【出遅れNISA】株高・円安でも大丈夫!NISAの始め時と賢い運用方法

最近、日経平均もS&P500も高値を更新し続けています。金融庁が発表したNISAの利用状況によると、2025年6月末時点で口座開設数は2696万口座、買付額は63兆円に達しています。順調に増加している一方で、約1億人がまだNISA口座を開設していないという現実があります。

株価が高く、円安も進んでいる現在、利益を取り逃したと感じている方も多いでしょう。今からNISAを始めても遅いのではないかという不安を抱えている方も少なくありません。

出遅れNISA(2:58)

実は、この手の話はどの時代にも常に出てきています。メディアは視聴者の注目を集めるために「出遅れNISA」という言葉を作り出しました。まだNISAを始めていない方が、株価の上昇を見て後悔している状況を指しています。

しかし、投資は実際にやってみないと何も始まりません。未来は誰にも分からないため、不安ばかりが先に立ってしまいます。特にお金に関する不安は、無知から来る恐怖であることが多いのです。約1億人がNISA口座を持っていないという事実は、多くの人が投資を自分ごととして捉えていないことを示しています。

人が行動を起こすためには2つの要素が必要です。1つは正当な理由、つまり問題を解決しなければならないという認識です。もう1つは、今やらなければいけないという切迫した理由です。NISAは老後資金の話であり、若い方や生活に余裕のある方には遠い未来の話に感じられてしまいます。

年金だけでは生活できないことは明らかです。特に自営業者は年金が絶対的に不足するため、貯蓄や資産がなければ老後は厳しい状況になる可能性が高くなります。そうならないためにも、今できることから始めることが重要です。

世界の経済成長について(7:50)

出典:Our World in

いつの時代も、株価が大きく上がった時には「出遅れたのではないか」と言われてきました。しかし、世界は成長し続けています。西暦1年から2024年までの世界のGDPの推移を見ると、経済成長はずっと右肩上がりで続いています。

出典:Our World in Data

産業革命以降の1820年からのデータを対数メモリで表示すると、世界のGDPは複利効果を伴って増えていることが明確にわかります。長い目線で見ると、今が一番経済規模が小さいと言えます。過去には戻れないため、未来を含めて考えると、今が一番経済規模が小さいということになります。

出典:IMF

IMFの経済見通しでも、2025年の世界経済成長率は2.8%、翌年は3%と予測されています。世界経済は約3%程度で成長し続けているのです

トマ・ピケティという経済学者が『21世紀の資本』で示したように、資本収益率は常に経済成長率より高くなっています。つまり、投資家の収益率は経済成長率よりも高いということです。全世界投資という方法論では、期待利回りとして7%程度を見込んでいます。

出典:日興アセットマネジメント

日興アセットマネジメントのデータを見ると、世界株価指数の成長度合いは、先進国と新興国のGDPの成長と連動して増えています。GDPは付加価値の総計であり、その主体となっている株式は、長期的な目線で見れば基本的にGDPとリンクしていると言えます。

まとめると、世界の経済成長は続いており、現在も約3%程度で推移しています。資本収益率はその成長率よりも高く、株式投資では平均的に3%以上の利益が出ています。全世界に満遍なく投資する方法では、過去23年間で大体7%の利回りで運用できています。世界の構造が変わっていないのであれば、世界経済は成長し続けると考えられます。

だとすれば、現在が一番安い時です。株価が上がっていようが下がっていようが関係ありません。いつ始めても問題はないのです。

長期投資の重要性(15:45)

投資は将来のことに対して行うものです。将来は誰にもわからないため、どうなるかは予測できません。しかし、長い歴史から見て、全世界の経済成長に乗っていく方法であれば、過去の例では7%程度の運用効果が得られています。

ただし、短期的に来年も7%運用できるかと言われれば、それは約束できません。10年間程度を目安として、長期投資を心がけることが重要です

長期投資であれば10年間程度の投資期間が必要で、そのくらいの期間があれば長い目線での投資が可能になります。今から投資するお金が10年後以降に使うお金であるならば、基本的に投資に向いています。

現在、日経平均が5万円を超え、米国株式も大きく上がっており、バブルかもしれない、これから下がるかもしれないと様々なことが言われています。しかし、下がったとしてもそれは一時的なもので、またいずれ上がっていきます。リーマンショックなど様々なことがありましたが、それを乗り越えて今に至っているのです。いつ始めてもよいということです。

分散投資には大きく分けて2つあります。1つは資産分散、もう1つは時間分散です。まとまった資金がないのであれば、毎月積立投資を続けるだけで問題ありません。まとまったお金があり、今から下がるかもしれないと思うのであれば、それを適切な期間に分割して、積立投資と同じように投資すればよいでしょう。

さらに、全世界に満遍なく投資するという資産分散を取り入れることが重要です。株式だけでなく、日本株式や米国株式だけでもなく、全てを購入するという考え方に基づけば、世界の経済成長はずっと右肩上がりでしたし、今後もそうだろうと考えられます。

出遅れたと感じたのは行動していないことが原因です。行動していて、それが少ない金額であったとしても、行動していたら出遅れたということはありません。それでも怖いということであれば、小さく始めればよいのです。まず行動するということが大事です。

マネーセンスカレッジがおすすめする全世界投資(20:16)

トップを当てる必要はありません2003年から2024年までの10個のアセットについて表示した表を見ると、全世界投資と呼んでいるアセットアロケーション運用を取り入れた結果は、大体真ん中に位置しています。トップになることはありませんが、ワーストになることもありません。

その背景にある様々なアセットは、それぞれバラバラに動きます。トップを取るものもあればワーストになるものもあって、非常に大きく波打ちます。それを当てようとすると大変ですし、当てることもできません。

そこで編み出されたのがアセットアロケーション運用、つまり全世界に満遍なく投資するという方法です。この方法にすることによって、投資初心者でも投資ができるようになります。

まとめ(21:54)

株価が高いし今から始めても遅いのではないかということに関して言えば、世界は今現在が一番小さい時だと言えます。今から未来ということで考えると、今が一番小さい時です。これからも経済成長を続けていきます。

これから成長していく一番小さい時なのですから、今買わないでいつ買うのかということです。株価は上がったり下がったりしますが、短期間の動きに左右されず、長期的な目線で言えば今が一番安い時です。10年くらい、それ以上の投資期間があるならば、今始めても特に問題はありません。

怖いという方は小さく始めてください。今投資できる金額の10分の1で問題ありません。円安だからということもあるかもしれませんが、これから先に円安になるのであれば海外資産を持っていればよいですし、円高になるのであれば日本資産を持っていればよいのです。どちらかわからないのであれば、両方持っていればよいのです。

長期投資、資産分散、時間分散を取り入れて、今すぐ行動を始めることが何より大切です。

またこちらの動画「《一括投資 vs 積立投資どっち?》最終的に時間分散が最強になる理由」では、投資を始める際に一括で投資するか積立で投資するか、どちらがいいのかを解説していますのでぜひご覧ください。