に近づけて運用し続けることがこの方法の本質です。株式だけで運用すると大きなリターンが期待できる反面、急激な下落も起こります。特に金融不安が生じたような局面では、資産分散の力が発揮され、全体の下げ幅を小さく保つことができます。
大切なのは安定・安心して投資を継続すること(9:16)
全世界投資も年間7%のリターンを目標としている以上、それなりのリスクを取っており、値動きに不安を感じる方もいらっしゃると思います。ただ、下落が抑えられるということは、はるかに大きな効果をもたらします。グラフで見るだけでなく、実際に下落を受けたら自分の資産がどうなるかをイメージすることで、その怖さと向き合えるようになります。
下落を抑えながら、ファイナンシャルプランに合わせた運用方法を組み合わせることで、長期的に投資を継続しやすくなります。今回のご質問にある「年初来マイナス」も、長期投資の視点では3ヶ月の値動きはノイズにすぎません。ただ、これから始める方にとって気になる気持ちは理解できます。大切なのは、投資に回したお金は最低でも10年は使わない資金として考えることです。
開始時期によってはどうしても下落局面に当たることがありますが、世界の経済成長にしっかり乗り続けることができれば、歴史が示すように長期的な資産形成は実現できます。
まとめ(15:50)
投資とは、積み立てる時も取り崩す時も、リターンを確保しながらできるだけリスクを抑えていくことです。これを単体の金融商品で実現するのは難しく、相関性の低いアセットをうまく組み合わせるアセットアロケーション運用によって初めて可能になります。
日本はホルムズ海峡からの石油輸入に約90%を依存しており、今回のイランショックのような地政学リスクが直接的な経済的打撃になり得ます。こうした急変があっても、アセットアロケーション運用を取り入れることでリスクを軽減でき、リターンも皆さんが思うほど大きく損なわれません。
年初来のわずか3ヶ月で下落することが気になるようであれば、分散投資が最善の答えです。3%程度のマイナスすら許容できない場合は投資の組み入れ自体が難しくなりますが、下落をマイルドにしたいという気持ちがあるならば、自分で管理できる範囲での資産分散の方法を学ぶことが第一歩となります。
またこちらの動画「株高円安インフレの今だからこそ投資を始めるべき理由」では、今は高値でも投資を続けられる仕組み作りのポイントを解説しているのでぜひご覧ください。





