住宅ローン変動金利1%超え、どこまで上がる?固定金利への借り換えは必要か?
住宅ローンの変動金利が1%を超えるというニュースが各新聞社から報じられており、固定金利への借り換えも進んできているという話題が広がっています。
現在変動金利で借りている方はどうすべきか、またこれから住宅を購入しようとしている方にも参考になるよう解説します。
住宅ローン変動金利1%超えどこまで上がる?(0:54)
日本経済新聞は「住宅ローン変動金利平均15年ぶり1%超え、安定返済へ固定シフトも」という見出しで報じています。2025年12月に日銀が利上げを行い、その後の追加利上げは見送られているものの、メガバンクを中心に住宅ローンの変動金利が引き上げられています。
三菱UFJ銀行は3月から変動金利の基準金利を0.25%引き上げて3.125%としました。この3.125%はあくまで基準金利であり、ここから銀行間の競争によるディスカウントが適用された後の金利が実際の適用金利となりますが、それでも平均で1%を超える水準になっています。
固定金利も連動して上昇しており、三菱UFJ銀行の場合、固定5年が5.590%、固定10年が5.700%、固定20年に至っては7.390%となっており、2%程度のディスカウントが入ったとしても5%を超える水準です。
変動金利か固定金利か(3:03)
これから住宅ローンを借りる方にとって、変動と固定のどちらを選ぶかは大きな悩みどころですが、結論から言えば固定金利を選ぶべきです。どこまで金利が上がるか分からない以上、固定金利で返済額を確定させておく方が家計の安定につながります。
代表的な固定金利商品であるフラット35は現在2.5%程度で、日本国債の10年金利を参照して35年間の金利が決まる珍しい仕組みです。変動金利が1%台であることを考えると、その差は約1.5%ですが、今後さらに上昇する可能性を考えれば、固定金利を選ぶ合理性は十分あります。
このチャンネルでは以前から、住宅ローンを借りるなら固定金利一択だと伝えてきました。その理由の中でも重要なのは、家計を破綻させないためというものです。固定金利を選んで毎月の返済額が確定していれば、その金額を払い続けることができるかどうかだけを考えれば済みます。
変動金利でお得かどうかを計算することよりも、家計を守ることの方がはるかに重要です。住居費は家計の中で最も安定させるべき支出であり、ギャンブル的な判断を持ち込むべきではありません。
今後も金利は上がるのか(7:28)
今後も金利が上がるかどうかは断言できませんが、日銀としては引き続き利上げを視野に入れていると考えられます。日銀の植田総裁は着任当初から正常な金利水準への回帰を目指すとしており、その目安として1%という水準が意識されています。現状から見ればあと0.25%程度の引き上げが想定されます。
日本はインフレが進み、エネルギー価格の上昇や円安も続いており、インフレを抑制するために利上げが必要な環境が続いています。ただし、賃金の上昇が追いついていないという現実もあるため、利上げのペースはゆっくりとしたものになるかもしれませんが、方向性としては上昇傾向が続くと見てよいでしょう。
返済額への影響(10:16)
金利が0.25%上がった場合、返済額への影響は1,000万円あたり月約2,000円です。残高が3,000万円であれば月6,000円、5,000万円であれば月1万円程度の増加となります。住宅価格が高騰している現在、残高が多い方も少なくないため、影響は決して軽視できません。
変動金利のルール(11:12)
変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」という仕組みがあります。5年ルールとは、ローン締結から最初の5年間は金利が上昇しても支払い金額が変わらないというものです。また、125%ルールとは、半年ごとに行われる返済額の見直しにおいて、元の返済額から125%を超える増額はしないというものです。
ただし、これらは返済額を据え置くだけであり、金利は発生し続けています。その結果、元本の減少が遅れ、35年ローンであれば35年で払い終えられない可能性があります。いずれ未払い分の清算が必要になるという点で、見かけ上の安心感に注意が必要です。
繰り上げ返済はしたほうがよいか?(12:50)
現時点では繰り上げ返済を急ぐ必要はありません。現在の金利水準はまだ低い部類に入るため、繰り上げ返済に充てるよりも全世界投資などの運用に回す方が合理的です。将来的に金利がさらに上昇した場合に備えて、その資金を運用しておき、必要になったタイミングで繰り上げ返済に充てるという考え方が有効です。
繰り上げ返済を検討し始めるタイミングの目安は、実際に自分が支払っている金利が3%を超えてきたあたりです。3%から3.5%になってきたら本格的に検討し、4%を超えたら実行を考えるというくらいの感覚でよいでしょう。期待リターン7%程度の運用と比較した場合、3%台であれば運用を続ける方が合理的ですが、4%に近づいてくると判断が難しくなってきます。
不安なら固定金利に借り換え(15:31)
固定金利への借り換えを検討する人も増えており、SBIグループのSBIアルヒでは2025年に入ってからフラット35への借り換え申し込みが8.4倍に急増したと報告されています。2024年は減少傾向だったことを考えると、潮目が大きく変わってきたと言えます。ただし、借り換えのタイミングを正確に見極めることは誰にもできません。そもそも最初から固定金利で借りるべきだったというのが基本的な考え方です。
変動金利から固定金利に借り換える場合、現在1%超えの変動金利から2.5%程度の固定金利に移ることになるため、約1.5%の金利上昇が生じます。0.25%上昇で5,000万円の残高なら月1万円の増加でしたが、1.5%の上昇となれば単純計算で月約6万円の増加です。これがギリギリの返済額で借りている方にとっては大きな負担となります。
固定金利では支払えないという状況であれば、そもそもそのローンを組むべきではないというのが現実です。年収の7倍以上の借り入れは過大であり、できれば5倍、多くても6倍までが健全な水準です。都市部のマンションでは年収の8倍から10倍という水準になっており、政府が50年ローンや親子ローンを推進する動きも見られますが、根本的な解決にはなっていません。
住宅価格が上昇している背景には複数の要因があります。空き家が増えているにもかかわらず市場に流通する物件は全体の17%程度にとどまっており、新築住宅は年間60万〜70万戸供給されているものの、人口減少とは対照的に世帯数は増加しているため、需要が下がりません。また、国内在住の外国人が増加し300万〜400万人規模になっていることも賃貸需要を押し上げる要因となっています。
まとめ(22:33)
変動金利は上昇していますが、今すぐ繰り上げ返済を急ぐ必要はありません。金利が上昇している局面では運用環境も好転しやすいため、繰り上げ返済の資金は引き続き運用に回すことを検討してください。繰り上げ返済を本格的に考えるタイミングは、全世界投資をしている方であれば実際の適用金利が3%から3.5%を超えてきた頃が一つの目安です。
これから借りる方については、固定金利での借り入れを強くお勧めします。固定金利で毎月の返済額を確定させた上で、自分の収入に照らして本当に払い続けられる金額かどうかを冷静に判断することが重要です。
手取り収入の22%程度を住居費の上限の目安とし、マイホームを持つことが本当に今の自分の人生設計に必要かどうかも含めて、しっかりとファイナンシャルプランを立てた上で判断されることをお勧めします。
またこちらの動画「住宅ローン、大手5行が引き上げ。変動金利は今後どうなる?繰り上げ返済は必要?」では、金利決定の仕組みや支払い増加額の目安、投資か返済かの判断基準まで解説していますのでぜひご覧ください。





