3月に解約ラッシュ?保険を解約して投資に回したらいくら増える?あなたの迷いを数字で解決

3月になると保険の解約を考える方が増えるといいます。年度末というタイミングも影響しているようです。投資の観点から、貯蓄型保険を解約すべきかどうかの考え方や分岐点について解説します。保険の見直しはCMでもよく取り上げられ、街にも相談窓口が多く存在します。マネーリテラシーが高まるにつれて、保険が必要な人とそうでない人の差が明確になってきており、解約を検討する方が増えているのが現状です。

解約を迷う最大の理由は、解約返戻金によって損をしてしまうことへの不安です。この点を踏まえながら、保険の考え方と実際の対処法について整理していきます。

本当に貯蓄型保険は必要か?(1:36)

そもそも論として、解約返戻金が発生する保険には最初から入らないことが理想です。しかし、すでに加入してしまっている方のために、ここからは整理の仕方を解説します。

終身保険・個人年金保険・学資保険・変額保険といった貯蓄型保険は、基本的に現代では必要ないと言えます。保険会社や保険外交員の方は「貯蓄型だから投資ではない」と説明することがありますが、変額保険を販売している以上、その主張には矛盾があります。貯蓄ができない人向けの商品として一定の存在意義はあるものの、マネーリテラシーを身につければ積立投資という選択肢が利用できます

積立投資は長期・分散・時間分散という安全性を持ちながら、全世界に幅広く投資するアセットアロケーション運用で安全に資産を育てることができます。投資を選ばない場合でも、元本保証の金融商品で保険に勝るとも劣らない選択肢は存在します。

保険はそもそも、発生確率は低いが人生を大きく変えてしまうような損害に備えるものです。死亡保険で言えば、扶養義務のある子どもや親がいる場合に加入する意味があります。若くして亡くなった場合に残された家族の生活を守るためであれば、掛け捨て型の死亡保険で月額2,000円程度から加入できますので、貯蓄機能は必要ありません。

保険加入者は減ってきている(4:04)

2024年の調査によると、貯蓄型保険への加入割合は年々低下しており、現在は17.5%まで下がっています。全体の金融資産額が増加しているにもかかわらず、貯蓄型保険に充てる金額は横ばいから微減の傾向にあります。一方で、有価証券など投資に向かうお金は年々増加しており、資産形成の意識が変化していることがわかります

貯蓄型保険が勧められない理由の一つは、契約期間が非常に長いことです。20代で加入して60歳まで続けるとなれば40年近くになります。20歳時点の判断が40年後も正しかったと言えるには、相当なマネーリテラシーが必要です。

また、保険は一度契約すると、その時点の予定利率に縛られてしまいます。将来の金利変化や経済環境の変化に対応できないため、低い利率で固定されてしまう可能性があります。数年前に流行した仕組み預金のように、当時は魅力的に見えた0.5%の金利も、現在の水準から見ればまったく魅力がなくなっています。当時はそれが予測できなかったように、長期固定の運用商品には常にこうしたリスクがあります。

現在の予定利率は1.2〜1.8%程度に上がってきてはいますが、日本のインフレ目標は2%であり、実質的にはインフレに負けるか、かろうじて回避できる程度の水準です。長期の資産形成には、投資の方が合理的です。

投資も同じくらい安全?(7:24)

貯蓄型保険に加入しているということは、ある意味で投資と同程度のリスクを受け入れていることになります。契約当初の解約返戻率は数パーセントから高くても30%程度であり、つまり最大70%もの目減りを受け入れていることになります。投資で70%の損失が出るような商品を誰も信用しないはずですが、何十年にわたる積立保険契約は比較的容易に結ばれています。それだけ受け入れられるのであれば、投資のハードルもそれほど高くないはずです。

過去20数年以上のデータでは、全世界への長期投資は年率7%以上のリターンを実現していますこれは将来の保証ではありませんが、経済学者トマ・ピケティの研究でも示されているように、資本収益率は長期的に経済成長率を上回ってきた歴史があります。市民が投資に参加できるようになって以来、資産の平均を取る全世界投資という考え方は合理性があります。

選択肢は継続・解約・払い済み(12:55)

すでに貯蓄型保険に加入している場合の選択肢は、継続・解約・払い済みの3つです継続は基本的にお勧めできないため、実質的には解約か払い済みかの選択になります。

払い済み保険とは、保険料の払い込みを中止しながら保険自体は失効させずに維持する方法です。それまでに積み上げた解約返戻金を保険料として再計算し直し、払い込み不要の状態で保険を継続します。その代わり、保険金額は大幅に減少します。例えば1,000万円の終身保険が100万円程度になることもあります。

払い済みのメリットは、保険料の負担がなくなることと、一定の保障が維持できること、そして解約返戻金が0になるわけではないため、予定利率での運用が継続されることです。デメリットは保険金額が大幅に下がることと、医療特約などの特約がすべて消滅してしまうことです。特約部分については、都道府県民共済(実質月1,500円程度)で代替することができます。

なお、払い済みは誰でもできるわけではなく、加入期間が短すぎると対応できない場合があります。担当者に確認が必要です。

解約シミュレーション(17:45)

具体的な例として、月額1.8万円・払込期間10年で死亡保障が500万円、18年後に契約返戻金を240万円受け取れる学資保険のケースで考えてみます。現在すでに10年分の払い込みを終え、解約返戻金は約216万円、18年後の満期受取額は240万円という条件です。

この保険を貯蓄と死亡保障に分解すると、500万円の死亡保障は定期保険で月額1,000円程度で賄えます。そのため、毎月支払っていた1.8万円のうち1,000円が死亡保障分で、残り1.7万円が積立・運用分ということになります。

この1.7万円を10年間積立投資し、その後8年間そのまま運用継続した場合、年利4%という控えめな試算でも約340万円になります保険のままなら216万円のところ、投資に回せば100万円以上の差が生まれます。年率7%で運用できれば、差はさらに大きくなります。

解約のタイミングの目安として、満期まで10年以上残っているのであれば、投資に切り替えた方が有利になるケースが多いです。72の法則によれば、年率7%の運用では約10年で資産が2倍になります。解約返戻率が50%であっても、10年以上の運用期間があれば元本相当を取り戻しながらさらに積立分も上乗せできるため、最終的に保険より増える可能性があります。

解約返戻金の確認は電話一本で可能です。担当者を呼ぶのが気まずければ、保険会社の本部に直接電話して「今解約したらいくらになりますか」と聞くだけで教えてもらえます。

投資が怖いなら個人向け国債(25:51)

投資に不安を感じる場合でも、貯蓄型保険よりも良い選択肢があります。個人向け国債(変動10年)は、2025年1月の募集分で金利1.39%となっており、多くの貯蓄型保険の予定利率を上回っていますしかも変動金利のため、今後の金利上昇にも連動して利率が上がっていきます。1万円単位から購入でき、非常に始めやすい商品です。

先ほどの例で言えば、毎月2万円を積み立てるとして、1万円を個人向け国債、1万円を投資信託に充てるだけでも、期待利回りは4%に近づきます。固定30年より固定3年・固定5年のほうがフレキシブルで使い勝手もよく、状況に応じて見直しができるのも魅力です。

まとめ(27:25)

すでに貯蓄型保険を持っている場合は、まず解約返戻金を確認することから始めてください。払い済みにできる場合はその選択肢も検討しつつ、残り期間が10年以上あるのであれば投資に切り替えた方が最終的にお得になるケースが多いです。

生命保険料控除によるメリットもありますが、控除額には上限があり、NISAやiDeCoを活用した方が効果的です。老後資金として保険を活用しようとしている方も、現在の予定利率では豊かな老後資金を作るには不十分です。

大切なのは、まずファイナンシャルプランを作成し、将来受け取れる年金額を把握した上で、毎月いくら積み立てる必要があるかを明確にすることです。そこから逆算して投資が必要かどうかが見えてきます。投資が本当に不要だと分かれば無理に始める必要はありませんが、計画なく保険に払い続けることは、長期的に見ると大きな機会損失につながります。

またこちらの動画「72の法則だけじゃない!使えると便利なお金の法則4選【一括投資・積立投資に対応】」では、72の法則に加えて積立にも使える法則を紹介していますのでぜひご覧ください。

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